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【薬剤師が解説】CBDって安全?効果や2つの注意点について

さまざまなメディアで取り上げられているCBDの正体について、気になる方は多いですよね。CBDは、安全性が高いとWHOが認めている大麻成分の一つ。グミやオイルなど親しみやすい形で、日本でも一般販売されています

薬剤師ライター

にしさん

しかし、安全性が認められていたとしても、「大麻」と聞くと手を出すのに躊躇してしまう方は多いでしょう

CBDについて注目されている理由や問題点を、3分ほどの記事でわかりやすく解説します。
使用してみるかどうかの判断に、ぜひご参考ください。

大麻成分で危険なの?CBDの正体とは

CBDとは、カンナビジオールの略称であり大麻草の茎や種子から抽出される成分の一つです。CBDはリラックス効果が期待されており、不眠やストレスに悩まされている方を中心に注目されています。

CBDは大麻草からとれる成分のため、利用に関して不安に思う方は多いですよね。現在2023年では、大麻草の茎または種子由来のCBDに関しては「麻薬及び向精神薬取締法」において規制対象となっていません。[1

しかし、同じく大麻草から抽出されるTHC(テトラヒドロカンナビノール)は規制対象になります。

薬剤師ライター

にしさん

CBD製品の中にTHCを微量でも含む場合は、大麻に該当する可能性があるため注意が必要です。
そのため、THC成分を微量でも含むCBD製品の所持は「大麻取締法」違反になります。

また、THCに構造が似ているHHC(ヘキサヒドロカンナビノール)は、過去には規制されていなかったものの、指定薬物として「薬機法」で規制されるようになりました。

薬剤師ライター

にしさん

CBD自体は現在(2023年)はないものの、大麻草からとれる成分の多くは、「大麻取締法」や「薬機法」で規制されています
CBDの購入や使用に関しては、正しい知識や情報をもった上での判断が重要です。[1][2

2023年時点では、大麻草の茎または種子由来のCBDに関しては「麻薬及び向精神薬取締法」において規制対象となっていない。[1
CBDと同じく大麻草から抽出されるTHC(テトラヒドロカンナビノール)は規制対象になる
THC成分を微量でも含むCBD製品の所持は「大麻取締法」違反
CBDの購入や使用に関しては、正しい知識や情報をもった上での判断が重要

CBDに期待されている3つの目的

ここでは、CBDに期待されている以下3つの目的について解説します。

  • 不眠の緩和
  • ストレスの緩和
  • 抗炎症作用

CBDに期待されている具体的な効果を確認してみましょう。

不眠の緩和

CBDは、不眠症状に悩む方を対象に行った研究結果により、睡眠の質を向上させる効果が認められています。不眠に悩む人がCBDを摂取したところ、睡眠障害の軽減や眠りにつくまでの時間短縮効果がみられたためです。[3

しかし、2023年現在のところ、CBDが睡眠の質を向上させるメカニズムは解明されていません。
「CBDそのものが睡眠の質を高めたのか」「睡眠障害を引き起こしている別の原因に効果があったのか」など、CBDの睡眠に対するはっきりとした作用機序は未だ不明です

薬剤師ライター

にしさん

CBDは作用こそ不明なものの、不眠に悩まされている人にとっては効果が期待できる成分といえるでしょう。

ストレスの緩和

CBDは、不安やストレスを和らげるリラックス効果が期待されています。不安を抱えている人を対象とした研究より、CBDを摂取すると摂取前よりも不安が和らいだという研究結果があります。[3

また、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の方がCBDを摂取したとき、PTSDに関する悪夢がとり除かれたという報告もありました。[3

しかし、PTSDに関するCBDの関係性には明確なエビデンスが示されていないため、実際にCBDがPTSDに有用かどうかは未知数です。

薬剤師ライター

にしさん

まとめると、CBDには不安の軽減によるリラックス効果が認められていますが、PTSDなど強いストレスに関する効果はまだまだ未知数です。

抗炎症作用

CBDには、炎症の原因となる反応を抑えて抗炎症作用を示します。[4
炎症は体の自然な反応の一つです。しかし、体が過剰に反応すると痛みや赤みなど好ましくない状態を引き起こしてしまいます。

