医療従事者として忙しい毎日を送るなか「今の働き方で良いのだろうか」「家族との時間をもっと大切にしたい」と思うことはありませんか。
今回お話を伺ったのは、作業療法士でありながら「医療介護ライター」としても活躍するしい(椎野みいの)さん。介護老人保健施設やリハビリ専門学校の教員を経て、現在は特別養護老人ホームで働きながら、医療介護ライターや添削サポーター、SEOディレクターと活動の幅を広げています。
そんなしいさんが医療介護ライターとしてはじめるきっかけとなったのが、第17回「Medi+医療ライターのはじめかた講座」の受講。講座での学びや得られた自信、現在の働き方、そして今後の展望について詳しく伺いました。
医療介護ライターと両立、作業療法士のしいさん

ーーまず、しいさんのこれまでのご経歴と、作業療法士を目指されたきっかけを教えていただけますか?
ライターネーム「椎野みいの」で、医療介護ライターとして活動している、しいと申します。普段は作業療法士として、特別養護老人ホーム*で週4日フルタイムで働いています。
作業療法士になったのは両親の影響です。実は、父が理学療法士で、母が作業療法士です。幼いころは理学療法士に憧れていましたが、成長するにつれて作業療法士の仕事の方がおもしろそうだなと。
ーー理学療法士と作業療法士の仕事の違いは何ですか?どのようなところに魅力を感じたのでしょうか?
理学療法士は「立つ」「歩く」といった基本的な身体機能をサポートしていく専門職です。それに対して作業療法士は、身体機能にくわえ、トイレや着替え、食事といった日々の動作ができるよう支援します。そのためには、住環境や精神面など、さまざまな側面からアプローチする必要があります。好奇心旺盛でさまざまなことに挑戦したい私には理学療法士より作業療法士の方が向いていると思いました。
ーー介護老人保健施設*で作業療法士として臨床経験を積まれた後、リハビリ専門学校の教員も経験されたと伺いました。
教員は、授業準備からクラス運営、広報まで業務が幅広く、とてもやりがいのある仕事でした。その反面、とにかく忙しく、毎日時間に追われていました。気づけば家で仕事をしたり、土日も学校に行ったりするのが当たり前になってしまい、家族、特に娘たちとの時間が全然取れていなかったのです。
「このままでは子育てで後悔してしまう、家族との時間を大切にしたい」という気持ちは徐々に強くなり、働き方を変えるため、教員の仕事を辞めることにしました。
ーーその後Webライターという仕事に興味を持たれたそうですね?
ちょうど教員の仕事に悩んでいたころ、友人がWebライターとして活動していることを知りました。友人は、パートタイムで作業療法士として働きながら、在宅でWebライターの仕事をしていました。その働き方が当時の私にとって、魅力的に感じたんです。
友人から詳しく話を聞き「Webライターという仕事であれば、家族との時間を大切にしながら働けるかもしれない」と興味を持つようになりました。
信頼できる学びが自信につながる

