「YMYL」「EEAT」という専門用語は、医療ライターとして必ず知っておくべき重要な知識です。しかし、あなたはこれらの用語がどんな意味なのか、どうして重要なのか、理解してクライアントに伝えられるでしょうか。
理解不足のままだと、クライアントとの意思疎通がズレてしまったり勉強不足と思われてしまったり、ネガティブな印象に繋がってしまいます。
今回の記事では、初心者医療ライターとして知っておくべき「EEAT」と「YMYL」について、わかりやすく解説していきます。記事を読んで専門用語を知り、今以上に信頼される医療ライターとして活躍しましょう。
YMYLとは
YMYLとは「Your Money or Your Life(あなたのお金、または人生)」の頭文字を組み合わせた略称です。
Googleは「検索品質評価ガイドライン」を定めており、お金や健康など生活に影響を与えるジャンルについて、検索上位とするための評価基準を厳しく設定しています。[1]
YMYLの概念が提唱されたのは2018年頃。過去に美容や健康、医療に関する信ぴょう性の低い記事が多数公開され、大きな問題となりました。
同じ問題が繰り返されないように、Googleは悪質なコンテンツの排除を促進しています。さらに、より質の高いオリジナルコンテンツが上位に表示されるよう、Google検索品質評価ガイドラインに従って厳しく管理しています。
YMYL対象の7ジャンル
YMYLは、7つのジャンルに分類されています。具体的に、どのようなジャンルがあるか知っていきましょう。
①医療・健康・安全の情報
健康や病気、体の不調など、身体と精神の両方に関する情報が該当します。[2]また、病院や薬について、緊急時の備えについての情報やアドバイスも含まれます。[3]
医療ライターは、発信する情報がYMYLの対象であることを、しっかり頭に入れておきましょう。
②ニュースや時事問題の情報
国際的なイベントやニュース、紛争、災害など、行政や公的な機関によって提供される情報が該当。[3]災害発生時の対応についての情報も含まれます。[4]
ただし、スポーツやエンターテイメント、ライフスタイルに関するトピックは該当しません。[3]
③金融の情報
お金に関する情報が該当します。たとえば、投資や保険、税金、ローン、銀行などの情報です。
住宅ローンや学資保険、オンラインでの送金や決済についても含まれます。[3]
④政府や法律の情報
選挙や政府、公的機関や社会福祉、法律についての情報が該当します。離婚や親権、遺言作成などについての内容です。[2]
⑤人種や宗教、国民の情報
宗教や国籍、年齢、障害、ジェンダーに関する情報が該当します。特定の人々に対して、差別的な言葉での攻撃の対策として追加されました。[3]
⑥ショッピングの情報
商品やサービス、決済、返品など購入に関する情報が該当します。
店舗だけでなく、オンライン上のショッピングも含まれます。[1]
⑦その他の情報
その他の情報として、フィットネスや栄養、住宅情報、大学進学や就職など人生の一大イベントに関する情報が該当します。[3]
最新版のGoogle検索品質評価ガイドラインでは、前年度と比較して領域に変更がありました。
たとえば、「国民の情報」の項目のうち「暴力事件の犠牲者とその親族、その他組織的な差別や社会的排除に関連する特徴」が追加されています。
今後もYMYLの対象領域は時代の変化とあわせて拡大していくでしょう。
EEATとは
EEATは、Googleの「検索品質評価ガイドライン」に定められた、検索順位で上位を取るための4つの評価基準です。
Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、TrustWorthiness(信頼性)の頭文字を組み合わせて「EEAT」とされています。[4]
①Experience(経験):コンテンツ作成者自身が実体験や経験を持っている
②Expertise(専門性):Webサイトが、なんらかの専門性に特化している
③Authoritativeness(権威性):コンテンツの内容だけでなく、誰が発信しているか
④TrustWorthiness(信頼性):信用できる情報やサイト、運営者かどうか
