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医療ライターが知っておきたいエビデンスの探し方を解説

医療系の記事を書くときはどのWebサイトでエビデンスを探せば良い?」「どの情報が信頼できる?」と記事を書くときに手が止まっていませんか。

医療系の記事は読者の健康に関わるため、間違った情報の記載は避けなければいけません。医療ライターとしてエビデンスのある記事を書くことは、読者の健康を守るためにもとても重要です。

正しい内容の医療記事を書くために、エビデンスの探し方や信用できるWebサイトについて知っておきましょう。

この記事では医療ライターに必要な信頼できるエビデンスの見分け方おすすめの探し方について紹介します。

薬剤師ライター

今井まいさん

エビデンスをもとに記事を執筆できれば、医療ライターとしてさらに信用されるようになりますよ。

医療・健康記事でのエビデンスの重要性

医療・健康がテーマの記事は、読者の生命や健康に影響を与える場合があるため、エビデンス(根拠・裏付け)のある記事を書くことが大切です。

誤った情報を記事にしてしまうと、誤った情報がそのまま拡がってしまう可能性があります

実際、過去に誤った情報を掲載した健康情報サイトの記事がインターネット検索した際に上位に表示されていた事例がありました。大手企業のサイトであったこともあり、上位に表示された記事の内容を信用してしまった読者も多いでしょう。

医療や健康は多くの人にとって関心が高いテーマです。検索結果の上位に表示されている記事が信頼できる情報とは限りません

薬剤師ライター

今井まいさん

医療・健康系のテーマを取り扱う場合は慎重にリサーチし、読者のためにも信頼できるエビデンスにもとづく記事を書きましょう。

信頼できるエビデンスとは?

医療・健康系の記事ではエビデンスが重要であると理解していても、いったいどのようなエビデンスなら信頼できるのか悩む方もいるのではないでしょうか。

個人が運営しているブログやメディアのWebサイトは、経験をもとに書かれていたりアフィリエイトが関わっていたりする記事が多く、エビデンスが正確でない場合も多いです

薬剤師ライター

今井まいさん

今回は医療ライターが知っておくと便利な、信頼できるエビデンスの具体例について解説します。

政府機関や国立大学、国立病院が公開している情報

権威性が高く信頼できるエビデンスの一つに、政府機関や国立大学、国立病院が公開している情報があります。

医療・健康系の情報を取り扱っている政府機関としては、厚生労働省消費者庁などがよく参考にされているでしょう。

今見ているサイトが政府機関や国立大学・国立病院のWebサイトであるかどうかは、ドメイン(URLの最後の部分)で見分けられます。

薬剤師ライター

今井まいさん

以下の表は、知っておくと便利なドメインの種類です。

go.jp政府機関(厚生労働省や国立病院など)
ac.jp教育機関(国立大学や大学病院、学校法人など)
ドメインの種類

ただし、ac.jpは教育機関のドメインなので、国立大学以外の教育機関も同じドメインであることには注意が必要です。

診療ガイドラインや原著論文の情報

診療ガイドラインや原著論文も、信頼できる情報の一つと言えます

診療ガイドラインは診断や治療の方針について書かれているため、疾患や薬物治療に関する記事を書く場合に参考になるでしょう

薬剤師ライター

今井まいさん

実際に、筆者も治療に関する記事はよくガイドラインを参考にしています。

また、論文には原著論文やレビュー論文などいくつか種類があります。原著論文はオリジナルの研究や実験によって、独自の知見を示すことが目的とされた論文です。

診療ガイドライン、原著論文とともに信頼できるエビデンスとして参考になるでしょう

なるべく新しく引用数の多い情報

報告年が新しく、引用数の多い情報は注目されている内容であり、信頼性が高いと言えるでしょう

医療の常識は常に変わっていくため、数年前には当たり前だった医療情報でも、数年後に変わっていることがめずらしくありません

薬剤師ライター

今井まいさん

しかし、最新の情報がすべて正しいわけでもありません。そのため、どの情報も自分で精査することが必要です。

情報の精査方法としては、他の論文への引用数が参考になります。引用数の多い論文は、それだけ信頼されている情報だということです。

引用数の確認方法はさまざまありますが、Google Scholar*を使って論文を検索すると引用数が多い順に論文が表示されます。

Google Scholar*:学術的な論文や書籍を幅広く検索したいときに使える無料の論文検索ツール

医療ライターにおすすめ!エビデンスの探し方

医療ライターが記事を書くときに必ず知っておきたいのが、信頼できるエビデンスの探し方です。

薬剤師ライター

今井まいさん

ここでは、おすすめのエビデンスの探し方を紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

診療ガイドラインを検索

一つ目は診療ガイドラインの検索です。ガイドラインは書籍のみで公開されている場合もありますが、Web上で閲覧できるガイドラインもあります。

診療ガイドラインは学会が作成しているものであり、以下のように定められています。

「健康に関する重要な課題について、医療利用者と提供者の意思決定を支援するために、システマティックレビューによりエビデンス総体を評価し、益と害のバランスを勘案して、最適と考えられる推奨を提示する文書。」[1]

