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救急救命士と介護職を経て、メディア編集者に挑戦中!「話す」が苦手だからこそ「書く」ことへ|あーちんさん

こんにちは!“自分らしく、楽しく、おもしろく”働く、全国の医療従事者を紹介するメディア、「Medi Jump」です。

今回は救命士や介護士を経て編集者に挑戦!取材当時は編集者2ヶ月目のあーちんさんにお話を伺いました。
救急救命士や介護士を目指した理由医療福祉業界から編集の道へ挑戦しようと思ったきっかけなど、たくさんお話をしていただきました!

救命士・介護士から編集者へ。あーちんさんの自己紹介

ーーこんにちは!さっそくあーちんさんの簡単な自己紹介をお願いします。

あーちんと申します。よろしくお願いします。
大学で救急救命学を学び、救急救命士として病院で3年間働きました。
その後介護士を約2年経験し、フリーランスのWebライターやグラフィックレコーダーを経て、今はメディア編集者2ヶ月目として奮闘中です。

本日はよろしくお願いします!

https://twitter.com/atin_med/status/1660103566391140355

救急救命士を目指したきっかけは東日本大震災

ーー最初に、救急救命士を目指した理由をお聞かせいただけますか。

実は、もともと救急救命士を目指していたわけではありませんでした。
小学生の時、友達のお母さんが薬剤師で、私もなんとなく「薬剤師になりたい」と言っていたんです。高校になると化学がすごく苦手で諦めたのですが、身近に医療職の大人がいたことが、医療職に興味を持つきっかけとなりました

その後、救急救命士になりたいと思ったきっかけは、東日本大震災でした
東日本大震災が起きたのは、ちょうど高校2年生の進路を考えていた時。私は九州にいたので影響を受けたわけではありませんが、テレビで津波の映像を見て「これが本当に日本で起こっているのか」とすごく衝撃を受けました

私は物事を直感で決めるタイプ。衝撃と何もできない悔しさを感じていた時に見たドキュメンタリー番組で、自衛隊員や救急救命士など消防の人が働いているのを見て「これだ」と直感的に思いました

そこから人助けに直接的に関わる仕事を探していたら救急救命士にたどり着き、大学で救急救命学を専攻することになりました。

救急救命士から介護士への転職

ーー介護士の資格も取られていますが、経緯を教えていただけますか。

介護士資格を取得した経緯は、実はとてもネガティブな理由なんです
もともと臨機応変な対応や、人前で話をすることが苦手でした。でも、苦手に感じる以上に、人のために動ける自分でありたい気持ちが強かったため救急救命士の資格を取得して病院で働いていました。ただ、苦手とずっと向き合い続けていたので気持ちが折れてしまいまったんです

また、救急救命士として病院で働く中で、「その場限りの対応よりも長期目線でその人と関わりたいな。じっくり人と向き合っていきたいな」と思うようになりました
医療と関連する働き方として何かないかと考えた時に、介護だったら長期目線かつ医療現場の経験も役立てるかもと思ったことが、介護資格を取得したきっかけでした。

ーーありがとうございます。
まず1人の人間として自分自身を大事にされているのはすごく大切なことですよね。

「医療者である前に、1人の人間として考える」という土台は、昔の私にはありませんでした。「自分が頑張れば相手のためになるのなら自分はどうでもいい」という思いが積み重なり、しんどくなったことが、介護士をやめた理由の1つでした

自分を大事にできず、しんどくなると、イライラもたまってきます。
施設の利用者さんを怒鳴るまではいきませんが、言い方がきつくなってしまったこともあり、これはもうまずいと思って現場を離れました
辛い環境に慣れてしまうと、自分の変化に気づけなくなる人は多いのかもしれないと思いますね。

ーーあーちんさんの雰囲気からはキツい言い方をされている姿が想像できないのですが、穏やかな性格のあーちんさんでもいっぱいいっぱいになってしまうほどの働き方だったのですね。

話すことが苦手だからこそ「書く」編集の道へ

ーーそこから働き方を変えたきっかけや編集の道を選んだ理由を教えてください。

今もですがもともと話すことが苦手だったので「書く」という手段を使ってコミュニケーションをとっていました。以前、まいまいさんもそんなnoteを書かれていましたよね。

医療福祉という心をメインに使う感情労働の仕事と、頭を使う仕事でバランスを取りたいと思ったことがきっかけで、副業Webライターをはじめました

ライティングでは、ジャンル問わず中古トラックや女性向けWebメディアでの執筆をしていました。

感情労働の医療福祉業界を5年間やり切ったので、次は頭を使う書く仕事を深めていきたいと思い、編集者としてメディア業についたのが今になります。

グラレコやnoteの発信について

ーーSNSではグラフィックレコーディング(グラレコ)の発信もされている印象があります。

グラフィックレコーディングという、リアルタイムで絵を使ってお話をメモする手法があります。稼ぐためというより、好きな人や応援したいと思う人を後押しする、自分の気持ちを伝えるツールとして「グラレコ」を使っています