EEATの要素を満たすことが、コンテンツの高い評価につながります。
コンテンツを作成する際には、専門性や権威性が高く、読者からの信頼を集められる記事作成をしましょう。
医療資格をもつ医療ライターの記事は、専門性・権威性・信頼性が高いとみなされます。誤った情報共有をしないように、十分注意しましょう。
YMYLとEEATの関係性
ここまでお伝えしたように、YMYL領域ではEEATを意識したコンテンツ作成が必要不可欠です。
実際にGoogleの「検索品質評価ガイドライン」にも「YMYLの分野においてEEATが低いものは評価しない」と明記されています。
医療ライターはYMYLの領域を担当するわけですから、EEATを高める必要があるのは当然となりますね。
Googleによって評価されないことは、検索エンジンによる検索結果で上位表示されないという結果につながります。よって、YMYL領域でEEATを意識したコンテンツの作成は、検索上位につなげるSEO対策を行なっているといえるでしょう。
YMYL領域にてEEATを高める5つのポイント
YMYL領域において、実際にどのようにE-A-Tを高めていくとよいのでしょうか。
YMYL領域でEEATを意識して検索上位に表示されるコンテンツを制作するには、5つの重要なポイントがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
①一次情報を引用する
一次情報とは、国や公的機関、企業が行った調査のデータ、報告書から得た情報や、企業や個人が実際に体験したことから得た考察など、オリジナルの情報のことです。
一方、一次情報の要約や、わかりやすく解説したものを二次情報といいます。
二次情報は、要約や解説をした人の主観が加わるため、一次情報に比べて信ぴょう性にかける恐れがあります。信頼性を高めるためには、一次情報を引用しましょう。[3]
②情報元を明記する
情報元のデータの明記は、コンテンツの情報について正確性が高いかを認識してもらうために必要です。
とくに専門書や論文から得た情報は、コンテンツの専門性や情報の信頼性を高めることにつながります。
また引用元の著者情報の記載も、YMYL領域において情報に詳しい人かどうか判断する基準となります。[5]
③専門家にコンテンツ作成の協力を依頼
より信ぴょう性の高いコンテンツを作成するには、情報の裏付けとして専門家の意見を反映させましょう。
直接専門家に執筆してもらうか、記事の監修をしてもらうことで、専門性、権威性、さらに信頼性の高いコンテンツ制作が可能となります。[1]
④YMYL領域以外のコンテンツを混ぜない
YMYLの領域では、コンテンツのテーマを統一するようにしましょう。
YMYL領域と非YMYL領域のコンテンツが混ざってしまうと、Google側が取り上げているテーマの判別が難しくなります。
すると、EEATの高いコンテンツを作成していても、評価が下がり検索されにくくなる恐れもあるため注意しましょう。[1]
⑤情報を最新の状態にする
情報は常にアップデートしているため、コンテンツ掲載の情報が古いままで更新しなければ、ニーズを満たしているとはいえません。
信ぴょう性の高いコンテンツを維持するために、常に最新の情報へアップデートしましょう。[1]
YMYLとEEATに強い医療ライターになろう
今回は医療ライターが知っておくべき「YMYL」と「EEAT」との関係性と、SEOにおいて重要視されるポイントについて解説しました。
医療ライターはまさにYMYL領域対象のコンテンツにかかわるため、専門性・権威性・信頼性の3つが高い情報を届ける意識づけをする必要があります。
そのためには、日頃から情報元を確認したり、一次情報をリサーチしたりと意識しておくことが重要です。
EEATが高く、YMYL領域に強い医療ライターを目指して常にアップデートしていきましょう!
[1]Google 検索品質評価ガイドライン(10ページ)
[2]Google 検索品質評価ガイドライン(20ページ)
[3]Google 検索品質評価ガイドライン(22ページ)
[4]Google 検索品質評価ガイドライン(27ページ)