薬剤師ライター

にしさん

例えば、関節リウマチや糖尿病などは体中で内臓が炎症を起こすことで引き起こされる症状です。CBDは、炎症の過剰な反応を抑える働きから、抗炎症作用や鎮痛作用などの予防や治療の有効性が報告されています。[4

CBDがもつ2つの問題点

CBDを使用する際は、2つの問題点をしっかり把握しておくことが重要です

  • 適量が判断しにくい
  • 信頼できる商品が分かりにくい

正しい判断で使用を検討するために、CBDのもつ問題点について確認してみてください。

適量が判断しにくい

CBDの使用に関して、1日あたり1,500mgを摂取しても問題はないとされています。[4
しかし、体内に入ってから体外に出るまでに個人差があるため、個々に合う量を判断するのは難しいといえます

例えば、CBDを口から飲んだ場合。1〜3時間後の血中濃度は摂取時の量に比べて低く、徐々に尿中もしくは肝臓から胆汁として糞便中に排泄されることが分かっています。そのため、肝臓に負担のかかっている方は通常量よりも少なく摂取するなどの配慮が必要です。

薬剤師ライター

にしさん

CBDの製品によっては目安の量が記載されていますが、体の状態によって個人差があるため適量の判断が難しいといえます。まずは少量から始めることがおすすめです

信頼できる製品がわかりにくい

CBDは、大手通販サイトや海外のサイトなどのネットショップで気軽に購入できます。気軽に購入できる分、なかには怪しいサイトが潜む可能性があるため慎重な判断が必要です。

CBD製品は、規制されているTHCが少しでも含まれていると罰則対象になります。THCやHHCなどの規制された成分が微量でも含まれていることで違法となってしまうため、規制対象が含まれていないことを必ず確認してください。

薬剤師ライター

にしさん

粗悪品をつかまないためには、日本の正規輸入代理店での購入や、製品の品質・安全性に関してしっかりと開示しているショップを選ぶと良いでしょう。

CBDは正しい情報をもとにした判断が大切

CBDは、リラックス効果や不眠改善効果が期待されているため、ストレス社会で生きる現代人にとって注目の成分です。

薬剤師ライター

にしさん

現在2023年では、大麻草の茎または種子由来のCBDに関しては「麻薬及び向精神薬取締法」において規制対象とはなっていません

しかし、THCやHHCなどCBD以外の大麻成分は規制対象となるため、取り扱いには注意が必要です。微量でも含まれると所持により厳しく罰せられます

効果と注意点を把握したうえでお試しされる際は、海外サイトやフリマアプリではなく、必ず正規品取扱店での購入がおすすめです。

この記事の執筆者

薬剤師ライター:にしさん

調剤薬局に薬局長として勤務。施設や個人在宅、総合病院門前など幅広く携わる。マネジメントが得意。現在はWebライターとして、SEOライティングを中心に活動しています。将来は特化型ライターになるため、正しい情報発信に貢献するため薬機法を学び中。「情報を分かりやすく正確にお届けする」ことをモットーに、丁寧な執筆を心がけています。

X(Twitter):https://twitter.com/wallabydayo
にしさんも受講した、Medi+の「医療ライターのはじめかた」講座とは?

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メディア運営・編集

京薬卒、(株)Medited代表取締役。 医療・取材ライターや医療系介護メディアの編集長業務、キャリアスクールでの講師メンター業などを経て2020年よりオンライン動画講座「医療ライターのはじめかた」メディア「MediJump」の運営を開始。2022年より医療×Webクリエイターの交流コミュニティ「MediWebラボ」をスタート。2023年に法人化し、経済産業省JStarX起業家プログラム等に採択。「医療資格は、ずっと味方」をテーマに活動しています。