取材の仕事に挑戦したけれど「インタビュー記事の書き方がわからない」と悩まれている医療系取材ライターさんはいませんか?
SEOライティングと同じようにインタビュー記事を書くと、なんとなく臨場感に欠ける硬い文章になってしまう……。筆者もそのような思いを経験した一人です。

なつみさん
インタビュー記事では、取材相手の個性や思いを魅力的に書き上げる力が必要です。
今回はインタビュー記事とSEO記事の書き方の違いについて紹介します。それぞれを書く目的やポイントを解説します。


インタビュー記事・SEO記事とは?


インタビュー記事とSEO記事の性質や特性を知ることが、それぞれの記事の書き方を知る第一歩です。



なつみさん
まずはインタビュー記事とSEO記事がどのようなものなのか見ていきましょう。
インタビュー記事:現場のリアルな声を届ける
インタビュー記事とは、対象となる人物や企業などの団体に取材をし、それをもとに作成する記事です。取材相手の経験や知識、考え、展望をダイレクトに伝えやすいという特徴があり、臨場感溢れる、説得力の高い記事になりやすいといえるでしょう。
独自の魅力や理念を発信したい企業や団体が、オウンドメディア*や公式ホームページに掲載することが多いです。
SEO記事:読者のギモンを解決する
SEO記事は、検索エンジンで上位に表示されるように作成された記事のことをいいます。SEOとは、Search Engine Optimazation(検索エンジン最適化)の略です。
SEO記事では、同じ悩みを持つ不特定多数をターゲットとします。その悩みを持つ読者が検索するであろうキーワードや内容を記事内に盛りこんで、検索されやすくします。
インタビュー記事とSEO記事の目的の違い


メディアが記事を作成する目的は以下のとおりです。
・メディアの認知度を上げる
・商品や会社を紹介する
・サービスや商品に誘引する
・採用や人材獲得につなげる
このような目的で記事を掲載するとき、インタビュー記事とSEO記事のどちらが向いているのでしょうか。それぞれの記事を掲載するときの目的について解説します。
インタビュー記事を作成する目的
インタビュー記事は、取材対象者の考えや専門知識、生の声を届けることができます。情報を集めて制作するSEO記事に比べて、独創性を出しやすいのが特徴です。
インタビュー記事を作成する目的は、
・企業や団体、媒体のブランディングやイメージアップ、採用活動
・商品やサービスの購買意欲を高める
・メディアの認知度を高める
インタビュー記事の取材相手は、その業界のスペシャリストや企業のリーダー・著名人などが多いです。著名人や専門家の取材を掲載することにより、記事のシェアを狙えたり、メディアの認知度を高めたりする目的があります。



なつみさん
企業イメージの向上や採用活動のために会社代表や社員へインタビューをすることもあります。
商品やサービスのユーザーインタビューでは、実体験による満足度が読者に共感を与えるでしょう。商品やサービスへの関心を高め、購買意欲を向上させる目的で掲載されます。
SEO記事を作成する目的
SEO記事を作成する目的は、検索で上位に表示することで、読者をサイトに誘導し、購入や認知拡大につなげることです。



なつみさん
SEO記事では、潜在的な部分も含めた読者のニーズにアプローチでき、購買意欲を高めやすくなります。
良質な記事が検索で上位表示されると、その記事が読まれやすくなるほか、サイト自体の評価が上がり、他の記事も上位表示されやすくなるため、長期的に安定したアクセスが見込めます。そのため、メディアの認知度の向上やアクセス数の確保にも有効です。
インタビュー記事とSEO記事における情報収集・キーワードの入れ方の違い


