経験が浅い医療系取材ライターにとって、インタビューはとても緊張するもの。
インタビューに慣れる方法の一つに「相互インタビュー」というものがあります。相互インタビューとは、ライター同士がお互いにインタビューし合うことでスキルや経験を積む方法です。
今回の記事では、初心者の医療系取材ライターが相互インタビューを実践するメリットと具体的な実践方法を解説。
潮見ゆうかさん
さらに、医療系取材ライターである筆者が、実際に相互インタビューをしてみた感想をまとめています。
「医療系取材ライターに挑戦したい」「インタビューに自信をつけたい」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
初心者が相互インタビューをするメリット
初心者取材ライターが相互インタビューを行うメリットを3つご紹介します。
医療系取材ライターに挑戦したい方、インタビュースキルを向上させたい方はぜひ参考にしてみてください。
取材ライターとしての実践的な経験値が増える
相互インタビューの一番大きなメリットは、医療系取材ライターとしての実践的な経験値が得られることです。
相互インタビューを経験することで、インタビューが上達するだけでなく、企画力や文章力などのさまざまなスキルが磨かれます。
潮見ゆうかさん
具体的には、以下に示したようなスキルが上達していくでしょう。
スキル | スキルの活用場面 |
---|---|
企画力 | ・記事や取材のテーマを決める |
リサーチ力 | ・インタビュー相手の情報を調べる ・インタビュー相手の専門分野について調べる ・読者が求めている情報を調べる |
調整力 | ・インタビューの参加者と場所 ・スケジュールなどを調整する ・インタビューを時間内に進める |
質問力 | ・インタビュー相手からより深い情報を聞き出す ・タイミングよく的確な質問をする |
文章力 | ・インタビュー内容を読みやすい記事にする ・インタビュー相手の魅力が伝わる記事を執筆する |
相互インタビューでは、企画からリサーチ、質問の洗い出し、インタビュー、記事執筆の全行程を実践できます。
潮見ゆうかさん
相互インタビューは実際の案件と同じ流れで行うため、医療系取材ライターの経験が浅く、臨機応変な対応ができるか心配な方にとくにおすすめです。
インタビュー相手の気持ちがわかる
相互インタビューでは自分自身もインタビューされるということが大きな特徴。そのため、インタビュー相手の気持ちがわかるというメリットもあります。
実際にインタビュー相手になってみると「こうやって質問されると話しやすいな」といった気付きが得られ、質問力が向上していくはずです。
潮見ゆうかさん
相互インタビューで経験を積み、取材ライターとしての仕事に自信をつけましょう。
サンプル記事として提示できる
相互インタビューで執筆した記事は、案件応募するときにサンプル記事として提示できることもメリットです。
医療系取材ライター初心者は、案件応募時にクライアントへ提示する実績が少ないことが大きなハードルとなります。
とくに、取材案件の募集では、応募条件に「実績が必要」と提示されていることが少なくありません。
潮見ゆうかさん
そんなとき、相互インタビューの記事をサンプル記事にすれば、クライアントに実績をアピールできますよ。
ただし、記事を実績として提示する場合には次の点に注意しましょう。
<公開記事の場合>
・記名記事であること
・実績として使用して良いか公開先のメディアから許可が取れていること
<非公開の記事の場合>
・インタビュー相手の許可が取れていること
相互インタビューでは、インタビューすることだけに満足せず、実際に記事を執筆してアピールの材料として有効活用しましょう。
効果的な相互インタビューの実践方法
相互インタビューは具体的には以下の手順で進めていきます。
- インタビュー相手を探す
- 聴き手と話し手の順番を決めてインタビューする
- インタビュー終了後、お互いに良かった点や改善点をフィードバックする
- インタビューの録音や録画を見直す
インタビューを上達させたいのなら、ステップ4の録音や録画の確認はとくに大切です。
潮見ゆうかさん
可能であれば、インタビュー相手の了承を得たうえで、インタビューの様子を録画しておくことをおすすめします。
取材ライティングの案件では、インタビューを録音することは多いですが、録画をさせてもらえる機会はなかなかありません。
相互インタビュー中に自分の姿も録画しておくことで、インタビュー相手への目線や相づちの打ち方、無意識の仕草といった姿を見直せます。
潮見ゆうかさん
相互インタビューを通して、今の自分に足りないものを客観的に分析し、次のインタビューに生かしましょう。
【体験談】相互インタビューしてみて
最後に、筆者が実際に相互インタビューした経験について書いていきます。
筆者は、株式会社Meditedが運営するMedi+の「医療系取材ライターのはじめかた」で、相互インタビューをしました。
参加メンバーは、講師と筆者、インタビュー相手である受講生の3人です。もう一人の受講生と「オンライン形式のインタビュー30分間+フィードバック15分間」を交互に行いました。
潮見ゆうかさん
インタビューの準備段階では、臨機応変に質問ができるだろうと思い、質問はあまり多く用意していなかった筆者。
ですが、実際に相互インタビューが始まると、緊張で頭が真っ白になったり、言葉が詰まったりしてしまいました。
インタビューは想像以上に難しいのだと感じた一方で、案件を受注する前に苦手なポイントがわかったことは大きな収穫でした。
インタビュー終了後のフィードバックでは、インタビュー相手や講師の方から自分では気づけなかった良い点も教えてもらい、少し自信がついたのも確かです。録画しておいたインタビューの様子は、後々の復習にとても役立ちました。
潮見ゆうかさん
ここで認識できたインタビューの良かった点や改善点は、今もクライアントワークに生かせています。
相互インタビューで取材の経験を積もう!
インタビューは、慣れるまでが大変です。
相互インタビューはインタビュースキルを上達させる練習方法の一つ。とても実践的な方法のため、インタビューのあらゆるスキルをトレーニングできます。
また、相互インタビューの内容を執筆した記事は、案件へ応募するための実績としても役立つでしょう。
潮見ゆうかさん
インタビューの実績が欲しい方やインタビューに慣れたい方は、ぜひ医療系取材ライター同士で相互インタビューをしてみてはいかがでしょうか。
「医療系取材ライターとしての基本スキルも身に付けたい」という方は、筆者も受講したMedi+の「医療系取材ライターのはじめかた」で相互インタビューの経験を積んでみることもおすすめですよ。
相互インタビューを通して、インタビューに必要なスキルや経験を身につけ、医療系取材ライターとして案件の受注を目指しましょう。