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こどもが熱を出したら?幼児の発熱の対処方法や受診の目安について解説

こどもの発熱は前触れなく起きることが多く、突然のできごとだと焦ってしまいますよね。とくに1〜3歳ぐらいだと体調不良をうまく伝えられないので、どう看病すべきか判断に困ることもあるでしょう。

看護師ライター

小林おすしさん

しかし、熱が出ても慌てず、適切な対応ができれば、お子さんの辛い症状を和らげられる可能性が高まります

「こどもに熱があるけど、どう看病したらいいの?」
「受診したほうがいいのか、判断の目安がわからない」

そう悩む親御さんに向けて、小児科勤務経験のある筆者が、こどもが熱を出した時の対処法や受診の目安を解説します。

記事内では、自宅でできるホームケアや発熱に備えて準備しておきたいものについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

こどもが熱を出した時の対処

こどもが熱を出した時は、以下の対処法を順に行っていきましょう。

  1. 熱を測る
  2. 熱以外の症状がないか確認する
  3. 受診するか判断する
  4. 自宅でできるケアを行う

突然の発熱に慌てないためにも、さっそく見ていきましょう。

熱を測る

身体が熱いと感じたら、まずは熱を測りましょう。正確な数字を知ることで、健康状態の判断に役立ちます。

こどもの熱は、わきや耳、おでこなどさまざま部位で計測可能です。ただ、耳やおでこで測れる非接触型の体温計は数値が低く出やすいため、可能であればわきに体温計をはさんで熱を測りましょう。[1

看護師ライター

小林おすしさん

熱を測った後は、測った時間と数値をメモに残しておくと、経過がわかりやすくなります。

熱以外の症状がないか確認する

次に、熱以外の症状がないか確認しましょう。具体的に確認する症状は以下の通りです。

  1. 元気の有無
    うとうとしたりぐったりしていないか
    意識がもうろうとしていないか
    声をかけると反応はあるか
  2. 呼吸状態
    苦しそうに呼吸していないか
    顔色が悪くないか
    咳や鼻水は出ているか
  3. お腹の症状
    吐き気や嘔吐、腹痛、下痢がないか
    吐物や便の色・におい・形状はどうか
    水分や食事はとれているか
    普段と比べて飲食の量が減っていないか
  4. 皮膚や口の中
    皮膚やくちびるが乾燥していないか
    体に湿疹はないか
    口内炎はないか 
  5. その他
    痛みや痒みはないか
    ふらふらする様子やめまいはないか など[2

すべての症状を一度に確認するのが難しい場合は「普段と違う様子はどこか」という視点で観察するのがおすすめです。気になる様子や症状があれば、熱の数値とともにメモしておきましょう。

受診するか判断する

熱と熱以外の症状を確認したら、受診するか判断します。38度以上の熱があり、以下に該当する場合はすぐに受診しましょう

  • 元気がなくぐったりしている
  • 1日中うとうとしている
  • 興奮して暴れる、意味の通じない話をする
  • 強い頭痛がある
  • おしっこが出ていない(オムツが濡れていない)
  • 下痢や嘔吐、腹痛がある
  • 横になりオモチャを見ても遊ぼうとしない
  • 水分や食事が十分にとれない
  • 苦しそうな呼吸をしている
  • 機嫌が悪く、泣き続ける
  • 耳に強い痛みや膿がある[3

上記に該当しなくても、初めての発熱で不安や心配があれば受診し医師に診察してもらいましょう

看護師ライター

小林おすしさん

受診するか迷う場合は、日本小児学会による「こどもの救急」を参考にするか、小児科医や看護師と電話できる「こども医療電話(#8000)」で相談するのがおすすめです。

自宅でできるケアを行う

こどもの体調が回復するように、自宅でできるホームケアとして以下を行いましょう。

  • 寒がる時は掛け物や衣服で保温する
  • 暑がる時は首元やわきの下、足の付け根を冷やす
  • こまめに水分補給する
  • 室内で安静に過ごす
  • 解熱剤は医師の指示にあわせて使用する[2

