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歯科衛生士inフィンランド!医療資格を武器に憧れの国で生活する、まりりんさん

医療系資格を活かしつつ、海外で働く……そんな夢を持っている方も多いのではないでしょうか? しかし実際のところ、何から始めればいいのか、どんなことならできるのか? たくさんの疑問も浮かびます。

今回お話を伺ったまりりんさんは、大好きなフィンランドで暮らす歯科衛生士!
そこに至る道のりやこれからの夢など、たっぷりお聴きしました。

まりりんさんの自己紹介

ーー早速ですが、まりりんさんの自己紹介をお願いします。

歯科衛生士のまりりんと申します。
専門学校を卒業後、 臨床の歯科衛生士として10年、そのあと1年ワーホリ(ワーキングホリデー=18~30歳を対象とした海外で就労しながら1~2年滞在可能な制度)でニュージーランドに行きました。帰国後、2年間臨床で歯科衛生士として働いたのち、約2年間ある企業で歯科衛生士として勤務しました。

その後個人事業主として医療ライターを始め、今は大好きなフィンランドに移住して1年ほどが経っています

ーー今の自己紹介を聞いただけでも、たくさんの経験をされてますね!
歯科衛生士を目指したきっかけを教えていただけますか?

10代の頃、自分も歯の矯正をしてたんです。高校生になり進路に悩んだ時に、親から「矯正で歯医者さんに関わって良い思い出があるんだったら、今度は自分がやる側に立ってみてたら?」っていうアドバイスをもらって。それで「面白そうだな!」と思って歯科衛生士の専門学校を見に行ったのがきっかけです

ーー矯正歯科での良い思い出があるんですね。

はい、実は最初に行った大学病院では私の歯並びだと治らない可能性があると言われてしまって。「この1本は治らない可能性があるかもね」みたいな。デメリットを強く言われてしまいました。

でも、その後行った歯医者さんは「いや、大丈夫です。ちゃんと動くと思うのでやってみましょう」と前向きな意見をくれて、それで挑戦できたんです

ーー悩んでいるときに一緒に考えてくれて、力強い言葉をもらえたら、素敵な思い出になりますね。

臨床だけではない!歯科衛生士としての働き方

企業で働くまりりんさん

ーー歯科衛生士のお仕事の中でも、いろいろとご経験されてますよね。その中で良かったことや働き方について教えていただけますか?

10年以上同じところに勤めている方もいますが、基本的に私はストレスを抱えて働きたくなくて。どうしても「ちょっとここは妥協できないな」とか、「ストレスが溜まるな」と思うと、もう転職を考えるんです

そうやって働いてきて感じるのは、臨床に出て1年目の歯科医院ってすごい大事だなってことです。新人の子が入ってきた時に「新卒でここに入ってよかったな」と思ってもらいたいと思ってて。やっぱり最初の歯科医院が、それぞれの歯科衛生士人生を決めるんじゃないかと思うんです。
私が初めて勤めた歯科医院はすごく先輩にもシステムにも恵まれてました。ちゃんと 歯科衛生士の担当枠があって、担当する患者さんも決まってて、1時間しっかり患者さんに向き合えて……。スケーリング(歯に付着した歯石等の除去作業)がきちんとできる環境がある歯科医院だったので予防歯科の魅力や自分が患者さんと対応する楽しさっていうのをしっかり教えてもらえました

ーーそこで臨床の楽しさの根っこを知れたんですね。一方で、転職して企業でも働かれていますね。

はい。デンタルショーっていう歯科業界の企業の展示会に行ったとき、企業ブースで商品の説明をしてる方の中に「歯科衛生士」の名札を付けてる方がいたんです。歯科で扱う道具ってたくさんあるんですが、企業で働く歯科衛生士として、専門的な器具の違いの説明や成分のアピールをしてて。そんな働きかたもあるんだ!と驚いたんです

自分が専門学校を卒業して就職活動した時って、歯科衛生士は歯科医院でしか働けないんだと思ってたんですが、参加したデンタルショーで「歯科衛生士も企業で働ける」という選択肢に気づきましたいつか企業側の歯科衛生士としても働いてみたいなって思うようになって、転職活動する時は必ず企業の求人も見るようになりました。

参加したデンタルショー

ーーその頃から歯科衛生士として働く視点を広く持ってたんですね。

そうですね。そうやって転職していく中で、タイミングよく企業で歯科衛生士として働くチャンスをもらえた感じです

ワーホリへ行ったきっかけ

ニュージーランドのテカポ湖

ーーワーホリへ行くことになったきっかけをお伺いしたいです。

ちょうど30歳になる手前に「 今だからできることはないかな」って考えていました。そんな時に、「そういえばワーホリのビザって30歳までしか取れないんだ」と気づいたんです当時働いていた歯科医院がちょっと働きづらかったけれど、辞めるために言いやすい理由がないなと思ってて。ワーホリなら前向きだし分かりやすい理由にもなるな、っていうのがきっかけでした

ーー前向きな理由だと、伝えやすいですよね!