ーー「Medi+医療ライターのはじめかた講座」を受講しようと思ったきっかけは何ですか?
まずは独学でWebライターをはじめましたが、まったく手応えを感じられませんでした。インターネットにはWebライターに関するコンテンツは多くありますが、何を信じて良いのかわからず、時間ばかりが過ぎていきました。「このままじゃダメかもしれない」と不安になっていた時期でしたね。
そのとき、SNSで「Medi+医療ライターのはじめかた講座」を見つけました。 作業療法士やリハビリ専門学校の教員をしていた経験を医療記事の執筆に活かせるのではと考えたんです。だからこそ「ちゃんと基礎から体系的に学びたい」「すでに成功している方から直接教わりたい」と講座受講を決めました。
ーー受講にあたって、不安や迷いはありましたか?また実際に受講されていかがでしたか?
自己投資にこれほどまとまった金額を使ったことがなかったので、不安は正直大きかったです。しかし受講前に、Medi+代表のまいまいさんと話をするなかで、「この方なら信頼できる。ついていきたい」と迷いが消えました。
実際に受講して本当に良かったと感じています!一番の変化は、信頼できる情報に基づいて、安心して記事を書けるようになったことです。以前は「間違った情報を世に出しちゃいけない」と不安でした。しかし講座で、信頼できる一次情報*の探し方や取り扱い方を具体的に学び、自信が持てるようになりました。記事の添削を丁寧にしてもらったのも印象に残っています。単に指摘されるだけでなく、「なぜそうなるのか」という理由も非常に納得できました。
ただライティングスキルを身につけるだけでなく「医療ライターとしてどのように情報を扱って、執筆するべきか」を本質的に学べたと実感しています。
「医療介護ライター」として活躍の場を広げる
ーー講座卒業後、仕事はどのように獲得されましたか?
講座卒業後は、知人の紹介や、X(旧Twitter)経由で仕事をいただきました。とくにSNSではプロフィールに「医療介護ライター」として発信したところ、DMで仕事の依頼をいただくことが増えた気がします。
また、ポートフォリオに載せている卒業制作は、クライアントからも「非常に質が高いですね」と言っていただけることが多いですね。講座のサポーターが丁寧に添削してくださったおかげで、受注につながっているのかもしれません。
▼しいさんの講座卒業制作はこちら
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ーーなぜ「医療介護ライター」と名乗ることにしたのでしょうか?
講座で、医療分野のライティングを基礎から学び、「これなら専門性を活かしてやっていける」という自信がついたことです。そのうえで「介護」も加えたのには、2つ理由があります。
まず、これまでの実務経験です。長年作業療法士として、特に介護老人保健施設での臨床経験があり、高齢者のケアに深く関わってきました。「介護分野には特に詳しい」という自分の強みをアピールしたいと思うようになったからです。
次に、情報発信のしやすさからです。SNSなどで発信するときに、「介護」というキーワードを入れておくと、介護の情報を求めている方や、介護分野に強いライターを探している企業の方の目に留まりやすいかなと考えました。先ほど話したように、X(旧Twitter)で「医療介護ライター」として発信すると、それを見た企業の方からDMで「介護分野の記事をお願いしたい」と直接ご連絡をいただきました。 実際にこうやって仕事につながったと考えると、このキーワードを入れて正解だったと思います。
ーー現在は医療介護ライターだけでなく、添削サポーターやSEOディレクターとしても活動されていますね。添削する立場になってみて、いかがですか?
もともと同じことを続けるよりも変化を楽しみたい性格なので「医療介護ライター以外の違うことにも挑戦してみたい」と思っていたタイミングでした。実際に添削する立場になると、勉強になることばかりです。たとえば、受講生が間違えやすい表現を目にすると、「自分も無意識に使ってしまっているかもしれない」と私自身の文章の癖や改善点も発見することもありました。また「なるほど、こういう表現もあるのか」と、添削を通して私も勉強しています。
作業療法士×医療介護ライターしいさんの1日のスケジュール
ーー1日の具体的なスケジュールを教えていただけますか?
【1日のスケジュール】
5:15 | 起床、弁当作り、家事、子どもの送り出し |
7:50〜8:20 | ライター業務 |
9:00〜17:30 | 作業療法士としての勤務 |
17:30〜21:00 | 帰宅、家事など |
21:00〜0:30 | ライター業務 |
0:30 | 就寝 |
金曜日は、午前中から夕方まで医療介護ライターの仕事をしています。土日は子どもの予定を優先しつつ、夜にも仕事をしています。ほぼ毎日何かしら作業していますので、もう少し効率化していきたいです。
医療介護ライターをキャリアの選択肢に

ーー今後、しいさんが目指していることを教えていただけますか?
直近の目標としては、活動の幅をさらに広げていきたいですね。今は医療介護ライターとしての執筆が中心ですが、3月からはじめたディレクター業務などライティングから派生する仕事にも、もっと挑戦していきたいです。ほかの方々とコミュニケーションを取りながら進める仕事が、今は非常に楽しいと感じています。
将来的な目標として、かつての教員時代に教えてきた生徒たちがリハビリ職のキャリアに悩んだときに「資格を活かせる働き方は、病院や施設だけではないよ」と伝えられる存在になりたいんです。そのためには、もっと医療介護ライターやディレクターとしての実績を積み、胸を張って示せるようになりたいと思っています。
ーー最後に、これから「Medi+医療ライターのはじめかた講座」の受講を検討されている方や、キャリアに悩む医療従事者の皆さんへメッセージをお願いします。
もし今、医療ライターに興味があったり、今のキャリアに何かプラスしたいと考えていたりして、講座の受講を迷われていたら、ぜひ挑戦してほしいと思います。
独学だと常に迷ってしまい、なかなか前に進めず、時間ばかりが過ぎていくように感じました。しかし、講座では正しい方向へ導いてもらえるので、知識やスキルが効率よく、しかも確実に身についていくのを実感しました。
それに、ただスキルを学ぶだけではありません。特に最後の卒業制作を完成させたときの達成感は、非常に大きな自信になりました。この自信は、今後の活動にきっと役立つと思います。
もちろん、受講するには勇気がいるかもしれません。でも、もし「やってみたい」という気持ちが少しでもあるなら、思い切って飛び込んでみる価値は絶対にあると思います。そして今までの専門知識や経験を活かしながら、新しい働き方に気づくきっかけになってくれるはずです。ぜひ検討してみてください。
ーー本日は貴重なお話をありがとうございました!
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