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システムエンジニアから看護師へ。「縁joyナース部」サロン運営中のパラレルワーカー、マイマイさん

こんにちは!”自分らしく、楽しく、おもしろく”働く、全国の医療従事者を紹介するメディア、「Pharma Trip」です。

今回は、システムエンジニアから看護師に転身し、その後パラレルワーカーとしてさまざまなお仕事をされているマイマイさんにお話をうかがいました。

システムエンジニアから看護師になった経緯、その後の働き方、オンラインサロン「縁joyナース部」に対する思いなどたくさんお話していただきました。

まいまい

今回のインタビューは、動画としてもまとめています。気になる方は、YouTube動画もぜひご覧ください♪

看護師でありパラレルワーカー、マイマイさんの自己紹介

写真提供:マイマイさん

ーー早速ですが、自己紹介をよろしくお願いいたします。

町田舞と申します。パラレルワーカー5年目になります。

私の最初のキャリアは、システムエンジニア(SE)でした。
IT系の会社で働いていましたが、3年目で心身共に疲弊してうつ病になり、休職を経て4年目に退職。転職が決まらずフリーターになり、この先どうしようかと迷っているときに、病院の看護助手の求人を見つけて医療の世界に入りました

看護助手として病院で働いていた時、看護師さんに「看護師になったら?」と声をかけてもらいました。それをきっかけに働きながら看護学校に通い、看護師資格を取ったという経緯になります。

看護師の仕事は好きでしたし、「自分は福祉関係が向いているな」と思っていました。
しかし、医療職の方の疲れている姿、患者さんの様子などいろいろな状況も目の当たりにしていて。医療現場に疑問や葛藤を感じ、しばらくして病院の看護師を辞めました。

看護師を辞めた後、ブログやSNSで発信をしていたら、WebライターやSNS広報、ホームページやチラシ作成などいろいろな依頼をいただくようになりました。システムエンジニアと看護のスキルを組み合わせたお仕事をするようになり、徐々にパラレルワーカーの形ができて今に至ります。

人生を考えたきっかけ/ターニングポイント

写真提供:マイマイさん

ーーマイマイさんの人生のターニングポイントを教えてください。

最初のターニングポイントは、20代後半ごろに看護師を目指し始めたこと。病院で働きながら看護学校に通い始めた時です。
とても楽しかったですし、病院で高齢者と接する中で「看護って私の性格に向いているな」と光が差しました

ですが、医療のあり方や医療者の働き方に疑問を感じ、当時勤めていた病院を退職。
看護師を辞めてその先どうなるかわかりませんでしたが、結果的に今パラレルワーカーとして働けているので、人生って動いてみるものだなと思いましたね。

第2のターニングポイントは、会社や組織への所属を辞めて、1人で外に飛び出したことです

組織で働くことから離れていろいろなことにチャレンジするうちに、人間関係も見える世界もとても広がったんです。人生ってこんなに選択肢があるんだ、多様な人や世界があるんだと感じました。
30歳を過ぎてからの経験でしたが、何歳からでも人生って変えられるんだなとどんどん楽しくなりました。

辛かったことや失敗したこと

写真提供:マイマイさん

ーー人生において、辛かったことや失敗したと感じることはありましたか?

私の人生は失敗だらけで、順調だったことがありません
生まれてから25年間、人とうまく関われませんでしたし、「うまくいく人生って何?」と思うほどでした。その状況が、ずっと辛かったです。

最初はなんとか会社員として働いて、しがみついていましたが、心身ともに疲弊して退職を経験しました。その後のフリーター時代はお金もなく、やりたいこともスキルもなく、友達もほとんどいなかったため大きな孤独感もありました。最初の25年間は、焦りや孤独を感じる体験が多かったです

しかし、今となっては辛い経験があってよかったなと思っています。
看護助手として働いていた時に、患者さんが自然と心を開いてくれたり、安心すると言ってくれたり、感謝されたりという体験をしました。
自分がたくさん痛みを経験したことで、人に寄り添うという感性が磨かれていたのかなと思います

相談を受ける際にも、自分が苦しんでいたからこそ伝えられる言葉があると思います。
過去の辛かった経験を乗り越えたことが、今の自分の基盤になっていると感じていますね。

あとは、苦労が多かったので、ちょっとしたことでへこまず転んでもすぐリカバリーできるようになりました。タフになっていると思います!