もともと学生のころからノートをきれいにまとめるのが好きで興味をもち、発信をはじめました。

ルーツをたどると、やっぱり「話すことが得意じゃないから、書くことで相手に伝える手段」としてはじめたのだと思います。話すことが苦手な自分に対して、私はやっぱりネガティブにとらえていて、補完しようとグラレコをはじめました。

https://twitter.com/atin_med/status/1658615759545991170

ーーnoteでも記事を800本以上書かれていますよね

もう2年以上、毎日noteを書いています。
ノウハウなどではなく、自分の思いをただつらつら述べているだけなんですけどね。

話すことが苦手な人あるあるだと思いますが、頭のなかに言いたいことはあるのに口から出てこないことがある。それをノートで一旦吐き出して、頭をきれいにしています
朝書いてから仕事に行くという、思考の整理にも使ってます。

3つのターニングポイントにより、働き方を変えるまで

ーーあーちんさんが人生を通してのターニングポイントだと感じたタイミングはありましたか?

ターニングポイントは、3つあります。
救急救命士を目指したこと、救命士から介護に行ったこと、最後は介護から編集に移ったことでした。

職業訓練で気づいた2つのこと

ーー介護から編集というのは、業界も変わるので環境の変化が大きいイメージがあります。

介護と編集職の間に職業訓練に行っていたのですが、職業訓練での学びと気づきは大きかったです。

介護士を辞めて編集職に就くまで、一時期フリーライターをしていました。やってみると安定した収入もないし、1人の在宅ワークが意外としんどく感じました。

人と話すことが苦手だから人と関わりたくないと思っていましたが、やっぱり人と関わることが好きなんだと気づいたんです。その時たまたま女性向けWebメディアで、Webデザインに関する記事を書いていて。職業訓練でWebデザインを学べることを知り興味を持ったので、応募して入学しました。

職業訓練校では、Adobe IllustratorやAdobe Photoshop、Adobeツールの基礎、動画編集のグループワークなど、みんなで作品を作るコースに半年通いました。チームメンバーと話をする中で「私は人とコミュニケーションをとることが好きで、デザインよりも文章で役に立てる機会が多い」ことに気づきました。

自分ではWebライターに向いていないと思いデザインを勉強しに行ったんですが、周りの人から「文章書くの上手だよね」と評価されることが多くて。やっぱり私は書く方が向いているなと思い、編集職を探しはじめました。

職業訓練では人と話すことが好き、書くことが好きという自分に気づけた大きなポイントだったと思います

編集者として、今の職場を選んだ理由

ーー今の編集のお仕事は、どんな業界に関わられているのでしょうか。

医療業界には全く関係ない業界です。ネットショップを運営する人や、同じ社内の総務や経理などのバックオフィス系の人に向けた記事、ニュースなどを提供しています

ーー業界も全く違う分野への転職は大変なイメージがありますが、今の職場を選んだ理由をお聞かせください。

何社か面接を経験する中で、ほとんどが相手から一方通行に感じる面接でした。
「なんでこの会社に入ろうと思ったんですか、ああそうなんですね、じゃあ次……。」という面接が多い中で、今の会社の面接を担当してくださった方だけは、違いました。
経歴について話したら、なんでそれを目指したんですかというように深掘りをしてくださいました。面接というよりは、このインタビューのような印象でしたね

やっぱり医療業界からメディア業界未経験の人を採用するのは、採用側からしても不安だと思います。そんな中、経歴ではなく、中身を見てくださったところが自分の中で大きくて。医療とは関係ない業界ですが、挑戦してみたい。この職場で働きたいと思いました

強みも弱みも知ってもらった上で入るので、その面では気が楽だったかもしれないです。
応募したのはen転職というサイトからでしたが、Wantedlyというクラウドソーシングサイトでも会社概要を拝見していて、素敵な会社だなあと思ったことが応募の決め手でした。

ーー編集職を探していた際は、正社員前提で転職活動をされていたのでしょうか。

そうですね。介護職をやめた当時は、フリーでWebライターをしつつ介護職の日数を減らして、余裕を持って働けられればと考えていました。

しかし、フリーライターをやってみて孤独感がつらかったことと、医療福祉業界ではもう5年働いていたこともあり。編集のスキルを身につけるためにも正社員として働いて、スキルの基盤を作った方がいいなと、正社員を前提として転職活動をしていました