引用元:診療ガイドラインの定義-Mindsガイドラインライブラリ
薬剤師ライター

今井まいさん

Web上で診療ガイドラインを検索する場合「Mindsガイドラインライブラリ」での検索がおすすめです。

特定のドメイン・Google検索を利用

特定のドメインを指定したり、Google検索を利用したりする探し方もあります

先ほどお伝えしたとおり、信頼できるエビデンスとして政府機関や国立病院、国立大学のWebサイトがあります。これらの情報は、検索窓で特定のドメインを指定することが可能です。

薬剤師ライター

今井まいさん

「(調べたい単語) site:go.jp OR site:ac.jp」で検索してみましょう。

上記の方法で検索すると、個人ブログやメディアは検索結果に表示されません。政府機関や国立病院、国立大学の情報のみを調べられるためおすすめです。

薬剤師ライター

今井まいさん

ほかには「Google Scholar」というGoogleが提供しているツールも使ってみましょう。

Google ScholarはGoogleアカウントで利用できるため、新たにアカウントを作成する必要がありません。普段行っているような検索の手順でエビデンスが検索できるため便利ですよ。

論文検索用のWebサイトを利用

海外の論文やより多くの情報を探したい場合は、論文検索用Webサイトの利用もおすすめです

医療ライターにおすすめの論文検索用Webサイトは以下の2つです。

  • PubMed(パブメド)
  • J-STAGE(ジェーステージ)
薬剤師ライター

今井まいさん

医療従事者であれば、どちらも学生時代や業務で使用した経験があるかもしれません。

PubMedは、世界の主要な医学系雑誌に掲載された論文の情報を調べられるデータベースです。

概要は無料で閲覧できますが、すべて英語表記です。検索ワードも英語にする必要があるため注意しましょう。

J-STAGEは日本で発表される科学技術刊行物を調べられるプラットフォームです。アカウントを作成しなくても無料で閲覧できます。

すべて日本語で検索や閲覧ができるため、英語が苦手でも使いやすいですね。

エビデンスのある記事が書ける医療ライターになろう

医療・健康系の記事を書くときは、必ず根拠となるエビデンスを調べて記事を書きましょう

納品時はクライアントにわかりやすいよう、参考にした論文等をまとめて記載しておくと良いですよ。

この記事ではエビデンスの探し方を一部紹介しましたが、ここで紹介した以外の探し方もあります。「医療ライターのはじめかた」講座では、記事で紹介した以外のエビデンスの探し方やエビデンスを記事に掲載するときのルールも学べますよ。

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薬剤師ライター

今井まいさん

根拠となるエビデンスの探し方を習得し、信頼できる記事を書ける医療ライターになりましょう。

この記事を書いた人
薬剤師ライター:今井マイさんのアイコン

薬剤師ライター/医療ライター:今井 マイさん

薬学部卒業後、調剤薬局で薬剤師として多くの科の処方を扱い、のべ6万人の服薬指導を経験。患者と話をする中で、誤った健康情報や治療方法が数多く出回っていると実感。正しい知識を知ってほしいという思いで、「難しい専門用語をわかりやすく解説」をモットーに医療ライターとして活動しています。

X(Twitter):https://twitter.com/ma_imaima_i07

今井さんも受講、添削付きオンライン講座「医療ライターのはじめかた」
今井さんも参加中、医療×Webクリエイターコミュニティ「MediWebラボ」

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メディア運営・編集

京薬卒、(株)Medited代表取締役。 医療・取材ライターや医療系介護メディアの編集長業務、キャリアスクールでの講師メンター業などを経て2020年よりオンライン動画講座「医療ライターのはじめかた」メディア「MediJump」の運営を開始。2022年より医療×Webクリエイターの交流コミュニティ「MediWebラボ」をスタート。2023年に法人化し、経済産業省JStarX起業家プログラム等に採択。「医療資格は、ずっと味方」をテーマに活動しています。