正社員とフリーランスを組み合わせた働き方とは

写真提供:マイマイさん

ーーマイマイさんは、現在どのような働き方をされているのでしょうか。

以前まではフリー・複業の比重が多い生活をしていたのですが、今年の1月からは、地域密着型の介護の会社で時短正社員として週4日勤務を始めました。他にもWebライターや、看護師のオンラインサロン「縁joyナース部」の運営もしています。

今の会社で4月から訪問看護ステーションが立ち上がるので、週4勤務のうち週2日は看護師、残りの2日は広報業務や地域の活動という配分で働く予定です。

ーー臨床の現場でも働きながらITのお仕事もされているという形なのですね。

高いITリテラシーが、仕事に活かされている

ーーシステムエンジニアの経験が、現在のお仕事に活きていると感じることはありますか?

システムエンジニアの特殊な技術を活かす場面はあまりありませんが、”IT業界で働いた”経験はいろいろな場面で活きています。普通の人よりITリテラシーが高いことが、強みになっていますね。ITに詳しい医療職は珍しいらしく、会社でも「この業務できる?」と相談されることも多いです。

医療や福祉の業界にいると、パソコンやITツールが苦手な方・苦手意識を持っている方が多いなと感じます。WordやExcelの使い方、Zoomのつなぎ方などちょっとしたことを教えるだけで、とても感謝されますよ。

パソコンを使うことは怖くないよ、高齢者の方にもパソコンを使うことで人生楽しくなるよ、とお伝えしていきたいです。

パラレルワーカーの1日スケジュール

ーー会社員としてもフリーランスとしても多忙なマイマイさんですが、どのようなスケジュールで過ごしているのでしょうか?

現在は会社員として、1日8時間で週4日勤務しています。それに加えて、Webライター業務とオンラインサロン「縁joyナース部」の運営を行っています。

月曜日から木曜日は会社員として、SNS更新やチラシ、パンフレットデザインなどを作成。金土日は記事作成など、フリーランスとしての個人業務をしています。

休息や自由な時間を確保したい時は、Googleカレンダーに”休む”という予定を入れていますね。土日遊びたい時は、金曜のスケジュールに”○○を仕上げる”と書いて調整しています。

マルチタスクへの考え方

ーーオンラインサロン「縁joyナース部」の運営、会社員、記事執筆とたくさんの業務を伺いましたが、マルチタスクをこなすコツはありますか。

会社員の仕事(月〜木曜日)は時間がきっちり決まっているので、業務時間中は会社の仕事をしています。
フリーランスとしての仕事は、Googleカレンダーを用いて時間単位で記入し管理しています

メッセージを返す時間はここ、日曜の業務はこれ、この時間になったら出かけるなど、「何時から何時まで」と区切ってGoogleカレンダーで管理しています。

ーーマルチタスクというイメージではなく、「たくさんのシングルタスクを、集中して時間単位で稼働している」というイメージですね。

オンラインサロン「縁joyナース部」運営への思いとは

写真提供:マイマイさん

ーーオンラインサロン「縁joyナース部」を立ち上げた理由や思いについて、教えていただけると嬉しいです。

私が病院を辞めた理由の1つは、医療を提供する医療者が疲弊してしまう仕組みや現状に疑問をもったことでした

医療者でないシステムエンジニアから看護師になったこともあり、看護師の仕事ってとても尊いなと感じています。そんな看護師さんが疲れて辞めていくことや、人間関係がギスギスしてしまうのは、環境の問題が大きいのではと思ったんです。看護師さんに元気に働いてほしい、働く女性が幸せであってほしいと考えていました。

