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医療広告デザイナーとは?医療資格を活かしたデザインの仕事を解説

「広告はどうやって作られているのだろう?」目に留まる広告はインパクトのあるイラストや写真、キャッチコピーによってデザインされています。広告の中でも、医療やヘルスケアジャンルに特化した広告は医療広告と呼ばれます。

デザイナーの中でも医療広告デザイナーは、医療機関や医薬品、医療機器などの広告をデザインし、制作します。医療広告デザイナーはデザインスキルだけでなく医療の知識を掛け合わせることで、医療業界のニーズに合った広告デザインを制作できます。

薬剤師ライター

青野ともさん

医療広告デザイナーは医療の現場以外でも医療資格を活かして働ける仕事です

この記事では医療広告デザイナーについて紹介するとともに、一般的な広告デザインと医療広告デザインの違いや医療広告デザイナーとして働く上での注意点も合わせて解説します。

デザイナーの仕事の種類

広告デザイナーは広告主(クライアント)の目的やニーズにあわせて、印刷物やWebサイトなどさまざまな媒体の広告をデザインします。広告デザインは広告を見る人(ターゲット)にあわせて作られており、ターゲットは消費者だけでなく、企業の場合もあります。

広告デザイナーが手がける制作物の種類は以下のとおりです。

  • 印刷物デザイン:チラシ、カタログ、ポスター、ロゴマーク、名刺など
  • Webデザイン:バナー*LP*、Webサイトなど

バナー*:Webサイトやアプリ内に表示されるクリックを誘導する広告画像。

LP*:ランディングページの略。Web広告などを経由して訪問者が最初にアクセスするページ。訪問者のアクション(商品購入、問い合わせ、会員登録など)を獲得することに特化した縦長のページを指す。

医療広告デザインとは

医療広告デザインは医療・ヘルスケアのジャンルに特化しているため、一般的な広告デザインと異なる点があります。具体的にどのような点が異なるのか見ていきましょう。

医療・ヘルスケアに特化

医療広告デザインとは、医療やヘルスケアに関する情報を視覚的にわかりやすく伝えるためのデザインです。広告を見た消費者が医療やサービスに興味を持って利用してもらうことを目的としています。

薬剤師ライター

青野ともさん

一方で医療従事者向けの制作物は、医薬品や医療機器を正しく使用してもらうためのものです。。

医療広告は消費者と医療従事者のどちらもターゲットになり、目的に合わせてデザインを行います。医療広告デザインの例は以下のとおりです。

ターゲット医療広告デザインの例
医療従事者・医療機関医療用医薬品のプロモーション資材、医療情報Webサイト、
医療従事者向けパンフレット、セミナーチラシ
消費者・患者病院のWebサイト、健康食品のLP、テレビCM、健康増進用の冊子
ターゲット別医療広告デザインの例

一般的な広告デザインとの違い

医療広告のデザインは見た目が美しいだけでなく、医療という専門的な分野において相手に商品やサービス内容が誤解なく伝わるデザインが必要です。

薬剤師ライター

青野ともさん

医療従事者向けのデザインは、専門的な情報を簡潔に伝えることが重要です。

一般消費者向けでは、医療の専門的な表現を使わずに誰が見ても伝わる、わかりやすいデザインが求められます。

医療広告は消費者に誤解を与えないための法規制も厳しいため、医療広告に関する法律やガイドラインに則って制作しなければなりません

医療資格がある3つのメリット

医療広告デザイナーは医療業界のニーズを把握し、ほかのクリエーター(コピーライターやイラストレーターなど)とチームを組んで制作します。ここでは、医療広告デザイナーが医療資格を持つメリット3つを紹介します。

  • 医療用語や業界への理解がある
  • 医療業界のニーズがわかる
  • 医療業界とクリエイター間でコミュニケーションがとりやすい

医療用語や医療業界への理解がある

医療広告デザイナーが医療資格を持っていると、医療の専門的な内容をクリエーターにわかりやすく伝えられるでしょう。医療従事者は、医療用語や医療業界への理解があるためです。

