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健康増進法をWebライター向けにわかりやすく解説!違反や景品表示法との違い

Webライターとして健康や医療分野の記事を執筆する際、「健康増進法」の知識が必要だと感じたことはありませんか?

とくに健康食品やサプリメントやダイエット商品などの分野では、法律による広告表現の規制が厳しくあります。うっかり法律違反になってしまわないか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

臨床工学技士ライター

庄子さん

本記事では、医療ライターである筆者が、健康増進法の目的や具体的な規制内容、違反時の罰則、景品表示法との違いを、Webライター初心者にもわかりやすく丁寧に解説します

法律用語が苦手でも、わかりやすい内容にまとめました。そのため、「法律が気になるけど難しそう」と感じている方も、この記事を読んで安心して医療・健康記事にチャレンジしましょう。

健康増進法をわかりやすく説明

健康や医療に関する記事を執筆する際、避けて通れないのが「法律」の知識です。健康増進法や薬機法は、読者の健康にかかわる情報を提供する上で、とくに理解しておきたい法律のひとつとして挙げられます

臨床工学技士ライター

庄子さん

本章では、健康増進法がどのようなものなのか、Webライターがとくに注意する点についても、ご紹介します。

健康増進法について

健康増進法の目的は、第一条に明確に記されています。

この法律は、我が国における急速な高齢化の進展及び疾病構造の変化に伴い、国民の健康の増進の重要性が著しく増大していることにかんがみ、国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることを目的とする。

引用:厚生労働省>健康増進法[1]

つまり、健康増進法は高齢化や病気の変化を受けて、病気の治療や予防、健康的な生活を支援することで、国民の健康水準の向上を目指す法律だといえます。

臨床工学技士ライター

庄子さん

具体的には、食生活や運動、休養といった生活習慣に関する正しい知識の普及・啓発や、受動喫煙防止対策などが定められています。

Webライターは事実の相違や誤認させる広告表示に注意

健康増進法の中でもWebライターがとくに注意すべき点は、健康食品やサプリメント、特定の健康法などに関する情報発信です

臨床工学技士ライター

庄子さん

消費者に誤解を与えるような表現や、科学的根拠が乏しいにもかかわらず過度な効果をうたう表現は、健康増進法に触れる可能性があります。

読者の健康に影響を与えないよう、慎重な表現が求められます。

健康増進法の違反例と罰則

違反行為は行政指導の対象となり、改善命令に従わない場合は罰則が科されることもあります。Webライターは具体的な違反例を知り、適切な記事作成を心がけることが重要です。

違反の具体例

健康増進法における違反例には、以下のようなケースがあります。

表示の種類具体的な表示例説明
医薬品の承認を受けないとできない表示・生活習慣病予防に
・末期ガンが治る
・疲労回復
・アンチエイジング
これらの効果は、医薬品として国の承認がないと表示できません。
消費者庁長官の許可が必要な表示・血圧が高めの方に
・コレステロールの吸収を抑える
・お腹の調子を整える
これらの表示は、特定保健用食品のように、消費者庁長官の特別な許可が必要です。
事実に相違する表示・十分な実験結果等の根拠がないにもかかわらず、「3か月間で○kgやせることが実証されています。」と表示
・実際には存在しない体験者や推薦者を使って、捏造された体験談や資料を表示
根拠がないのに「実証済み」と断言したり、存在しない体験談の表示は法律違反です。
人を誤認させる表示・特定の成分が、健康に良いほどの量は入っていないのに、それを飲食するだけで、運動しなくても脂肪や余分な栄養、老廃物などが減るように見せかけている表示
・体験談は実際にあるが、都合のいいコメントだけを使って、まるで誰でも簡単に同じ効果が得られるように見せている表示
実際には十分な成分が含まれていないのに効果があるように見せかけたり、都合の良い体験談のみを強調する表示は、消費者の誤解を招くため違反です。ステルスマーケティング(隠れた広告)もこれに該当する場合があります。
その他・美肌、美白効果が得られます
・皮膚にうるおいを与えます
・カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です
・カロリー◯%オフ
・エネルギー0kcal
これらの表示は、内容が事実と著しく異なったり、消費者に誤解を与えたりする場合には、虚偽誇大表示に該当します。根拠のない誇張表現は避け、正確に伝えましょう。
健康増進法の違反例

2

違反した場合の措置や罰則

健康増進法に違反する恐れのある表示を見つけた場合、まず行政からの指導が行われます。

もし、違反表示が「国民の健康保持増進や正確な情報伝達に重大な影響を与える恐れがある」と判断されたら、勧告が出され、その内容が公表されます。これは、苦情が多数寄せられているケースや、適切な医療機会を逃す恐れがある虚偽・誇大表示があった場合などでみられやすいです。

勧告に従わない場合は、表示の改善を命じられます。

臨床工学技士ライター

庄子さん

この命令に違反すると、6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があるため、Webライターは、この点に十分注意する必要があるでしょう。[3