解熱剤は、小児科医の指示にあわせて使用しましょう

看護師ライター

小林おすしさん

ただし、発熱は身体の防衛反応であり、むやみに解熱剤を使わないほうが細菌やウイルスへの抵抗力が上がるともいわれています。[4

そのため明らかな発熱があっても、元気があり食事や排泄が普段通りにできていれば、解熱剤を使用せず様子を見る場合もあります。

判断に迷う場合は、かかりつけの小児科に相談してみましょう

なお、手元に解熱剤がない場合は小児科で処方してもらい、自宅にストックしておくことをおすすめします。

こどもが熱を出す原因とは

1〜3歳ぐらいのこどもの発熱は、感染症が原因であるケースがほとんどです。とくに保育園や幼稚園などに通っていると、以下のような感染症にかかりやすくなります。

【1〜3歳の幼児がかかりやすい感染症】
・溶連菌感染症
・RSウイルス感染症
・咽頭結膜炎(アデノウイルス)
・感染性胃腸炎
・水痘(水ぼうそう)
・手足口病
・突発性発疹
・ヘルパンギーナ など[5

どんな感染症にかかっているかは、小児科医による検査や診察によって診断できます。治療は各感染症によって異なりますが、一般的には熱を下げたり咳や喉の痛みなどの症状を楽にしたりする対症療法が行われます。また、菌やウイルスの種類によって抗生剤や抗ウイルス薬が処方されることもあります。

急な発熱で慌てないために準備しておきたいもの

こどもの発熱は前触れなく起こるケースがほとんどです。突然の発熱で慌てないためにも、以下を参考に普段から準備しておきましょう。

体温計や解熱鎮痛剤

発熱時に使用する体温計や解熱剤は、自宅に常備しておくと安心です。
体温計をしばらく使用していない場合は、電池があるか定期的に確認しておくと、いざという時に焦らず済みます。

看護師ライター

小林おすしさん

解熱剤は年齢や体重によって使用量が異なるため、以前の処方から数か月以上経過している場合は受診し、処方し直してもらいましょう

夜間や休日で受診が難しい場合は、薬局やドラッグストアにある市販のこども用解熱剤を使うのも一つの手です。

口にしやすい食べ物や飲み物

発熱時は食欲が低下するこどもが多いため、口にしやすい食べ物や飲み物を用意しておくことをおすすめします。

【発熱に備えて用意しておくとよい飲食物の例】
・ゼリー
・プリン
・ヨーグルト
・食べ慣れている果物
・うどん(冷凍だと日持ちする)
・レトルト雑炊やおかゆ
・イオン飲料
・スポーツドリンク など

買い物や料理に時間をかけられないことを見越して、レトルトや日持ちするものを常備しておくと安心でしょう。

受診に必要な保険証や医療証

すぐ受診が必要なケースに備え、受診に必要な保険証や医療証をひとまとめにしておくのも大切です。小児科によっては母子手帳を持参するよう指示される場合もあるため、あわせて用意しておきましょう。

感染予防グッズ

こどもの感染症がうつってしまうと、看病する人がおらず困ってしまうかもしれません。家庭内感染を防ぐためにも、以下の感染予防グッズを準備しておくことをおすすめします。

  • マスク
  • 使い捨て手袋
  • エプロン
  • ウェットティッシュ
  • ゴミ袋
  • 使い捨ててもよい雑巾 など

感染症の種類によって予防方法は異なるため、小児科での診断をもとに、適切に対応していきましょう。

こどもの熱にも焦らず対応しよう

こどもの発熱は、菌やウイルスなどから身体を守るために起こります。そのため、熱が出たからといって慌てる必要はなく、落ち着いて適切に対処していきましょう。

発熱がみられた場合は、熱以外の症状もあわせて確認し、受診するか判断する必要があります。受診すべきか迷う場合は「こどもの救急」や「こども医療電話(#8000)」などのサービスを活用するのがおすすめです

看護師ライター

小林おすしさん

普段からこどもと接しているからこそ、気づける異変もあるはずです。小さなことでも心配や不安があれば、かかりつけの小児科に相談してみましょう。

この記事の執筆者

看護師ライター:小林おすしさん

看護系高等専門学校卒業。新卒から大学病院やクリニックなどで小児科領域の看護に携わる。結婚や子育てをきっかけに多様な働き方を求め、2021年からフリーライターとして活動開始。現在は医療やキャリア支援などの分野を中心に記事執筆を行う。読者が共感・体験できるような執筆活動を心がけています。

Twitter:https://twitter.com/sushisuki0886

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メディア運営・編集

京薬卒、(株)Medited代表取締役。 医療・取材ライターや医療系介護メディアの編集長業務、キャリアスクールでの講師メンター業などを経て2020年よりオンライン動画講座「医療ライターのはじめかた」メディア「MediJump」の運営を開始。2022年より医療×Webクリエイターの交流コミュニティ「MediWebラボ」をスタート。2023年に法人化し、経済産業省JStarX起業家プログラム等に採択。「医療資格は、ずっと味方」をテーマに活動しています。