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【助産師が解説】臨月でも大丈夫!マタニティヨガの取り入れ方とメリット

臨月になりお産の時期が近づいてくると、無事にお産を終えられるだろうかと不安になる方もいるでしょう

そんな不安をお持ちの方には、マタニティヨガがおすすめです

マタニティヨガは、呼吸法をしながら無理のない範囲で身体を動かしていくことで、妊婦さんの健康を維持・増進させる運動(フィットネス)です。

看護師ライター

なかのふみさん

お産は人類の自然の営みですが、何が起きるのかわからない側面もあり不安になってしまいますよね

少しでもベストな状態でお産に望めるように、そして産後の体力を維持・向上できるように、生活の一部にマタニティヨガを取り入れてみませんか?

この記事では、助産師でありマタニティヨガインストラクターである筆者が、マタニティヨガのメリットや注意点、始める方法を解説します。

マタニティヨガとは?

マタニティヨガは、その名の通り妊婦さん向けのヨガです。注意点を守って行えば、安定期からお産直前にわたって長く実施できますよ

そもそも、ヨガは古代インド発祥の健康法で、現代の日本では呼吸法を行いながらポーズをとるフィットネスとして親しまれています

ヨガはサンスクリット語で「調和をとる」「つながり」などの意味があり、心と身体、魂が結びついている状態を示しています。そのため、多くのヨガプログラムの中には、ポーズをとるだけではなく瞑想の時間が含まれているでしょう。ヨガは、体の健康のみならず心の健康にも役立つと考えられているのです。[1][2]

妊婦さんたちの身体は、妊娠が進んでいくとともに大きく変化していきますよね。その分、心身の不調を感じている方も少なくないはず。また、妊婦さんはこれからお産や育児といった大きなイベントを控えています。

看護師ライター

なかのふみさん

マタニティヨガはそんな妊婦さん向けにアレンジされた、妊娠中の心身の健康に役立つフィットネスです。

臨月からマタニティヨガを始めるメリット

妊婦さんの中には、何か運動をしたいと思いながらできず、いつのまにか臨月になってしまう方もいるかもしれません。

看護師ライター

なかのふみさん

マタニティヨガであれば臨月でも始められますし、臨月の妊婦さんたちにとってもメリットがたくさんありますよ。

お産に向けけた体づくりができる

マタニティヨガで得られる効果は、妊娠中の健康を維持・増進するだけでなく、これから控えているお産にも役立ちます。具体的なメリットは次のとおりです。

・筋力や体力が向上し、長時間の陣痛に備えられる
・陣痛中に「陣痛中におすすめのヨガポーズ」を取り入れてお産の進行を促せる
・柔軟性が身につき、お産のときにしっかりと脚を開ける
・体重をコントロールできるため、安産につながることもある

実際にヨガをすることで分娩時間が短縮されたり、帝王切開率が低下したりするという報告もあるそうです。[3]

看護師ライター

なかのふみさん

お産の時間が短縮するということは、産後出血のリスクや疲労を抑えることにもつながるので一石二鳥ですね。

身体の不調を緩和できる

妊婦さんのマイナートラブル*の中に、つわり・腰背痛・こむら返りなどがありますよね。筆者は助産師として働いていますが、産後の肩こりや、むくみなどの不調を訴える方をよく目にします。

マイナートラブルはヨガをすることで軽減・予防できる可能性があると言われてます。[4]

看護師ライター

なかのふみさん

妊娠を機にヨガの習慣を身につけ、産後に再開・継続していくのもおすすめですよ。

*マイナートラブル:妊娠に伴っておきる、さまざまな体の不調のこと

お産の呼吸に役立つ

ヨガで身につける呼吸法は、セロトニンという精神を安定させるホルモンを活性化させる可能性があり、緊張や不安を低下させるという研究があります。[5]

そのため、陣痛が始まってからは呼吸法でリラックスできると、体力の消耗も抑えられますし、徐々に子宮口も開いていきます

看護師ライター

なかのふみさん

ヨガで呼吸法を身につけて、お産のときに活かしていけると良いですよね。

リラックスできる

分娩を終えた方の多くが、陣痛の痛みは想像を超えていたと言います。そんな痛みが定期的にやってくるのは、想像するだけでも恐ろしいですよね。

しかし、瞑想や呼吸法でリラックスする方法を身につけておけば、恐怖心に備えることができるかもしれません

妊婦さんの中には、マタニティヨガで瞑想をすることで、分娩の恐怖心よりもこれから赤ちゃんに会える楽しみが勝ったという人もいたそうですよ。[4]