混同しやすい景品表示法との違い

健康増進法と景品表示法はどちらも消費者を保護する法律ですが、目的と規制対象が異なります。本章では、目的と規制対象の違いについて詳しくまとめました。

臨床工学技士ライター

庄子さん

健康増進法と景品表示法の違いを理解し、適切な記事作成に役立てましょう。

目的の違い

健康増進法と景品表示法は、ともに消費者を守るための重要な法律ですが、その目的には明確な違いがあります。

健康増進法は、主に国民の健康の増進を目的としており、とくに食品に関する虚偽・誇大な広告表示を規制し、消費者の健康被害を未然に防ぐことに主眼を置いています。

一方、景品表示法(正式名称は不当景品類および不当表示防止法)の目的は、消費者が商品やサービスを選ぶ際の利益の保護です。[4

臨床工学技士ライター

庄子さん

商品やサービスの不当な表示(優良誤認表示や有利誤認表示など)や、過大な景品類の提供を規制し、消費者が質の良い商品を適正な価格で選べるようにしています

規制対象の違い

健康増進法と景品表示法では、規制の対象となる範囲が異なります。

景品表示法の規制対象は、主に商品やサービスを供給する事業者です。新聞社や出版社、広告代理店、放送局、ショッピングモールなどの広告の掲載にかかわる事業者は、原則として規制の対象外となります。ただし、商品・サービスを供給する他の事業者と共同で供給していると認められる場合は対象となることがあります。[2

一方で、健康増進法の規制対象は「誰でも」とされています。食品の製造や販売の業者だけでなく、食品に関する広告や表示にかかわる全員が対象です。新聞社などの広告媒体事業者や、広告の仲介などをする広告代理店、サービスプロバイダーなども含まれます。[2

ただし、中心的な規制の対象はやはり製造業者や販売業者です。

臨床工学技士ライター

庄子さん

広告媒体の事業者等に対しては、表示内容が虚偽誇大だと事前に予見できた場合など、特別な事情がある場合に措置がとられることがあります。[2

健康増進法をWebライターが理解する利点

法律知識を持っていれば、執筆における法的リスクを回避し、記事の信頼性を高められます。これにより、Webライターとしての専門性や評価が向上するという大きな強みになるでしょう。

臨床工学技士ライター

庄子さん

本章では、Webライターが健康増進法を理解するメリットについて、詳しくご紹介します。

法的リスクの回避

健康増進法の理解を深めることは、Webライターにとって非常に大きなメリットです。

法的リスクを効果的に回避できるため、意図せず法律に違反する表現を用いてしまうことを未然に防ぎ、安心して執筆活動に専念できます

臨床工学技士ライター

庄子さん

クライアントからの依頼においても、法律遵守の意識が高いWebライターであると認識されれば、より安心して仕事を任せてもらえるでしょう。

もし問題が発生した場合でも、法的な知識があれば、適切な対応を検討しやすくなります。

Webライターとしての自信向上

法律知識を身につけると、Webライターとしての自信が向上します。健康増進法を理解し、その上で記事を作成すれば、提供する情報の信頼性や説得力が格段に高まるでしょう

臨床工学技士ライター

庄子さん

「この情報は信頼できる」と読者に思ってもらえれば、Webライターとしての評価も上がり、結果として自己肯定感にもつながります。

専門的な記事作成ができるようになれば、さらに自信を持って仕事に取り組めるでしょう。

また、根拠に基づいた記事作成能力で信頼を獲得したのち、監修者など専門性が高く高単価の案件をいただける機会が生まれるかもしれません

法律知識がキャリアの選択肢を広げる

健康増進法だけでなく、薬機法など関連法規への理解を深めることは、Webライターの専門性を高め、医療や健康分野に特化したキャリアを築く上で大きな武器となります。コンプライアンスを重視する企業からの需要も高まり、薬事関連のコンテンツ作成やチェックといった、より専門的で高単価な仕事への道も開かれるでしょう。

臨床工学技士ライター

庄子さん

筆者も第18回「Medi+医療ライターのはじめかた講座」を受講し、薬機法や健康増進法、景品表示法などについて学びました。

法律知識は、Webライターとしての価値を高め、多岐にわたるキャリアパスを切り拓く重要な鍵となります。正しい知識を身につけ、読者にとって有益で安全な情報を提供できるWebライターを目指しましょう。

医療ライターのはじめかた講座
医療者専用の医療ライター講座として2020年にスタート。約100名の卒業生が90以上のメディアで活躍中。医療資格を持つ医療・薬機法ライターによる無制限の質問添削対応が大好評!医療情報をわかりやすく届けたい方におすすめです。

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執筆

臨床工学技士として総合病院にて9年勤務。主に人工呼吸器業務、血液浄化業務、機器管理業務に従事し、RST(呼吸サポートチーム)の一員としても活動。
市民講座や院内勉強会などの講師を数多く経験。物事をわかりやすく伝えることを心がけて、医療ライターとして活動しています。