医療資格を持つ初心者医療ライターの方は、「医療に関する記事は専門用語を使うので、内容が難しくなってしまう」「誰にでも分かりやすい記事を書きたいけれど、文章力に自信がない……」と悩むことが多いのではないでしょうか。
実は、筆者もその1人でした。専門性を活かして一生懸命書いたのに、分かりにくい記事だと思われては悲しいですよね。実は、文章力を上げるのに特別な才能は必要ありません。ポイントを押さえるだけで、文章は驚くほど読みやすくなります。
桜井さん
今回は、医療資格を持つ初心者医療ライターが分かりやすい文章を書くために、知っておくべきことをお伝えします。
初心者医療ライターは、分かりやすい文章を目指そう
桜井さん
「分かりやすい文章」と言われた時に、どのような文章をイメージしますか?
ここでは、「分かりやすい文章」とはどんな文章なのか、初心者医療ライターの文章が分かりにくくなる際どんな理由があるのかについて、お伝えします。
分かりやすい文章とは
分かりやすい文章とは、読み手が負担を感じることなく読める文章のことです。
知らない単語や理解できないところがある文章は、スムーズに読み進められませんよね。また、視覚的に読みづらい文章も読み手の負担となり、理解を妨げてしまいます。[1]
「専門的な知識がなくても読みやすく、疑問をしっかり解決できる文章」が、分かりやすい文章と言えるでしょう。
初心者医療ライターの文章が分かりにくくなってしまう理由
医療ライターは、専門知識の豊富な方が多いですよね。
- 難しい論文なども読み慣れているため、難しい文章も簡単に感じてしまう
- 医療資格のない方が「どこまで理解できるか」が想像しづらい
上記などの理由で、文章が難しくなり、分かりにくくなってしまう傾向があります。
分かりやすい文章を書くべき理由
記事は、内容さえ良ければ読んでもらえるのではありません。「分かりやすさ」が大切な理由をお伝えします。
記事作成の目的は、読者が必要としている情報を伝えること
記事を作成する目的は「読者に必要な情報を伝えること」ですよね。
専門用語や難しい言葉を多用すると、専門性をアピールできたり、知的に見せたりできるかもしれません。しかし、それでは「読者にとって読みにくい記事」になってしまいます。
桜井さん
知識を披露するためではなく、必要な情報を届けるための文章を心がけましょう。
記事の読者層は幅広い
読者が必要としている情報を伝えるためには、まず読者について知りましょう。医療従事者と一般の方で、専門的な内容の理解度は違いますよね。
医療ライターとして記事執筆をする場合、多くの医療ライターは一般の方に向けた文章作成を求められるのではないでしょうか。記事執筆をする前に、「このメディアはどんな読者を想定しているんだろう」と理解することが大切ですね。
桜井さん
読者層にあわせて言葉を選び、「届けたい人に届く」分かりやすい記事を作成するのが理想です。
記事を最後まで読んでもらうために
情報をきちんと伝えるためには、記事を最後まで読んでもらう必要があります。しかし、読者は以下の理由で、他のページや検索画面へ簡単に移動してしまうことも。
- パッと見て、内容が難しそう
- 知らない単語があり、説明がない
せっかく良い情報が詰まっているのに、分かりにくい文章のせいで記事を離れられるのは悲しいですよね。最後まで読んでもらうためにも、文章の分かりやすさは大切です。[2]
初心者医療ライターが、分かりやすい文章を書くポイント3つ
分かりやすい文章を書くために、初心者医療ライターが気をつけるべきポイントをお伝えします。
漢字とひらがなのバランス
分かりやすい文章を書くための基本は「読み手の負担を減らすこと」です。
桜井さん
ページを開いたとき、漢字が多い文章だとどうでしょうか。パッと見ただけで、難しい印象を受けてしまいますよね。
漢字を使用する割合は、文全体に対して20%〜30%が読みやすいと言われています。[3]
次の2文を見比べてみましょう。
①分かり易い文章とは、読み手が負担を感じる事無く読める文章の事です。
(漢字使用率45%)
②分かりやすい文章とは、読み手が負担を感じることなく読める文章のことです。
(漢字使用率30%)
桜井さん
まったく同じ文ですが、②のほうが読みやすいと感じませんか
漢字使用率にこだわりすぎる必要はありませんが、見やすい文章を書くための目安として知っておきましょう。
若者むけの記事は漢字を減らすなど、読者層にあわせて調節できればベストです。漢字の使用率をチェックできるツールもあるので、気になる方は利用してみてくださいね。[4]
画像引用:漢字使用率チェッカー
専門用語の使い方、文章作成の考え方について
