昨今ではさまざまな形で仕事を行う人も多く、フリーランスや副業として医療ライターの活動をしている方も増えているのではないでしょうか。
ライター
岩﨑まりさん
副業やフリーランスの医療ライターが仕事を獲得するうえで大切なことは、「クライアントとどのような取り決めをしたうえで仕事をするのか」明確にしておくことです。
クラウドソーシングサイトであればサイト上でやり取りが完結しますが、クライアントと直接契約をして仕事をする場合は「業務委託契約書」を結ぶ必要があります。
業務委託契約書とは、クライアントと交わす業務内容や納品方法、報酬の受取方法、注意事項などが記載された書類です。業務委託契約書にサインしたあとに「こんな話きいてない!」とならないよう、クライアントと医療ライター双方が納得できる業務委託契約書を作成する必要があります。
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岩﨑まりさん
この記事では、直接契約時にクライアントとスムーズに業務が進められるような「業務委託契約書」の見方・作り方について解説していきます。
医療ライターにとって業務委託契約書が大切な理由
業務委託契約書とは、クライアントと医療ライター双方間で取り決めた業務内容・納品方法・報酬の受取方法・注意事項などを書面化したものです。
もし、契約書を交わさず業務を行うと、「納品後に報酬が支払われていない」「業務内容と単価が合わない」「こんな仕事だと聞いていない」などのトラブルが起きかねません。
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岩﨑まりさん
このようなお互いの「言った/言わなかった」というトラブルが起こらないようにするために、書類として「業務委託契約書」を残しておきます。
不利な状況で仕事をしないためにも、医療ライターはしっかり業務委託契約書の内容を理解しておくことが大切です。
業務委託契約書でチェックすべき15項目
では、業務委託契約書にはどのような事が記載されているのでしょうか。
まず、基本的には「甲」がクライアント、「乙」が医療ライターであるとして内容が記載されています。適当に流し読みをしてサインしてしまわないためにも、何が記載されているのかを把握しましょう。
また、直接契約する際、医療ライターが業務委託契約書を作成する場合もあります。いかなる場合でも、医療ライターとしてチェックしておくべき項目を把握しておくことが大切です。
業務委託契約書によく記載される15項目
ここでは、業務委託契約書によく記載されている15項目を挙げておきます。各項目の内容は業務内容によって省かれることもあります。
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あくまでも一例ですので、「このような内容が記載されているのか」と、ぜひ参考にしてください。
- 01.委託業務の内容・目的
- 02.支払い・委託料(報酬額)
- 03.支払条件、支払時期、支払い方法など
- 04.納品方法
- 05.著作権
- 06.再委託の可否
- 07.秘密保持に関する条項(機密保持)
- 08.反社会的勢力の排除
- 09.禁止事項
- 10.契約更新・契約解除の条件
- 11.損害賠償
- 12.契約期間
- 13.瑕疵担保期間
- 14.裁判管轄
- 15.その他の事項
特にチェックしておくべき7項目
上記15項目の中でも、特にチェックしておくべき7項目をご紹介します。業務を行う際には内容をきっちり理解しておきましょう。
自分で業務委託契約書を作成する際にもぜひ参考にしてみてください。
委託業務の内容・目的 | ・どんな記事を執筆するのか ・どのくらいの期間で記事を作成するのか ・付随する業務 ・双方間で合意した業務 など 委託する業務内容について記載されています |
支払い・委託料(報酬額) | ・1記事○○円(税込) ・1文字単価○円 など 委託報酬額について記載されています 税込か税抜かも確認しておきましょう |
支払条件、支払時期、支払い方法など | ・源泉徴収をするかどうか ・支払い方法や支払日 ・振込手数料の負担者 ・請求書の締め日 ・支払期限 などが記載されています |
納品方法 | ・ドキュメント提出 ・Word Press入稿 ・PDF・World・Excel 形式 など 記事の納品方法や納品期日などが記載されています |
著作権 | 著作権とは、著作者が著作物として成果物を所有する権利のことをいいます。基本的には「納品後はクライアントが著作権を有する」と記載されている場合が多いです[1] |
秘密保持に関する条項(機密保持) | 業務上で知り得た情報を公表せず「秘密を守る」契約について記載されています 秘密保持契約書(NDA)という形で記載されている場合もあります 医療ライターの個人情報もここに含まれます |
契約期間 | クライアントと医療ライターとの間で連絡が取れなくなってしまった場合をのぞいた「業務委託の期間」が記載されています 契約更新の有無や解約条件なども記載されています |
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岩﨑まりさん
また、損害賠償が起きた時の責任はどちらにあるのかや、罰金などの金額の記載がある場合も考えられます。医療ライター側の負担が大きくないか、しっかりと確認しましょう。
業務委託契約書の作成時に活用したいおすすめサイト3選
医療ライターとして仕事を受けていると、自分で業務委託契約書を作成しなくてはならない場合もあるでしょう。
業務委託契約書を作成するにあたり、活用できるおすすめのツールがあります。「作り方がわからない!」という方でも、無料で業務委託契約書が作れます。
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以下、おすすめの参照サイトをご紹介します。ガイドラインやテンプレートを上手に利用して、業務委託契約書の確認や作成を効率良く進めてみてください。
【おすすめの参照サイト】
・在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン(厚生労働省)
・ビズオーシャン業務委託契約書テンプレート
・クラウドサイン|クラウド型電子契約サービス
契約上・仕事上のトラブルが起こってしまったら
業務を行ううえで、クライアントとトラブルが起こらないに越したことはありません。
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岩﨑まりさん
令和5年5月12日に「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が公布されました。[2]
業務委託契約書の内容が、この法律に沿っているかも確認しておきましょう。
クライアントが契約書の内容を見直してくれない、報酬が支払われないなどのトラブルに巻き込まれた際は、専用の窓口に相談することをおすすめします。
また、フリーランス・個人事業主の方が、契約上・仕事上のトラブルについて弁護士に無料で相談できる相談窓口「フリーランス・トラブル110番」が令和2年11月より設置されています。[3]
画像引用:フリーランス・トラブル110番
万が一があったときのために、ぜひ参考にしてください。
業務委託契約書を理解し、安心してライター活動をしよう!
医療ライターにとって、「業務委託契約書」は仕事を獲得するうえで大切な書類になります。
ライター
岩﨑まりさん
難しい文章は流して読んでしまいがちですが、業務を円滑に行いトラブルを避けるためにも、しっかり契約内容を把握しておく必要があります。
もし業務委託契約書の内容が自分に不利な内容であった場合、契約書にサインする前に、相手に内容の検討をしてもらうことが必要です。
契約したあとに「納得のいかない契約を結んでしまった」と後悔しないよう、自分の身を守るために何度も目を通して確認し、業務委託契約書の内容を理解し安心できるライター活動をしていきましょう。
歯科衛生士ライター:岩崎まり(まりりん)さん
臨床11年・企業2年勤務・ニュージーランドへワーホリ経験もあり。現在は趣味の海外旅行が高じてヨーロッパに滞在しながら、企業で学んだ技術を活かすべく歯科衛生士の方へのパワポ作成や医療ライターとしても活動中。日本語教師の資格も活かし「シンプルにわかりやすく」をモットーにnoteにゆるーく執筆中。
Instagram:https://www.instagram.com/dh_marilyn
岩﨑さんも受講、Medi+の「医療ライターのはじめかた」講座とは?
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