病院を辞めてブログやSNSで発信をはじめた時、現在オンラインサロン「縁joyナース部」を一緒に運営しているあやかさんと出会ったんです。2人とも同じブロガーで、看護師という仕事に対して似た疑問を感じていました。

そして、あやかさんと「いろいろな看護師の話を聞きたいね」と10人程度の看護師限定交流会を開催したんです。飲み会で悩みを聞き、看護師の皆さんが同じような理由で疲弊しながら働いていることに気がつきました

人生を楽しみつつ看護や仕事も楽しめるように、同じ思いをもつ者同士が情報交換できる場所が欲しいなと思って活動していたら、自然とコミュニティができていきました。
うまくいかなければやめようという気持ちでスタートしましたが、結果的に今も続いている状態ですね。

仲間がいたから続けてこられたと思います。
初期からのメンバーは家族のような感じですし、運営していてよかったなと思います

業務を分散し、余力があるから継続できる

ーー対人関係が苦手な方がコミュニティ運営を行うと、ご自身が疲弊してしまうのではと感じました。マイマイさんはgive精神がとても強い方だなという印象なのですが、コミュニティ運営で工夫していることはあるのでしょうか。

寄り添いすぎて疲れてしまうことは多々ありました。
看護師のコミュニティ「縁joyナース部」は、一緒に運営をスタートした相棒のあやかさんがいるから、続けられています。

「与えたい」という気持ちがあっても、自分の余力がないとキャパシティが足りなくなってしまいますよね

私の場合、看護師の仕事は好きですが、フルタイムで夜勤もしながらという働き方だと相手に寄り添いすぎて余力がなくなってしまいます。好きな仕事でも、全ての力を注いでしまうと仕事自体を嫌いになってしまうかもしれません。

”複業”に行き着いたのは動いてきた偶然の結果でしたが、好きな仕事をやりすぎずに続けるためのリスク分散・ストレスマネジメントの意味でも良かったですね。私は結果的にパラレルワークという働き方になりましたが、複業での業務分散によって、うまく息抜きできているなと思います

サロン運営で工夫している部分

写真提供:マイマイさん

縁joyナース部」の運営は、常に考えて改善しています。
工夫という意味では、人が集まりすぎても手が回らないので、有料にしてよかったですね。

たとえば、今は最初の申し込みがあった時に、zoomで一度お話ししています。
コミュニティの説明やコミュニティでできること、できないことなどをお伝えして、何を求めているのかヒアリングした後、他メンバーへつないでいます。

合わない環境にはいるのは、参加者も運営もお互いにしんどいですよね。
個々のキャラクターがわかると、他メンバーに「こういう人ですよ」と紹介しやすくなりますし、目標の近い人とつなぐこともできています。

縁joyナース部の軸は「自分らしさを追求すること」

ーー「縁joyナース部」の運営で大切にしていることを、教えていただけますか。

メンバーが卒業していくとき、最初は「辛い、寂しい」と思っていました。
でも、「関わったことで次のステップに行く、その人が幸せになっていくならそれでいいよね」と思えるようになり、私自身がコミュニティに縛られなくなりました

「縁joyナース部」は、通過点であり、戻ってくる場所でもあり。こうやって人って関わりあいながら生きていくんだなと思っています

目の前のメンバーに対して「どうなったらこの人は幸せなんだろう」と考えて関わっていますね。試行錯誤を重ねて、現在は自然にコミュニティが回っていく状況になりました。

ーーコロナ禍もありオンラインサロンが増えていますが、マイマイさん達のサロン「縁joyナース部」は目の前の人を大切にするという軸があるからこそ、いい循環が生まれているんだなと感じました。

少しずつそうなっていきましたね。

サロンを通して、看護師+αの仕事や活動をするとか、必要であれば転職をするという行動にもつながったらいいなと思います。でも、いろいろと選択肢を広げたことで「焦って行動しようとしたけど立ち止まれた」「今の仕事の良さに気付いて前より楽しく働けるようになった」という結果があってもいい。