専門用語の使い方は、初心者医療ライターが特に気をつけるべきことの1つです。たとえば、医療従事者なら知っていて当然の「頓服(とんぷく)」という言葉。一般の方できちんと理解している人は半数以下というデータがあります。[5]
誰もが「頓服」を知っている前提で記事を書いてしまうと、伝えたい情報が伝わらないのはもちろん、誤った薬の飲み方をしてしまうことにつながりなりかねません。
このように「医療従事者にとっては当たり前でも、一般の方は知らない」ことはよくあります。読み手が一般の方の場合は、専門用語はなるべく噛みくだいて、分かりやすい表現に変えましょう。
桜井さん
どうしても専門用語を使う必要がある場合は、注釈をつけるなど読者がつまずかないように工夫する必要ですね。
しかし、「論文やガイドラインを読むことに慣れているから、いきなり誰にでも読みやすい文章を書いてと言われても難しい……」と思う方もいるかもしれません。
そんな方は、「中学生でも読める文章を書く」という考え方をしてみましょう。
実は、医療系のライティングにかかわらず、どんなジャンルのライティングでも「中学生でも読める文章を書く」という考え方は必要になります。
たとえば、「金融や不動産について知りたい」と思ったときに、専門用語ばかりで難しい文章が続くと、読む気を無くしてしまいますよね。
「この漢字は中学生でも読めそうだな」「この表現は中学生には分かりにくいな」と頭の中でイメージすることで、難しい専門用語を使う機会が減るのではないでしょうか。
自分の文章を読み返そう
記事を書き終えたら、時間をおいて読み返してみましょう。
・一般的に使わない漢字を使っていないか
・分かりづらい専門用語を説明なしに使用していないか
など、訂正すべきところが見えてきます。
桜井さん
客観的に読み返すために一晩置いてみたり、音読してみたりと工夫し、よりよい文章作成につなげましょう!
初心者へのおすすめは、「添削」してもらうこと
自分の文章を読み返すとき、初心者ライターの方は「どこを直せば良いのか分からない」「自分の文章を客観的に見るのが難しい」と思うのではないでしょうか。
桜井さん
そんなときは、添削してもらうことがおすすめです。
添削つき!基礎を学べる「医療ライターのはじめかた」
自分自身で読み返す場合はもちろん、身近な人に確認してもらう場合でも、ライティングスキルがないと適切な指摘をもらえませんよね。細かいテクニックや文章のクセなど、初心者ではなかなか見抜けません。
そこで、自分の文章を経験豊富な医療ライターに添削してもらえたら、とても効果的だと思いませんか?
オンライン動画講座の「医療ライターのはじめかた」は医療従事者のための初心者向けライター講座。この講座では、執筆した記事を現役の医療ライターが添削してくれるので安心です。
もちろん、しっかりと添削のフィードバックをくれるクライアントさんとのお仕事を続けてスキルアップする方法もあるのですが、初心者医療ライターはそのようなクライアントさんと出会うことが難しい可能性もあります。
桜井さん
効率よくライティングに必要な考え方や知識を学び、手を動かし、添削されることで文章力をアップしていきましょう!
講座を受講してみて
筆者も過去に「医療ライターのはじめかた」を受講し、記事の添削を受けています。
学んだライティングスキルを取り入れ、何回も練り直したはずの文章ですが、たくさんの指摘をいただきました。自分では気づけない点を指摘してもらえるのは、添削つきの講座ならではですよね。
また、この講座で得られるのはライティングスキルだけではありません。
営業方法やWebライターが使用するツールについてなど、独学では得がたいリアルな情報も惜しみなく提供してくれます。
医療ライターに興味があるけれど「具体的なイメージがわかないな」「お仕事をいただけても、金額に見合った仕事をする自信がないな……」という悩みをまさに解決してくれる講座でした。
桜井さん
受講後は、自信をもって医療ライターとしての第一歩を踏み出せています。
ポイントをおさえて分かりやすい文章を書こう
初心者医療ライターが分かりやすい文章を書くために、気をつけるべきポイントをご紹介しました。
桜井さん
これからの記事執筆に、ぜひ取り入れてみてくださいね。
薬剤師ライター:桜井 朋子 さん
京都薬科大学卒。総合病院での勤務を経て、調剤薬局に転職。現在は幼い娘2人の育児に奮闘中。ママ薬剤師の新しい働き方を開拓すべく、育休中より執筆活動を開始。「正しい知識で、ココロもカラダも心地よく」をモットーに、読者の悩みに寄り添った記事作成を行う。家事効率化が好き。
桜井さんも受講、「医療ライターのはじめかた」講座はこちら