医療の内容を正しく理解しているデザイナーであれば、誤った広告表現が相手に伝わることを避けられます。たとえば、根拠が不十分な効果を強調して伝えてしまうと、消費者に誤解を与えてしまいます

医療の知識を持つデザイナーであれば、根拠にもとづいた医療情報を誤解のないように正しく伝えることが可能です。

薬剤師ライター

青野ともさん

医療業界に理解があると、クライアントのニーズを正確に捉えて業界とクリエイター間で専門用語を用いた説明ができるため、デザインや修正の変更などスムーズに進められるでしょう。

医療業界のニーズがわかる

医療従事者の視点を持つ医療広告デザイナーは、リアルな医療現場の悩みやニーズを把握しています。たとえば医療現場を知っていると、病院やクリニックでの診察の流れや医療機器の使い方、患者との接し方などの知見が豊富です。

医療従事者の悩みや課題、患者が求めているものや不安について、より共感を示すことができるでしょう

薬剤師ライター

青野ともさん

医療資格を持つ医療広告デザイナーは、実際の医療現場の経験を活かしたデザインの提案が可能です。

医療業界とクリエイター間でコミュニケーションがとりやすい

医療資格を持ち、医療業界の知見のあるデザイナーがいると、チーム内で医療に関する専門的な知識を共有しやすくなるでしょう。

クリエイターは医療に詳しくない場合も多いです。そのため、医療業界に詳しくないクリエイターのみで制作を行うと、医療現場で使われる用語やニーズの細かなニュアンスまで伝わらない可能性があります

チームの中に医療に関する共通認識を持つ医療広告デザイナーがいることで、クライアントに専門的な医療情報をわかりやすいデザインで示すことが可能です。

薬剤師ライター

青野ともさん

医療業界を知るクリエイターがチームにいると、クライアントとチームの間でコミュニケーションをとりやすく、スムーズに制作が進むでしょう。

医療広告デザインの注意点

消費者向けの医療広告は、医療やサービスを選ぶときに大切な情報源の一つになります。間違った情報や事実より大袈裟な表現をしている広告は、消費者に誤解を与え、健康被害が出る可能性があります。

医療広告は、医療に関するガイドラインや法律を考慮して制作しなければなりません。医療広告で守るべき主なガイドラインや法律は以下のとおりです。

関係する法律・ガイドライン目的規制の対象違反行為に対する処分
医療広告ガイドライン[1]医療機関における広告の規制やルール医療機関行政指導行政処分罰則
薬機法[2]
(正式名称:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律)
医薬品や医療機器、化粧品等の品質、有効性および安全性の確保、公衆衛生の向上を図るため医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器または再生医療等製品措置命令
課徴金納付命令
景品表示法[3]
(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)
不当な表示から消費者を守るすべての商品やサービス措置命令
課徴金納付命令
医療広告に関わる法律やガイドラインの例
薬剤師ライター

青野ともさん

違反行為があった場合はペナルティを受けるだけでなく、クライアントや消費者の信頼を失ってしまいます。

法律やガイドラインを十分に把握したうえで広告を制作していく必要があります。

医療資格を活かして医療広告デザイナーを目指そう

医療広告とは医療やヘルスケアジャンルに特化した広告です。一般的な広告デザインと異なり、制作にあたっては法規制やガイドラインに注意する必要があるため、医療の知識が欠かせません

薬剤師ライター

青野ともさん

医療資格を持つ医療者は、医療業界への理解や知見があり、クリエーターやクライアントとコミュニケーションがとりやすくなるでしょう。

医療広告デザイナーは医療資格を活かして活躍できる仕事です。デザインに興味があり、医療やヘルスケア業界で働いてみたいと考えている方は、医療広告デザイナーを目指してみませんか。

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執筆

経歴20年のママ薬剤師。療養型病院、総合病院で勤務したのち薬局へ転職。現在は薬局で勤務。赤ちゃんから高齢者まで薬や健康相談に応じ、地域住民の健康をサポート。豊富な経験をもとに医療をわかりやすくお伝えすることを大切に、医療ライターとしても活動しています。趣味は家族で行くキャンプ。