自分らしい幸せを追求して、人それぞれ違う幸せの形をみつけていってもらえたら嬉しいですね

今年は挑戦し、やりたかったことを叶える1年に

写真提供:マイマイさん

ーーそんなマイマイさんが今後挑戦したいこと、やりたいことはありますか。

今年がちょうど、今までやりたかったことに挑戦する年なのかなと感じています。

以前から、地域活性化についてや、支え合える世界っていいなと思っていました。
3年ほど今の町に住んで、町の人と交流し、この町なら自分のやりたいことができるかもと考えています。今勤めている会社も、町の人からの紹介がきっかけでした。

看護師でもあり、パソコン屋さんでもあり、町を愛する人でもあり。そんな人間として、サポートしていきたいと思います

そして、実は今YouTubeアカウントを作成して、動画を撮影しているんです。
コミュニティや看護師以外の人からも悩み相談を受ける中で、「いつも同じアドバイスをしているな」「悩みの根っこはみんな同じだな」と気がつきました。

生きづらさ、自分らしさがわからない、世間の常識に縛られているという悩みが多いなと。それらに対する思いをまとめて収録し、見てもらうことで、変化するきっかけになれたらと思います。

動画は今だけでなくずっとWeb上に残っていくコンテンツなので、同じ悩みを持っている人に少しでも光を届けられたらいいなと思います

現状に悩む、看護師や医療従事者に向けて

写真提供:マイマイさん

ーー後進の看護師さんや医療従事者に向けてメッセージをお願いします。

看護師って、こうあるべきという固定観念が強い世界だと感じています。
たとえば、就職したら急性期に3年いるべきだと言われていますし、私もそれが当たり前だと思っていました。しかし、結果的には退職し、より自分に合った働き方ができています。

「これがスタンダード」とされるものに違和感を感じているけれど、縛られて離れられない人もいます。苦しいのに続けていると、自分に自信をなくしてしまう人が多いですよね
同じ看護師でも病院、訪問看護、施設、クリニックなどいろいろな環境がありますし、働く人や雰囲気は、環境によって全然異なります。
私は、退職して試行錯誤しているうちに自分に合う働き方が見つかったので、今の働き方が合わなくても「看護師」という職業に絶望しないでほしいなと伝えたいです

医療職は、資格職なので一度休んでも復職しやすいと思います。働き方についても「フルタイム勤務だけが働き方じゃないし、辛いときは逃げたり休んだりしてもいいんですよ」とお伝えしたいです。資格は人生のお守りにも、働く為の武器にもなります。上手に資格を使いながら、自分の人生を楽しんで欲しいです。

システムエンジニアからキャリアチェンジして看護師になり、「看護師や医療者の尊さ」を感じた私のエゴかもしれませんが、医療者こそ「自分の幸せを患者さんにおすそ分けできるくらい満たされながら、自分のエネルギーを枯渇させずに、無理せず働いてほしいな」と思っています

ーー「自分を満たしたうえで、相手におすそ分けしていく」という考え方が、人生を楽しむことにもつながるのですね。本日は、どうもありがとうございました。

まいまい

今回のインタビューは、動画としてもまとめています。気になる方は、YouTube動画もぜひご覧ください♪

(インタビュアー/記事編集:松岡マイ、ライター:中川あや)

この記事の執筆者

薬剤師ライター:中川 あやさん

大阪薬科大学卒。地元の調剤薬局で薬剤師として従事する傍ら、ライターにも挑戦。
”いつでもどこでも働ける”を目指して自分の働き方を模索中。「読んだ後、その先の行動へつながる記事」を目指して執筆しています。

SNS(X):https://twitter.com/laugh_a_a
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メディア運営・編集

京薬卒、(株)Medited代表取締役。 医療・取材ライターや医療系介護メディアの編集長業務、キャリアスクールでの講師メンター業などを経て2020年よりオンライン動画講座「医療ライターのはじめかた」メディア「MediJump」の運営を開始。2022年より医療×Webクリエイターの交流コミュニティ「MediWebラボ」をスタート。2023年に法人化し、経済産業省JStarX起業家プログラム等に採択。「医療資格は、ずっと味方」をテーマに活動しています。