INTERVIEW

医療従事者からデータサイエンティストへ。医療×ビジネスの架け橋を目指すRANさん

こんにちは!”自分らしく、楽しく、おもしろく”働く、全国の医療従事者を紹介するメディア「Medi Jump」です。

今回は、医療専門職から未経験でデータサイエンティストに転職し、「医療×ビジネスの架け橋(LAN)になる」をモットーに活躍中のMediWebラボメンバー、RANさんにお話を伺いました。

医療専門職からデータサイエンティストになられた経緯、その後の働き方、医療専門職から一般企業へ転職することの可能性などたくさんお話していただきました!

RANさんの自己紹介

ーーさっそくですが、簡単な自己紹介を伺ってもよろしいでしょうか。

医療専門職として数年働いたのち転職をして、現在は医療専門職のバックグラウンドを生かしながら、データサイエンティストとして主に医療機関や介護施設のコンサルティングを行っています

医療×ビジネスの架け橋(LAN:Local Area Network/ローカルエリアネットワーク)になる」をモットーに、医療の変革に貢献したいという気持ちから、未経験でデータサイエンティストへ転職しました。ネットワークである「LAN」のように、スキルを掛け合わせ医療とITビジネスを繋ぐことができる人材を目指しています。

現在も、医療機関の経営コンサルティング・データ分析を通して、データサイエンスの知識・技術をアップデート中です。未経験からデータサイエンティストになるために必要な資格情報・知識をTwitterで発信しています。

データサイエンティストの仕事内容について

ーーデータサイエンティストを知らない方に向けて、仕事内容の特徴を教えてください。

データサイエンティストは、簡単に言うとエンジニアとコンサルタントの仕事をする人のことです。データサイエンティストは、データを収集・分析した上で依頼者の抱える課題を解決し、解決に必要な手段に技術の力を使って関わります

データをもとに企業にアドバイスすることが多いため、ITに関する知識・技術はもちろん、経営や戦略に関する知識も必要になってくる職業です。

コンサルタントもデータサイエンティストも同じで、経営がうまくいくか、会社がうまくいくか、この事業がうまくいくか、一生懸命考えて提案して、実際に試した後の軌道修正もするなど、クライアントと伴走します。ただ、解決手段にAIやエンジニアリング技術を使うかどうかが異なりますので、そこがデータサイエンティストの強みだと思います。

現在のキャリアに辿り着いた、3つのターニングポイント

ーー医療従事者から医療系データサイエンティストという働き方に転向したターニングポイントについて、お伺いさせていただければと思います。

はい、よろしくお願いします!

①医療職を目指したきっかけは、小学生の頃に読んだ資料集だった

ーーそもそも、RANさんが医療職を目指されたきっかけはどんなことだったのでしょうか。

「人の役に立つこと」は、私にとって小学生の頃から変わらない人生のテーマなんです

小学校の社会科の資料集を読んだとき「海外で活躍する日本人」というコラムを読み、自分の固定概念が覆された衝撃を今でも覚えています。海外の人にも貢献できるんだ!と気がつきました。

海外だったらより大きな貢献ができるかも」とピンと来たことをきっかけに、どんな仕事が海外で役に立てるかを考えました。先端技術よりももっと身近で、人々の生活に必要なものは「健康」です。生命に関わる医療分野なら、開発途上国にも先進国にもいけると思い医療系の大学に進みました。

大学では、海外の医療現場を実際に見たかったので、研修プログラムに応募して途上国と先進国の両方への留学も経験しました。

②海外でも通用する人材になるために、日本の臨床現場を知りたかった

ーー新卒で、医療の臨床現場で働こうと思われた理由について教えてください。

もともとは、海外で医療専門職として活躍したかったので、いずれ青年海外協力隊やJICAに所属して途上国開発に関わる仕事をしたいと思っていました。そのために公衆衛生の勉強もしていました。

しかし、まずは日本で貢献できる人材にならければ、海外では通用しないと思ったのです。日本で現場を知り、実績を作らなければ、海外に行っても自分の価値観の押し付けで終わってしまう。海外でも現場に寄り添った貢献をするためには、まずは日本の医療現場で研鑽を積もうと思いました。

また一般企業に入る前に臨床現場に就職したのは、現場を知った上で戦略提言をしたいと思ったからです。医療現場でミクロな視点を持った上で、都道府県や国などより大きな、マクロな場面でも貢献したい。そう考えて、新卒で医療現場に行きました。

③未経験からデータサイエンティストになろうと思ったきっかけ

ーー医療従事者から、未経験であるデータサイエンティストに挑戦しようと思ったきっかけを教えていただけますか。

医療現場での経験と、大学院での統計の研究経験どちらも活かせる仕事がしたいと考えた結果、医療分野でデータサイエンティストになることが、私の目指す理想のキャリアにぴったりだと感じました

大学院の先輩や同期の多くは、製薬会社の統計解析職に就いていました。しかし、統計解析職は、決められた研究計画に基づき統計学的な分析をすることを専門としているため、その研究の先がどうなったかという点に業務上関わる機会が少なく、研究計画立案をするのもまた別の部署だということを知りました。専門性の高い職種だからこそ、縦割りで業務が割り振られていることが多いと知ったのです。

また医療やヘルスケア分野に関わるコンサルティング会社への就職も考えましたが、統計解析の経験はほとんど必要ないということを知り、やめました。専門性の高い業務を挟みつつ、クライアントや現場がどう変わっていくのか自分の目で見届けられる仕事をしたかったんです

情報化社会になり、医療業界を含めたさまざまな業界での「データを使って分析をしていこう」という世の流れに乗りたいと考えていたときに、データサイエンティストという職種を見つけました。

