医療ライターとして記事を書いていると、メディアによって決まりごとや修正内容が違うと感じることはないでしょうか。
メディアでは、「レギュレーション」という記事を書くときの決まりがあります。医療ライターとして記事を書くときは、レギュレーションをしっかり守ることが大切です。
この記事では、レギュレーションについて具体例とともに紹介します。
また、レギュレーションのほかに、さまざまなメディアで記事を書くときに知っておきたい「トンマナ」についても解説しています。
今井マイさん
レギュレーション、トンマナが守れるようになると、メディアにふさわしい記事が書ける医療ライターとして重宝されるようになりますよ。
レギュレーションとは?具体例も紹介
医療ライターが記事を書くときに気をつけたい、「レギュレーション」について詳しく説明します。
今井マイさん
レギュレーションの具体例についても紹介していきます。
レギュレーションとは記事を書くときのルール
レギュレーションとは、各メディアが設定している「記事を書くときのルール」です。レギュレーションの内容はメディアによって異なります。
レギュレーションを設定する理由は大きく以下の2つがあります。
【レギュレーションを設定する理由】
1. メディア全体に統一感を出して記事を読みやすくするため
2. 編集者の添削の手間を減らすため
複数のライターが同じメディアで記事を書く場合、各ライターが自分のルールで書いてしまうとメディア全体の統一感がなくなってしまいます。
また、書き方のルールが統一されていることで、メディアの編集者はレギュレーションを参照しながら効率よく記事の校正ができるでしょう。
今井マイさん
このように、レギュレーションは効率よくメディアの統一感を出すために重要な役割を担っています。
レギュレーションの具体例
よくあるレギュレーションの具体例には、以下のようなものがあります。
【レギュレーションの具体例】
・語尾をですます調にそろえる
・同じ語尾を2回以上続けない
・漢字表記とひらがな表記の指定
・送り仮名の指定
・修飾語の位置
・指定キーワードの使用率、使用箇所
今井マイさん
上記は一例です。内容はメディアによってさまざまなので注意しましょう。
医療ライターならではのレギュレーション
医療ライターが記事を書くとき、特に気をつけたいことのひとつに、薬機法に関するレギュレーションがあります。
今井マイさん
医療ライターは、化粧品や健康食品、医薬品などに関する記事を書くことも多いでしょう。
化粧品・健康食品・医薬品などの記事は、薬機法や景表法、健康増進法に抵触しない表現を使う必要があり、これらの法律に関するレギュレーションが設定されている場合が多いです。
たとえば、薬機法・景表法・健康増進法に関するレギュレーションには、以下のようなものがあります。
【薬機法・景表法・健康増進法に関するレギュレーション例】
・サプリメントに医薬品のような効能効果を書かない
・NG表現(「最高の」など最大級の表現、「完治する」などの表現)
・化粧品は認められた効能効果の範囲内で表現する
今井マイさん
医療ライターとして薬機法や景表法、健康増進法の知識も知っていると、レギュレーションの理解も早く、クライアントの意向に沿った記事がスムーズに書けますよ。
初心者医療ライターが気をつけたいトンマナ
レギュレーションとあわせて知っておきたい言葉に「トンマナ」があります。
今井マイさん
ここでは、初心者医療ライターが意識しておきたい、トンマナの重要性について解説します。
トンマナとはメディア内の記事に一貫性を持たせるためのルール
トンマナとは「トーンとマナー」を組み合わせた造語であり、トンマナを設定することはメディア制作の際にとても重要です。
今井マイさん
ンマナを合わせてメディアの記事やデザインを作成すると、ユーザーがメディアの印象をイメージしやすくなります。
「女性向けのメディアだから、やさしく語りかけるような文章と淡い色のデザイン」「スポーツドリンクの販売サイトだから、元気で爽やかなイメージ」など、記事のターゲットや企業のカラーによってトンマナは大きく異なるでしょう。
ライティングにおけるトンマナ設定では、以下のようなことをメディアの中で統一していきます。
【トンマナの例】
・文章を「ですます調」「である調」のどちらにするか
・「!」マークなどの記号を多用して良いか
・記事内の画像の雰囲気
今井マイさん
記事執筆する際にトンマナ設定を教えてもらえない場合でも、メディアのほかの記事からトンマナをなんとなく把握しておくことが大切です。
医療ライターがトンマナを意識する重要性
医療ライターにとっても、トンマナを意識して記事を書くことは重要です。
今井マイさん
もし、正しい文章を書いていたとしても、トンマナがそろっていないとメディアの統一感がなくなり、読者に違和感を与えかねません。
たとえば、医療系記事でも医療従事者向けの記事であれば、専門用語を使ったきっちりした文章を書くことが多いでしょう。
しかし、10代女性向けのメディアであれば、ターゲットに合わせてフランクな言い回しが多かったり柔らかい語尾にしたりする必要があります。
【メディア別のトンマナの例】
・医療従事者向けメディア:専門用語を使ったきっちりした文章
・10代女性向けメディア:フランクな言い回し・柔らかい語尾
・患者さん向けメディア:専門用語は使わず分かりやすい文章
トンマナを合わせることはレギュレーションに含まれている場合もありますが、明確に示されていない場合も、ほかの記事を読んでメディアの雰囲気を知っておきましょう。
今井マイさん
筆者も以前、トンマナを合わせることについてクライアントから指摘された経験があります。女性向けの記事であったのに言い回しが硬く、メディアの雰囲気に合っていませんでした。
メディアにはそれぞれのカラーがあります。トンマナはメディアのイメージやブランディングに関わるため、必ず意識しておきましょう。
レギュレーションやトンマナを守れる医療ライターになろう!
レギュレーションは、記事を書くときに必ず守りたいルールです。
今井マイさん
記事を書き終わったあとも、レギュレーションが守れているか改めて確認すると良いでしょう。
また、医療ライターとして、レギュレーションだけでなくトンマナを意識して書くことも重要です。事前にトンマナを細かく指定されていなくても、常にメディアのカラーに合わせた記事が書けるように意識しましょう。
レギュレーションとトンマナが守られた記事は修正箇所が少なく、クライアントから質の良い記事だと評価してもらえます。
今井マイさん
ぜひ、この記事を参考にレギュレーションやトンマナを理解し、メディアに合わせた記事が書ける医療ライターになりましょう!
薬剤師ライター/医療ライター:今井 マイさん
薬学部卒業後、調剤薬局で薬剤師として多くの科の処方を扱い、のべ6万人の服薬指導を経験。患者と話をする中で、誤った健康情報や治療方法が数多く出回っていると実感。正しい知識を知ってほしいという思いで、「難しい専門用語をわかりやすく解説」をモットーに医療ライターとして活動しています。
Twitter(X):https://twitter.com/ma_imaima_i07
今井さんも受講、添削付きオンライン講座「医療ライターのはじめかた」
今井さんも参加中、医療×Webクリエイターコミュニティ「MediWebラボ」