実績を積むまでは医療ライターとして活動をはじめても、安定的に仕事を受注するのは簡単なことではないですよね。医療ライターになったのはいいものの、どうしたら選ばれる医療ライターになれるのかと、悩む方もいるかもしれません。
医療ライターとしてライティングスキルを学ぶことは基本です。加えて、他の医療ライターと差別化できる+αのスキルがあったらどうでしょうか。案件を獲得しやすくなったり、単価アップにつながったりするでしょう。
この記事では医療ライターである筆者が、おすすめの+αのスキル5選とどのようにそれらのスキルを獲得できるのかを紹介します。
医療ライターに求められるスキル
医療ライターには基本的な医療知識やリサーチ力、ライティングスキルが求められます。それだけでも医療ライターとして活動できますが、もし+αのスキルがあればどうでしょうか?
なかのふみさん
スキルを活かし、ライティング以外の業務を請け負うことができれば、クライアントの負担を減らせる場合もあります。
+αのスキルがあれば他の医療ライターと差別化ができるため、仕事の依頼が増えたり継続案件につながったりする可能性もあるでしょう。
医療ライターにおすすめの+αスキル5選
医療ライターが持っていると役に立つライティング以外のスキルにはどのようなものがあるかご存じでしょうか?さまざまなスキルがある中で医療ライターと関連があり、取り入れやすいスキル5つを紹介します。
メディアディレクション
メディアディレクションとは、Webメディアの進行管理をはじめとした運営の指揮をするスキルです。
メディアディレクションのスキルは、記事の企画や取材の選定から進行管理、記事・メディアの分析まで多岐にわたります。メディアディレクションを学んだ医療ライターは、以下の点からクライアントに重宝されます。
- 記事単位ではなくメディア全体を考えて仕事ができるため、メディア運営者やクライアントの目的により近い記事作成ができる
- 記事作成全体の流れがわかるため、指示されたこと以外の必要な行動や提案ができる(例:構成作成、納期管理、レギュレーション作成など)
なかのふみさん
また、Webライターやカメラマン、編集者の統括ができると、将来的に自身のチームを作って記事の受託制作の事業につなげることも可能です。
薬機法の知識
薬機法*は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の品質、有効性、安全性を確保し、保健衛生の向上を図ることを目的としている法律のことを言います。[1]
化粧品や医薬品に関する記事を書くときに薬機法に違反する内容を書いてしまうと、クライアントが罰則を受けることも……。たとえば、化粧品の広告に決められた範囲外の効果を書いてしまうと薬機法違反になります。薬機法の知識があれば、その化粧品について法律の範囲内で最大限魅力的に書くことができるでしょう。
なかのふみさん
薬機法に関する知識があれば、化粧品や医薬品に関する記事を求めるクライアントからの依頼が増えやすくなるでしょう。
医療系記事の取材スキル
医療機関や研究施設などで医療関係者や患者、研究者にインタビューし、記事にするスキルです。企画立案やインタビュー先の選定、アポイントメントをとる力、取材先から情報を引き出す力など高いコミュニケーション能力が求められます。
インタビューするからこそ得られる活きた情報があるため、より信頼性や独自性の高い記事が書けるでしょう。
なかのふみさん
また、インタビューを通して得た人脈から新たな活躍の場を見つけられるかもしれません。[2]
医療通訳・翻訳
医療通訳は、医療・ 保健分野において医療従事者と患者に対して通訳を行うことです。日本在住の外国人や海外在住の日本人が、母国語に対応していない医療機関を受診するときに利用されます。
医療翻訳は、医学や製薬、医療機器に関する文章の翻訳を通して学術論文や治験資料、医療機器の取り扱い説明書などを作成するスキルです。
医療通訳・翻訳どちらも外国語の知識だけでなく、医療の専門的な知識と正確な言葉選びが求められるでしょう。
なかのふみさん
加えてインタビューのスキルをもっていれば、外国人の医療従事者や患者にインタビューもできるため、さらに活躍の場が広がります。[3]
撮影・画像作成
記事作成する際に、文章だけでなく写真やイラストを用いると、より読者の理解を深められます。写真やイラストのビジュアルを強化をすることで、より魅力的な記事に仕上がるでしょう。
また、一貫性のある写真やイラストはブランドイメージにつながり、記事の信頼性を高めると考えられます。[4]
