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こんにちは!
「医療資格は、ずっと味方」をテーマに医療資格保有者専用の働き方の選択肢を広げるスクールプラットフォームを運営しています、Medi+です!
「医療系取材ライターのはじめかた」講座内課題のペアインタビュー&取材記事をご紹介していきます✨
今回は、薬剤師で取材ライターの岡田なつみさんにお話を伺いました。
本業で在宅をメインとする薬局薬剤師をやりながら、副業で医療系取材ライターをしている岡田さんに、取材ライターを目指したきっかけや今後の展望などについて教えていただきました。
1.薬剤師取材ライター、岡田なつみさんの自己紹介
ーーはじめに、岡田さんの自己紹介をお願いします。
薬局薬剤師をメインでやりながら、副業で医療ライターをしています。
本業では現場だけでなく管理職もやっていて、結構忙しくしていますが、時間を見つけて医療ライターとしても活動しています。
趣味はワインで、ワインスクールにも通い中です。
新卒で大学病院に就職、地域医療に視野を広げて在宅医療の現場へ
ーーそもそも、岡田さんが薬剤師を志した理由は何だったんでしょうか。
薬剤師や医療系の方は、家族も医療職の方が多いですよね。でも、私の実家はまったく関係ない自動車屋でした。
高校3年生の受験に向けた進路選択で、文系か理系かと迷ったときも、どっちかというと国語より数学の方が得意だなと単純な理由で理系に進みました。女性は資格を持って安定した職業の方がいいよね、みたいな。高い志があって薬学部を目指したタイプではありません。
それでも実際に大学に入ってみたら、楽しく大学生活も過ごせて、薬剤師にもなれたので結果的に良かったなと思っています。
ーーあえて薬剤師を目指したわけではなかったんですね。薬剤師になってからは、大学病院に進まれていて、薬剤師としてはしっかりとしたキャリアを積まれている印象があります。
そうですね。付属の病院がある大学に入ったので、他の医療系学部の同級生や先輩の姿を見ていて、就職を考えた時に病院で働いてみたいなと思いました。
病院で働いてみて気づいたのは、特に急性期*の病院は患者さんの入院している姿しか見えないなと……そこで、患者さんとの関わりが深い地域医療*もやってみたいなと思いました。思い立つとすぐ行動してしまうタイプなので、薬局やドラッグストアなどいろんなジャンルに転職を繰り返しています。
ーー現在は在宅医療*を中心におこなう薬局薬剤師の岡田さん。在宅医療に携わることの苦労ややりがいを聞きました。
いろいろなお宅に伺うので、家庭環境にびっくりすることはよくあります。
あと、在宅や終末期*の医療は、急性期とは治療の仕方や医療費のかけ方が異なるので、薬剤師として「こうしてあげたい」と思ってもさまざまな事情でできないとか、もどかしいところもあります。
やりがいを感じるのは、薬剤師の職能を生かし、医師を支えられるところです。在宅になると、訪問医がその患者さんのすべての病気を診るため、専門外の病気を診なければならないこともあります。そういうときに、薬の調整や提案を先生に行っています。
患者さんとのコミュニケーションを大切に
ーー大学病院から始めて、その後は薬局やドラッグストアといった地域に密着したお仕事をされていますね。やはり患者さんとお話しするのが好きですか。
そうですね。今も現場を辞めないのはそれが一番大きな理由かなと思います。
一人暮らしで高齢の患者さんと仲良くなると、「これ持っていきなよ」とお土産にお菓子をいただくこともあります。はじめはありがたくいただくんですが、そのうち段ボールいっぱいのお土産になったり、現金になってしまうことも。
信頼してほしくて、踏み込んで介入することもあるんですけど、行き過ぎると孫みたいに思われちゃったりします。
お買い物してきてって頼まれてしまうこともあったりして……やってあげたいのも山々なんですけど、適度に距離感を保たなきゃいけないですし。難しいところではあります。
ーー岡田さんがそれだけ信頼してもらっている証拠ですね。岡田さんが患者さんと真摯に向き合っていることを知ることができる素敵なエピソードでした。
2.医療系取材ライターになったきっかけは、エッセンシャルワーカー*としての責務と葛藤
ーー取材ライターを志したきっかけは何だったんでしょうか?
