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小児科病棟薬剤師のすごしかた

病棟薬剤業務実施加算」が算定されるようになり、薬剤師が病棟にて業務を行うこともめずらしくなくなりましたよね。[1
ですが、実際に薬剤師が病棟でどんな業務を行なっているのか、疑問に思う学生や他職種は少なくありません。

薬剤師ライター

アヤさん

私も薬学生だったとき、病棟業務がどういったものか想像できなかったり、本当に病院でやっていけるのかと将来が不安になったりしました。

そこで、この記事では、病棟薬剤師として7年目の私(現在小児科病棟担当)が「病棟薬剤師はどのように仕事をしているのか」を紹介します。

薬剤師ライター

アヤさん

病院薬剤師に興味がある学生さんやどんな業務をしているかよく知らない他職種の方に、病棟薬剤師ってこんなことしているんだ!と知ってもらえたらうれしいです。

自己紹介

薬剤師ライター

アヤさん

はじめまして!病棟薬剤師のアヤと申します。

私は病院薬剤師7年目で、現在小児科病棟を担当しています。
ここでは、そんな私の病棟でのすごし方についてご紹介していきます。

病棟薬剤師の1日

病棟薬剤師とは、どんな1日を過ごしているのでしょうか。
実際の「小児病棟薬剤師の1日」を例に、具体的な流れを見ていきましょう。

処方薬投与量確認・交付

病棟薬剤師の1日は、病棟に上がってからがスタートです。

処方されている内服薬・外用薬の内容(用法・用量はあっているか、相互作用はないか、など)を確認し、薬を持って病棟に上がります。小児科病棟では薬は病棟管理となる為、看護師さんが必要な時間に薬を飲ませに行ってくれます。

薬剤師ライター

アヤさん

小児の薬で特徴的なのは、やはり粉薬が多いという点でしょうか。
粉薬は調剤・鑑査にたくさんの手間がかかる(重さを計算したり、粉薬の中にコンタミ(異物の混入)はないか確認したりなど)ため、後回しにされがちです……。

電子カルテでの薬剤指示

当院では電子カルテに処方を入れると、入力内容がそのまま処方カレンダーに反映され、医師の内服指示となります。

処方の際にきちんと内服のタイミングや服用時間、術前の休薬などを考えて指示を入れられればいいのですが、医師は時間に追われておりたまに違っていることも……。

薬剤師ライター

アヤさん

まちがえて入力したときや入力の仕方が分からないとき、「薬剤師さんたすけて〜!」と呼ばれることもあります(笑)

他にも抗がん剤のレジメンオーダーや注射オーダーの不具合の対応もするので、意外とパソコンスキルが必要になります。私はパソコンが得意ではないので、必死に勉強しています……(泣)

入院時初回面談

入院した患者さんのお薬手帳や持参薬から、内服・外用薬の確認を行ないます。
外来でも、看護師さんや医師が「他に飲んでいる薬はあるのか」聞いてくれますよね。

ですが、入院してきた時に再度、薬剤師から確認すると、言葉では「飲んでない」と言ってたのに実は薬を飲んでいた、ということがよくあります。

また、目薬や湿布、貼付剤は薬だと思っていないのか言ってくれないことも……。
そのような薬の抜け漏れがないよう、入院時しっかり確認するようにしています。

薬剤師ライター

アヤさん

小児科では年齢によって錠剤が飲めない子や粉薬が苦手な子もいるので、入院時に「どのような剤形の薬なら飲めるか」も考えながら面談を行っています。

注射薬の確認

薬剤部で注射薬の調剤が終わったら、注射薬カート(各患者の注射薬が個人ごとに調剤されたもの)が病棟に上がってきます。カートには注射処方箋が入れてあり、カートが上がってきたときに処方内容に疑義がないか、最終チェックします。

もちろん注射調剤の段階で、用法用量や配合変化について必要であれば疑義照会(薬剤師が処方箋の内容について、発行した医師に問い合わせること)をしているのですが、内服薬との相互作用や、患者の状況など、病棟でないと分からない点においても疑義照会が必要になる場合があります。[2

薬剤師ライター

アヤさん

病棟担当の確認を通ってしまえば、その薬はほぼそのまま患者さんに投与されてしまうので、この最終確認は7年目でもちょっと緊張します。

他にも、看護師さんや保護者の方からの、薬が内服できない子にどうやって薬を飲ませるか(苦くて吐いてしまったり、むせてしまうので)といった相談に応じたり、医師から、知らない薬についてどんな薬理作用・副作用があるのか、1度内服したら、次はどのくらい時間を空ければいいのかなど、色々な相談を受けます。

薬剤師ライター

アヤさん

合間に患者さんの病室にお邪魔して、本人の状態を確認したり薬は飲めているか、足りない薬はないか確認したり……やることがいっぱいあって、1日があっという間です。

最後に

「小児科病棟薬剤師のすごしかた」について、いかがでしたか?

病棟では、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士などいろいろな職種の方が、患者さんの病気を良くしようと「チーム医療」を行っています。

薬剤師ライター

アヤさん

薬剤師以外の人と関われる点が、病院薬剤師の面白いところだと思います!

人と関わることがすきな人や、他職種の仕事に興味がある人は、ぜひ病院薬剤師をめざしてみてください!

この記事の執筆者
薬剤師ライター:滝川アヤさんのプロフィール画像

薬剤師ライター:滝川 アヤさん

明治薬科大学卒業後、病棟薬剤師になりたくて大学病院に入職。現在小児科病棟とNSTを担当。「正しい情報を必要としている人にわかりやすく伝える」をモットーに並行して医療ライターとして活動をはじめる。趣味はTRPG、脱出ゲーム、合唱です。

アヤさんも受講、Medi+「医療系取材ライターのはじめかた」とは?

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メディア運営・編集

京薬卒、(株)Medited代表取締役。 医療・取材ライターや医療系介護メディアの編集長業務、キャリアスクールでの講師メンター業などを経て2020年よりオンライン動画講座「医療ライターのはじめかた」メディア「MediJump」の運営を開始。2022年より医療×Webクリエイターの交流コミュニティ「MediWebラボ」をスタート。2023年に法人化し、経済産業省JStarX起業家プログラム等に採択。「医療資格は、ずっと味方」をテーマに活動しています。