救急救命士と介護職から、新人編集者へ!1日の過ごし方

ーー今のあーちんさんの働き方や、1日のスケジュールを教えていただけますか。

正社員として、平日の9時から18時まで働いています。今やっている仕事内容としては、業界に関連するニュースチェックとリライトが中心です

朝は少し早めに出社して、1日のニュースをチェック。朝のニュース記事作成は外部ライターさんに依頼し、その他の速報ニュースは主に私がリライトしています。

フリーランスライターから正社員編集者へ。業務内容の違いとは

業界に関するニュースチェックとリライト以外は、メルマガの執筆や、週1回業界の声を知るための勉強会へ参加して内容の記事化をしています。PRtimesのプレスリリースをよく見ていて、自分のメディアだったらどう書く?と落とし込んだり、プレスリリースを書いたりもしています。

今まで、1日でこんなに大量に記事を書くことはありませんでした。副業でやっていた時もフリーでやっていた時も、1日1本しか書いていませんでした。

正社員になって、上司がいると「これ書いて、これ書いて」と次々に言われて、いい意味で時間に追われるようになっています。早く書かなきゃという緊張感の中にいるので、そこはすごくいいですね。記事執筆を通して、勉強になることもたくさんありますね。

やるべきタスクや仕事がどんどん割り振られて、自分のキャパシティが大きくなる、鍛えられる環境です。毎日が忙しすぎて、気づいたら1日が終わっています(笑)

私は根がめちゃくちゃネガティブなので、少し時間があると「あれできなかったな」と一人反省会をやってしまうのですが、反省会をする暇もないぐらい記事を書いているのでありがたいなと思います。フリーランスでやっていた時とは違う、いい焦りが生まれています。

2ヶ月間の編集職で感じた、医療業界との違い

ーー2ヶ月間の編集職を経て、どんな感想を持っていますか?

本当に時間があっという間に過ぎていきますね。
最初の1ヶ月は、編集の仕事の全体像を知るために取材同行が多くありました。働いていると、医療福祉業界での普通は、一般職では全く通用しないなと感じることも多いです

一番苦労したのは名刺交換でしたね。医療の現場にいると名刺交換ってしないじゃないですか。先輩たちを見て震えながら受け取って、震えながら渡していました(笑)何が正解かわからないので、周りの様子を伺いながら勉強させていただいている。そんな2ヶ月間を過ごしている気がします。

ちょうど繁忙期に入職したためポンっと仕事が振られるので、やるしかない!と思いながら挑む仕事も増えてきました。

元医療職の現役編集者として、今後挑戦したいこと

ーーあーちんさんが、今後挑戦してみたいことを教えてください。
    
編集者として土台ができたら、将来的には体を使う介護職と、頭を使う編集職の二軸で働きたいと思っています。5年後ぐらいを考えているので、35歳くらいでできたら嬉しいですね。

最近、救急救命士の時に仲良かった子に「あーちんはマグロみたいだよね」と言われたんです。私は自分自身のことを内向的でインドアだと評価していましたが、周りから見ると「動かないと死んじゃいそうだよね」と思われていました

仕事していない期間が長くあると多分死んじゃうなと、自分でも思います。同じ仕事1本ではなく、使う頭のスイッチを切り替えながら取り組む方が、自分が楽しく過ごせそうだなぁと思います。

これから挑戦したい医療者へメッセージ

ーー最後に、これからあーちんさんのようにチャレンジしたい医療者の後輩に向けてメッセージをお願いします

やってみたいと思っても、やらない人が多いじゃないですか。少しずつ挑戦していってほしいと思うのが一番伝えたいことですね

実は職業訓練に入る前に、マッサージの仕事がしたいと思った時期がありました。
その時に1日マッサージ師体験コースを見つけて実際に受けたのですが、やってみて「今じゃなくてもいいな」と思いました。Web系のお仕事で力をつけた後でもできるなと、やってみたからこそ気がついたんです。

しんどいからやめるという選択肢もありだと思いますが、やりたいと思った時に体験してみる。動いてから考えることも大事に過ごしてほしいなと思います

やっぱり「国家資格を取っているからこそ動けない人」って多いと思っています。大学の同期を見ても、こんな変な働き方をしている人は私くらい。

進路に迷った時は内輪だけではなく、まいまいさんやMediWebラボのコミュニティメンバーさんのように、医療職出身だけど業界外にいる人たちの話を積極的に聞きに行くことにたどり着いてほしいなと願っています。

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執筆

大阪薬科大学卒。地元の調剤薬局で薬剤師として従事する傍ら、ライターにも挑戦。
“いつでもどこでも働ける”を目指して自分の働き方を模索中。「読んだ後、その先の行動へつながる記事」を目指して執筆しています。