「医療系取材ライターを始めたけど、専門用語が分からず話が止まってしまった」
「打ち合わせやインタビュー中に、知らない用語が出てきて焦った」
そんな経験のある初心者取材ライターの方も多いでしょう。
クライアントやインタビュー相手の話す用語が分からないと、事前打ち合わせや当日のインタビューをスムーズに進めることができません。
そこでこの記事では、薬剤師資格を持つ取材ライターの筆者が、「医療系取材ライターが知っておくべき基本的な用語」を解説していきます。
なつみさん
事前打ち合わせやインタビューをスムーズに進めたい方は、基本的な用語については確実におさえておきましょう。
医療系取材ライターに必要な用語とは?
医療系取材ライターが知っておくべき用語は、
- インタビューや取材ライティングに関する用語
- インタビュー相手(医療関係の方)が使う専門用語
の2つです。
インタビューや取材ライティングに関する用語は、クライアントとの契約や打ち合わせに必要不可欠です。
また医療系取材ライターであれば、医師や病院経営者など医療の専門知識を持っている方へのインタビューが多くなります。
なつみさん
インタビュー相手がストレスなく話せるよう、医療業界の一般的な用語や専門用語は事前におさえておきましょう。
インタビュー/取材ライティングに関する用語
まずは、インタビューや取材ライティング自体に関する用語を紹介します。
クライアントとの打ち合わせなどで頻繁に出現する用語ですので、医療系取材ライターを目指すのであれば確実に理解しておきましょう。
なつみさん
会話の中での使用例も載せてあるので、ぜひ参考にしてください。
インタビュアーとインタビュイー
インタビュアーはインタビューする側のことです。インタビュイーはインタビューされる側、すなわちインタビュー相手のことです。
なつみさん
似ている言葉なので、間違えないように注意しましょう。
【使用例】
クライアント「今日はインタビュアー3名、インタビュイーが9名です。インタビュアー1名につき、各3名のインタビュイーを担当してもらいます」
アイスブレイク
アイスブレイクとは、インタビュー前に緊張をほぐすような軽い会話や活動をいいます。インタビュー時間にもよりますが、通常5〜10分程度で行います。
なつみさん
アイスブレイクの内容はインタビューに関係ないもので構いません。インタビュー相手の趣味や季節、天気の話など、会話が弾んでいきそうな話題を用意しておきましょう。
【使用例】
クライアント「当日のインタビューは15分間です。時間厳守でお願いします」ライター「かしこまりました。ではアイスブレイクを省略しますね」
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン
オープンクエスチョンはインタビュー相手が自由に答えられるような質問、クローズドクエスチョンは「Yes/No」でしか答えられない質問です。
オープンクエスチョンは会話は広がりますが、インタビュー相手が答えるのに時間がかかる可能性があります。
なつみさん
クローズドクエスチョンは答えやすいですが、会話は続かないという特徴があります。
【使用例】
ライター「今日のインタビュー、しょっちゅう会話が途切れてしまった……、答えづらい質問だったかな」
先輩ライター「インタビューに慣れていない人だったからね。クローズドクエスチョンで会話の流れを作ってからオープンクエスチョンにしてみるといいよ」
文字起こし
文字起こしとは、インタビューで録音した音声データを文字データに変換することをいいます。
多くの場合、AI文字起こしツールを使用して文字起こししていきます。
【使用例】
クライアント「音声データをお渡しするので、文字起こしをしてください」
なつみさん
現在、たくさんの文字起こしツールが使われています。筆者が複数の文字起こしツールをレビューした記事もあわせて読んでみてください。
素起こし
素起こし(すおこし)とは、インタビューで聞こえた音声をそのまま文章にする、文字起こしの方法の1つです。
「あのー」、「えっと」、「んー」などの意味のない言葉も含めて文字にしていきます。笑い声や相槌も文章にするため、インタビュー時の雰囲気や状況が最も伝わりやすい方法です。
【使用例】
クライアント:「取材時の雰囲気も伝えたいので、今回は素起こしでお願いします。」
ケバ取り
ケバ取りは、文字起こししたばかりの文章(素起こしの文章)から、意味のない言葉を削っていくことです。
素起こしの文章には「あのー」「えっと」など、意味をなさない言葉が含まれています。ケバ取りでは、このような無駄な部分を削除します。
【使用例】
クライアント「素起こしの状態のデータをお渡ししますので、ケバ取りをして文章を整えてください
整文
整文(せいぶん)とは、ケバ取りをした文章を「ですます調」に調整するなどで書き言葉に整える作業をいいます。
印刷物や保存用の資料を作成する場合に、整文にすることを依頼されることが多いです。
【使用例】
クライアント「今回の講演の内容を記録用に整文にしてください。」
なつみさん
以上、インタビューや取材ライティングに関わる用語を解説しました!
続いて、医療系の取材ライティング時に必要な用語について紹介します
医療系取材ライターに必要な用語
続いて、医療系取材ライターとして、医療者や病院の経営者にインタビューする場合に調べておきたい用語について解説します。
スムーズにインタビューを進めるためにも、インタビュー相手が使いそうな用語は確実におさえておきましょう。
インタビュー相手の専門用語
インタビュー相手(医療者や病院経営者など)がよく使う専門用語については、インタビュー前にある程度理解しておく必要があります。
例①:医療系の専門用語
・そけい部
・腹腔鏡
・自毛植毛 など
例②:略語
・PT(理学療法士)
・OT(作業療法士)
・ST(言語聴覚士)
・MT(臨床検査技師)など
文字で読めば理解できる言葉も、音声だけではすぐには理解できない可能性があります。
用語が分からずインタビューが途切れないようにするためにも、インタビュー相手が使いそうな用語は事前に調べておきましょう。
なつみさん
それでも分からない専門用語が出てきた場合は、知ったかぶりはせず素直に質問することが大切です。
医療業界で話題の用語
医療系取材ライターであれば、世の中で話題になっている医療に関する用語についても幅広く知っておく必要があります。
【具体例】
・タスクシェア*
・36(サブロク)協定*
・スマートヘルスケア*
最新の話題についていけるように、新聞やニュースサイトなどでの情報収集は欠かさないようにしましょう。
専門用語を理解して医療系取材ライターを始めよう!
クライアントやインタビュー相手との会話を円滑にすすめるためにも、取材ライティングで使う用語の理解はとても大切です。
【インタビュー/取材ライティングに関する用語】
・インタビュアーとインタビュイー
・アイスブレイク
・オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン
・文字起こし
・素起こし
・ケバ取り
・整文
【医療系取材ライターに必要な用語】
・インタビュー相手の専門用語
・医療業界で話題の用語
インタビューや取材ライティングの用語に加えて専門的な医療用語を習得することで、医療系取材ライターとしてより高い信頼性と専門性を得ることができます。
なつみさん
信頼される医療系取材ライターになるためにも、インタビュー前の事前準備と日常の情報収集は意識しておきましょう。
薬剤師取材ライター:岡田 なつみさん
薬学部卒業後、大学病院の薬剤部で研修を経て、病院薬剤師、ドラッグストア、調剤薬局と様々な職種を経験。現在は地域医療や在宅ケアに注力。
適切な情報をより多くの方へ届けるため、執筆活動中。さらに仕事の幅を広げるため、医療系取材ライター活動を開始。
趣味は旅行、ワイン、ネットサーフィン。最近フルマラソンに挑戦すべくランニングを開始。
X(Twitter):https://twitter.com/natsumi77102
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