インタビュー記事とSEO記事で収集する情報は、以下の表のとおりです。
集める情報 | |
インタビュー記事 | ・取材の意図や目的 ・取材相手の情報 ・取材相手の専門分野 ・取材相手の過去の取材やメディア ・取材相手のSNSやブログ・書籍など ・キーワード選定(メディアの意向による) ・取材内容のファクトチェック |
SEO記事 | ・キーワード選定(再検索キーワード・検索ボリューム) ・競合サイト ・Q&Aや知恵袋(読者のニーズ) |
収集する情報の共通点と相違点についてそれぞれ解説します。
情報収集の共通点
インタビュー記事とSEO記事の情報収集で共通する点は「質の良い記事を作成するには一次情報*が必須」ということです。とくに医療や健康に関する情報を扱う記事を執筆する場合、記事の内容に信頼性が欠けると、読者の健康を害するリスクもあります。
SEO記事では、参考・参照・引用する資料は全て一次情報を使用する。インタビュー記事では取材相手の話したデータや数値などの裏取りを一次情報で行うことが記事の信頼性を高めます。
ペルソナ*を設定し、ターゲットに必要な情報を明確にする重要性も、インタビュー記事・SEO記事に共通します。



なつみさん
どちらの記事でもペルソナが知りたい情報を意識して構成を作成することが重要です。
情報収集の違い
情報収集の違いとしては、インタビュー記事では取材相手のリサーチを事前におこないます。限られた取材時間で取材相手からより多くの情報を引き出すために非常に重要な工程です。
SEO記事では、記事の内容からキーワードを選定して執筆します。SEO記事は競合記事やQ&A・知恵袋などの情報を収集し、競合記事には書いていないところを掘り下げるなど、競合との差別化をはかる工夫が必要です。
キーワードの入れ方の違い
SEO記事を作成するにあたり、キーワードの入れ方は非常に重要です。ペルソナがWebで検索するであろう、検索上位に表示される可能性が高いキーワードを決めます。
インタビュー記事の方がターゲットが狭く、SEOを過度に意識する必要がないこともあります。



なつみさん
筆者が受けているインタビュー記事案件でも「SEO対策は不要」「SEOに関しては文章が不自然にならない程度に見出しなどに入れる程度で良い」とクライアントから指定されています。
インタビュー記事の書き方を解説


インタビュー記事は、取材した内容をそのまま記事にしてしまうと非常に読みづらくなります。とはいえ、SEO記事のような文章では臨場感に欠ける記事になってしまいます。インタビュー記事を読みやすくするには、以下のポイントを押さえて作成すると良いでしょう。
1.話し言葉を書き言葉にする
2.主語や述語抜けているものを追加する
3.起承転結を意識し、文章を入れ替える
4.「い抜き言葉」「ら抜き言葉」を訂正する
5.会話では「それ」「あれ」などの指示語が多くなってしまうため、多くなりすぎないように調整する
6.冗長表現を直し、一文一義とする
7.取材相手の思いを汲み取り、足りない言葉を補足する



なつみさん
しかし文章を整えすぎると臨場感がなく、硬い文章になりがちです。SEOライティング出身の筆者も、クライアントに「文章が硬い」とダメ出しをもらいました。
メディアの方向性や意向にもよりますが、あえて話し言葉を残したり、取材相手の個性を出す言葉はいじらずに使用したりする工夫も必要です。
以下の記事では、より詳しくインタビュー記事の構成と書き方を解説しています。あわせてご覧ください。
インタビューとSEO、それぞれの書き方を理解し、読者に有益な記事を届けよう


SEO記事は不特定多数の読者の流入を目的としているため、検索の上位になることが1番の目的です。一方でインタビュー記事は、限られたターゲットにより深く知ってもらうことを目的とします。
そのためインタビュー記事には、読み物としてのおもしろさや文章力が求められます。文章が読みやすくなるように整えるだけでなく、読者に刺さる言葉をうまく使用したり、臨場感のある語感を使ったりすることも必要です。



なつみさん
参考となるような良質な記事を読み、分析することもスキルアップにつながります。SEO記事では競合の上位記事を必ず確認するようにしましょう。
インタビュー記事では良質な記事にたくさん触れることで、表現力や構成の工夫、質問力なども学ぶことができます。SEO記事でもインタビュー記事でも、想定読者とそのニーズを理解し、有益な情報を提供することが大切です。
医療系ライターとして信頼性の高い、エビデンスに基づいた情報を届けられるように心がけましょう。