医療ライター側で撮影や画像作成までできると、クライアントがフォトグラファーやデザイナーに依頼するコストの削減にもつながります。
なかのふみさん
撮影や画像作成のスキルは、単価アップや継続案件につながる可能性もありますね。
医療ライターが実践したい!4つのスキルアップ方法
これまで紹介したスキルを身につけるためには、どうしたら良いのでしょうか。
学校に通ったりインターンシップに参加したりする方法もありますが、ここでは自分で今すぐはじめられる方法を4つ紹介します。
書籍を読む
書籍に書かれている情報は、専門家や実績のある人の経験に基づいていいるものが多く、比較的信ぴょう性が高いといえるでしょう。また、書籍は自分のペースで学ぶことができるのもうれしいですね。
なかのふみさん
薬機法や画像作成、翻訳に関する書籍は書店やインターネットショッピングで比較的見つけやすいため、ぜひ探してみてください。
たくさん種類があってどの本を選べば良いのかわからない、という方には以下の記事が役立つでしょう。
SNS・Webサイトで情報収集する
SNSやWebサイトは、情報が作成されてから発信までの時間が書籍よりも短いため、新しい情報をより早く収集できます。
ただし、Web上には誤情報や偽情報があふれています。デジタルリテラシー*を身につけ、発信時期や発信元に注視して情報を取捨選択することが必要です。とくにSNSで情報収集する場合は、さまざまな情報に振り回され過ぎないように注意しましょう。
信頼できる情報を見つけるには、各省庁や一次情報と言われる自ら行った調査や実体験から得たものかどうかを確認します。
なかのふみさん
SNSで得た情報は、元になっている一次情報をたどることで信ぴょう性を評価できるでしょう。
信頼できるメディアの例として、医療従事者によって情報発信されている医療系Webサイトがあります。
医療の専門家が一次情報を参考文献とし、医療・健康分野をはじめ、医療従事者の働き方や医療ライターに関する情報を発信しているWebサイトです。
医療系知識について|MediJump
信頼できる情報かどうか見極める力があれば、SNSやWebサイトは手軽で便利な情報収集手段になります。
講座を受講する
スキルアップには、各スキルの習得に特化した講座を受講するのも一つの方法です。
他の方法に比べて費用はかかりますが、学ぶ道筋を示してもらえるため短期間でスキルが身に付きやすく、効果的な方法であると言えるでしょう。
なかのふみさん
筆者も医療ライター向けの講座を受講した経験があります。ゼロから基礎知識を学ぶことができ、仲間と学びを共有しあえたため講座を受講した価値があると思えました。
医療ライターのスキルアップにおすすめの講座には、以下のようなものがあります。
- 薬機法講座
- 取材ライティング講座
- メディアディレクション講座
効率よく確実にスキルアップしたい場合は、講座の受講がおすすめです。
オンラインサロンで情報交換する
オンラインサロンはオンライン上の会員制のコミュニティで、同じ目的を持った会員がSNSなどを通じてつながります。会員同士が悩み相談をしたり情報共有したりできるため、スキルアップのために役立つ情報を得られるでしょう。
身近なコミュニティを求めるなら医療ライターのみのオンラインサロン、医療に限らず広い視野を求めるならさまざまな分野のWebライターが集うオンラインサロンを選ぶと良いでしょう。
なかのふみさん
Webライターだけでなく、Webデザイナーやエンジニアなど、Webライター以外の職種が集うオンラインサロンもありますよ。
MediWebラボ
中には悪質なオンラインサロンも存在します。入会を検討する際は信頼できる主催者かどうか、どのような会員が所属していてどのような目的で何をするのか、会費はいくらかなど、情報収集するようにしましょう。[6]
新たなスキルを身につけ単価アップにつなげよう
スキル習得の方法には、書籍を読んだりWeb上で情報収集したりするなど、手軽ですぐにはじめられるものがあります。効率よく学べる講座受講や情報収集だけでなく交流もできるオンラインサロンなどもおすすめです。
自分にあった方法を選び、気になるスキルの習得にチャレンジしてみてください。
なかのふみさん
筆者が医療ライターをはじめるときに受講した講座の主催メディア、Medi+では今回紹介した+αのスキルを獲得するための講座も受講できます。
- 取材スキルを学びたい「医療系取材ライターのはじめかた」
- ディレクションを学びたい「医療系メディアディレクション講座」
- 実用的な薬機法を学びたい「薬機法実践力向上講座」
医療ライターとしてスキルアップし、仕事の幅を広げて単価アップを目指しましょう。