マタニティヨガ実施時の注意点

マタニティヨガは比較的安全なフィットネスと言われていますが、誰でも実施できるわけではありません。また、実施できる人でも気をつけるべきことがあります

ここからは、マタニティヨガ実施時の注意点について確認していきましょう。

かかりつけ産科医師の許可をとる

重い心疾患や呼吸器疾患・胎盤の位置異常・高血圧などの合併症のある方は、マタニティヨガをすることができません。[6]

まずは、自分はマタニティヨガを実施してよいかどうか、かかりつけの医師に確認しましょう。

妊娠中に禁忌のポーズをしない

次のようなポーズは妊婦さんには禁忌です。[7]

・バランスを崩しやすいポーズ

・腹部を圧迫するポーズ

・仰向けを長時間維持するポーズ

・呼吸を止めるポーズ

看護師ライター

なかのふみさん

マタニティのプログラムには含まれていないと思いますが、自己流で上記のポーズを取り入れないように注意してください

こんな症状があったらヨガを中止する

次のような症状があればヨガを中止しましょう

・お腹がいつもより張っていたり痛みがあったりする
・性器出血がある
・睡眠不足
・疲れている
・食事直前、直後
・胎動が少ない
・羊水が流れる感じがする
・なんとなく気分が優れない

急な動きや頭の位置の変化は、めまいやふらつきの原因になります。動きはゆったりと行うようにし、症状が出た場合は休憩をとりましょう

また、妊娠中はホルモンの影響で関節が緩みやすくなっています。手首や股関節などに痛みを感じるポーズは控えるのが原則です。[6][7]

看護師ライター

なかのふみさん

無理のない範囲で、心地よくヨガを行ってくださいね。

マタニティヨガを始める方法

マタニティヨガに興味を持ったら、実際にどのように始めていけばよいのでしょうか。

2つの方法をご紹介しますので自分にあった方法を選んでみてくださいね

ヨガスタジオに通う

マタニティプログラムがある、ヨガスタジオを探してみましょう

不安な場合は、専門家がいる市区町村や産院のプログラムへの参加がおすすめです。インストラクターと対面でヨガを行うため、ポーズが正しいか確認をしてくれます。

看護師ライター

なかのふみさん

妊婦さんのお友達をつくったり、情報交換をしたりすることもできるかもしれません。

オンラインで行う

対面に比べて気軽に参加できるのが利点です。オンラインだと専門家が近くにいるわけではないので、かかりつけの医師や自分の体調と相談しながら行なってくださいね。

また、オンラインでは、インストラクターに正しいポーズができているかまで確認をしてもらうことは難しいかもしれません。不安な方は、まずヨガスタジオで正しいポーズができるようになった後、オンラインに移行しても良いでしょう

看護師ライター

なかのふみさん

状況に応じて、対面とオンラインを組み合わせるのもいいかもしれません。

心と身体を整えて自信をもってお産に臨みましょう

お産はいくら準備をしても、不安がつきものですよね。不安になったときは、家族や友人、専門家に気持ちを打ち明けてみてください。きっと力になってくれるはずです。

そして、興味があれば生活の一部にマタニティヨガを取り入れてみましょう。あなたに自信を与えてくれるはずです。

赤ちゃんもあなたに会える日を楽しみにしていますよ。

看護師ライター

なかのふみさん

あなたは決して一人ではありません。無事にお産を終えられるように応援しています!

この記事の執筆者

助産師/看護師ライター:なかの ふみさん

大学卒業後、附属病院にて助産師・看護師として勤務する。現在は総合周産期母子医療センターで勤務しながら、医療ライターとして活動する。Medi+「医療ライターのはじめかた」講座の卒業生。マタニティヨガインストラクターの資格を持つ。医療・女性の健康に関する分野を得意とする。リサーチに力を入れ、読み手の目線に立った丁寧な執筆を心がけています。

X:​​​​​​https://twitter.com/midwife_writer

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メディア運営・編集

京薬卒、(株)Medited代表取締役。 医療・取材ライターや医療系介護メディアの編集長業務、キャリアスクールでの講師メンター業などを経て2020年よりオンライン動画講座「医療ライターのはじめかた」メディア「MediJump」の運営を開始。2022年より医療×Webクリエイターの交流コミュニティ「MediWebラボ」をスタート。2023年に法人化し、経済産業省JStarX起業家プログラム等に採択。「医療資格は、ずっと味方」をテーマに活動しています。