未経験でデータサイエンティストになる上で、辛かったことや失敗したこと

ーー未経験からデータサイエンティストになる上で、辛かったことはありますか。

データサイエンティストになれば自分のキャリアを築けると思い、ITの基礎知識がないまま就職活動をしたため、会社によっては門前払いされることもありました

ITの知識もなければ、ビジネスの知識もなかったので、就職してからも困りました。社内チャットの内容がさっぱりわからず、返事が来るたびにわからない単語を調べるのですが、返事をするにもそもそものインプットが足りず……。なかなか会話が成り立たずミーティングで先輩方にご迷惑をおかけしたことは、失敗経験でもありますし辛かったことでもあります

これからデータサイエンティストになりたい方は、ITパスポートと基本情報技術者試験と応用情報技術者、データサイエンティスト検定、統計検定などの資格を手に入れた上で就職活動できれば当然有利ですし、仕事をする上でも役に立つと思います。

データサイエンティストに必要なマインドセット

ーーデータサイエンティストに転職されてから感じたことを教えてください。

データサイエンティストになってから、はっきり感じるマインドセットがあります。それは、地道な内容もコツコツやることに平気でいられるか。そこが一番大事だと思います

データサイエンティストの仕事もコンサルタントの仕事も、一見華やかに思えますが、中身は泥臭い地道な仕事の積み重ねなんですよね。どんなに地道な仕事でも腹を括ってできるかが、データサイエンティストの仕事を続けられるかにかかっていると思います。

ーー根気強さが必要となる職種なのですね。
データサイエンティストとしてビジネスに携わる上では、どのような力が重要だと思いますか?

医療専門職から一般企業に転職してから、文化の違いを感じました。医療現場では常識とされるマナーが、ビジネスにおいては駄目なこともあり、医療の現場の特殊さを実感しました

医療機関はどこでも必要とされる機能であり、診療報酬という決められた収益構造が主ですので価格競争が発生しません。さらに、患者さんは、病気になれば自分から病院を受診する方がほとんどです。

そのため、ある意味ではマーケティングをそこまで意識せずとも収益が得られる可能性があるという、特殊な環境にあります。しかしビジネスは、土台が何もないところから事業計画を立て集客して、顧客にとってどう役に立つのかアピールしていく必要があるんです。能動的にはたらきかけていくことが事業計画の前提です。そのため、顧客や取引先との関係は慎重に構築する必要があります。

今後やりたいこと

ーー今後RANさんが挑戦したいことはありますか。

今は、データサイエンティストとして会社に属して知識や技術を身につけていますが、いずれは新しい事業を作る側に回っていきたいです

私は現場のために必要だと思ったことはどんどん挑戦したいタイプなので、いずれは起業や、スタートアップの会社に技術者として参画するキャリアを思い描いています。

世界での活躍を考えると、海外の方と共同でできるビジネスもやりたいです。まだ内容は明確ではありませんが、いずれ仲の良い中国の友達と何か新しいビジネスを始めようと話しています。それを実現化させるためにも、今頑張りたいと思います。

後進の薬剤師や医療従事者に向けてメッセージ

ーーRANさんのように、医療専門職に就職したけど自分の強みや経験を生かしたキャリアチェンジを考えている方に向けて、何かメッセージをお願いします。

医療専門職の方は、「自分は一般企業やデータ分析との親和性が低い」と考える方が非常に多いのですが、全くそんなことはありません。むしろ、医療専門職の強みはビジネスにおいて生かされるべきだと思います。医療機関や研究機関以外でも、自分が必要とされていると感じていただきたいです。

今、医療系ヘルスケア分野にビジネスがどんどん入ってきており、会社がたくさんできています。流行りでもあるし、今まで医療系ヘルスケア分野にビジネスが入ってきていなかったため市場価値が高く、社会貢献性も高い。しかし、医療系のバックグラウンドがない状態で医療系の事業をやっている会社も少なくありません。

医療・ヘルスケア系の会社は、医療分野に専門を持つ方にもビジネスに参画してほしいと思っています。しかし、専門性の高い仕事だとわかっているため、優秀な人材の確保に苦戦する部分もあると思います。

医療従事者側の方々も「ビジネスの領域で働くことは、自分にはできない」と壁を感じてしまっているという、非常にもったいない構造になってしまっています

専門性が高いからこそビジネスの領域にもいける、という逆の発想をしていただきたいです。私自身、現場の声を会社でも意外と求められているんだなと感じています。せっかくビジネスをするなら、現場のニーズに沿った確実な事業計画にしたいと思うのは当然です。

医療現場で働いた方の感覚が必要とされていますので、未来は明るいと捉えていただきたいです。みなさんの中にもし一般企業に行きたいなと思っている方がいたら心から応援しています。

ーーたくさんお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!

RANさんのSNS

Twitterhttps://twitter.com/ranrantech
▼RANさん執筆、データサイエンティストの仕事内容について
【体験談】医療専門職からデータサイエンティストになるには?未経験からの転職

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ライター:えみぞうさん

都内薬学部薬学科4年。大学を1年休学して日本各地を飛び回る。5歳から17年続けているダンスを強みに、旅先で出会った人とダンスでコミュニケーション。旅するダンサーえみぞうとして活動中。人と話すことと深く考えることが好き。「読んだ人の心を動かす記事」を目指して執筆しています。

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ABOUT ME
運営・記事編集:松岡マイ
薬剤師webフリーランス。 医療・取材ライターや医療系介護メディアの編集長業務、キャリアスクールでの講師メンター業などを経て「医療ライターのはじめかた」というオンライン動画講座を運営中。医療×Webクリエイターチーム「MediWeb」運営・ディレクション担当。医療取材メディア「Medi Jump」を運営。Webエンジニアのブラジル人婚約者と海外移住めざして奮闘中。