友人に他業界の取材ライターがいて、日頃より医療関係のことで相談や質問を受けていました。そのため、医療系の取材記事も目にしたことがあって。こういう人が書いているんだとか、こういう感じで書いているんだと知る機会がありました。実際に薬剤師さんが取材ライターの仕事をやっていることもあるんだよと聞き、ちょっと興味を持ったんです。
そんなときに、薬剤師の友人が病気になって仕事ができなくなってしまったんですよね。
で、働けるまでに身体は回復したんですけど……本人が言うには、薬剤師って頭数揃ってなんぼみたいなところがあるよねと。薬局だと、配置によっては1人で薬局に待機するタイミングもあります。「行きますと言ったけど、やっぱり体調悪くて急に断らないといけないのを繰り返すのが不安で、仕事復帰できない」と言っていました。
ーー医療現場の前線で長年働いてきた岡田さん。知人が体調不良で思うように出勤できないことで、ご自身の働き方も見直したのでしょうか。
それこそエッセンシャルワーカーという形で、8時に家を出て働いて、18時に終業して、それを月曜から金曜まで続けるような働き方しか今まで知りませんでした。
自分が体調悪くなったりしたらどうするんだろう。今までの働き方に不安を感じていたところ、ちょうど同じタイミングで薬剤師の友人が体調不良で休職したのをきっかけに、自分で色々調べて「医療ライターのはじめかた」講座を受講し、副業医療ライターを始めました。
ーーコロナが流行って、エッセンシャルワーカーという言葉が注目されましたね。他者を助けるという大きな使命感もあるなかで、自身や家族を守りたいという葛藤を抱えた方は多かったように思います。
そうですね。今、ちょっとかっこいい感じの理由でしたけど、実は私は海外旅行が大好きなんです。
現場でフルタイムで働いていると休みが取りづらいので、長期休みが取れる働き方をしたいというのも、医療ライターを始めた理由のひとつでした。
ーー確かにライターをはじめとするフリーランスは、仕事も休みも自分で調整ができますね。医療ライターはより自分の人生を楽しむために選んだ手段だったということですね。
実際に医療ライターを始めて、本業に良い変化などありましたか。
今、在宅をメインでやっているんですけど、同じ患者さんと長くお付き合いをしていくことが多いです。そのため、どうしても病気や薬の知識に偏りができたり、薬剤師として新しい情報を得づらくなったりしているなと感じていました。
医療ライターを始めて良かったなと思う点は、記事を執筆するうえでその病気や薬を深堀して調べるので勉強になることです。
この間も、甲状腺や婦人科関連の記事を書くために久しぶりに勉強し直しました。
医療ライターになる前に思っていたのと、ちょっと違うメリットがありましたね。
3.岡田なつみさんがこれから取り組みたい仕事
ーー岡田さんの行動力が素晴らしいですね!最後に、岡田さんが今後やっていきたいお仕事があれば教えてください。
そうですね。今はSEOライティングよりも取材を頑張りたい、取材のほうが楽しいなという気持ちです。
色々なインタビュー記事を読んで思ったのは、取材って自分の知らなかったジャンルの方やスペシャリストの方のお話を聞いて、自分の経験値も上がっていくって、すごく楽しそうで魅力的な仕事だなって。
ーー確かに、自分の知らない世界のお話を直接聞けるのは、取材ライターの醍醐味ですね。
岡田さんの在宅医療で培ったコミュニケーションスキルで、さまざまな取材記事を届けてもらいたいなと思います。
4.ペアインタビューをしてみて:取材ライターの感想
潮見ゆうかさん
とても緊張しました……その言葉に尽きます。
緊張しすぎて言葉が出なかったり、しどろもどろになってしまったり、沈黙の時間ができてしまったりで反省点の多い取材となってしまいました。
インタビュー後はお互いにフィードバックすることで自分では気づけなかった良いところや改善点を知ることができて勉強になりました。
本業が薬剤師で、副業でライターという似た境遇の岡田さんにお話を伺って、自分も頑張ろうと思いました!