はい!それをきっかけにどこの国が良いのかやどんな違いがあるのかなどいろいろ調べて、ワーホリに行く決断をしました。

ーーフットワークが軽いですね!たしか、ワーホリはニュージーランドに行かれたんですよね。

はい。1件目の歯科医でお世話になった歯科衛生士さんがバンクーバーにワーホリに行かれていて、 先輩のところへ遊びに行ったことがあったんです。すごく私の人生に影響を与えてくれた先輩で、それもワーホリに行くきっかけになりました。それ以来1人で海外旅行にも行くようになりましたね。

ーー先輩の存在やニュージーランドへのワーホリが、今フィンランドにいる礎なんですね。

ですね。あとは、ヨーロッパの街並みが好きなんです
専門学校時代に海外研修があって、そこでヨーロッパの街並みに感動したんです。それとワーホリ中に隣国のオーストラリアにも旅行へ行ったんですが、メルボルンにはイギリスの建物や街並みが残ってて。「こういうヨーロッパっぽい街が、私は好きだな 」と強く感じました

ーーそうなんですね。
では、何がきっかけで、「フィンランドにしよう!」と思われたのでしょうか?

音楽ですね! 高校の時から洋楽を聴き始めて、ロックが好きなんですが、フィンランドのあるバンドが洋楽ヒットチャートにランクインして、そこからハマってしまって「他にどんな音楽があるんだろう?」っていろんなフィンランドのバンドを聴くようになったんです。 とあるロックバンドをめっちゃ好きになって、追いかけてフィンランドに来ました(笑)。
それに、オーロラもずっと見たいなって思ってました。私の住むヘルシンキは1番南なので、まだ見れてはいないんですけどね。でもフィンランドにいる間にオーロラを見れたらいいなと思ってます。

フィンランドでの働き方

フィンランドのヘルシンキ大聖堂

ーー今、1年ほどフィンランドで過ごしながらオンラインで医療ライターもされてるということですが、それはやっぱり海外に行ってる間のお仕事として始めたのでしょうか?

そうですね。コロナが流行しはじめて、海外旅行へ行けなくなってストレスが溜まってしまって。「もうこれは仕事を辞めてでも海外に行くしかない」と思った時に「次は絶対フィンランドに行く」って決めてたことを思い出したんです

ーー海外旅行へ行けないストレスが、フィンランドに行くきっかけになったんですね。

ええ。でも実は30歳を超えるとビザの選択肢があまりなかったんです。30歳まではワーホリビザやオペアビザ(住み込みで子供の世話をして働きながら、語学学校へ通うためのビザ)など色々あるのですが……。

30歳を超えても取得できるビザの1つに「自営業ビザ」というのがあるのですが、自分で何か仕事を持ってたら取りやすいだろうなと、ビザの取得方法を考え始めました。

さすがにすぐ現地で働くのは無理だろう、とは思ってたので、フィンランド滞在中の収入を考えて「オンラインでできる仕事ってないかな」って探して。そんな時に Medi+代表のまいまいさんと共通の知人から「医療ライターはどう?」って言われたんです。歯科衛生士の資格を活かしてオンラインで働ける医療ライターというのを1度勉強して、向き不向きっていうのを知っておきたいと思って「医療ライターのはじめかた」講座を受講しました

まりりんさんが受講した、初心者向け医療ライター講座「医療ライターのはじめかた」について詳しく知りたい方はこちら👇
https://medi-jump.com/iryouwriternohazimekata/

▼まりりんさんの講座卒業制作はこちら👇
【歯科衛生士がオススメ】ホワイトニング歯磨き粉の選び方

▼講座卒業後、まりりんさんに執筆いただいた記事はこちら👇
医療ライターにも必要な「質問力」とは?スムーズなやり取りで信頼度を高めよう
潜在ニーズと顕在ニーズを知ろう!初心者医療ライターが意識すべき3ポイント

海外で暮らすために、オンラインスキルを取得

ーー医療ライターを始めるきっかけは、海外移住だったんですね。今、医療ライターの他に、日本語教師もされてるとか。

はい。同じきっかけで、日本語教師も「オンラインでできるじゃん」と思って。でも中途半端にはやりたくないので厚生労働省がちゃんと認めてる養成講座に通って講師になりました

なので今はオンラインで日本語教師をやったり、歯科衛生士の人向けのスライド作成をしたりしてます。すべて「オンラインでできることを色々やってみよう」という感じで始めたのがきっかけです。

ーー日本にいる間に、どこでも生きていける術を身につけていったんですね。

実は医療ライターの勉強は、フィンランドに滞在しながら隙間時間で学びました。時間はいっぱいあったので

ーーなるほど、オンライン講義だと滞在してからでも学べるんですね。フィンランドで生活しながら、オンラインでお仕事をすることの大変さはありますか?

そうですね。医療ライターやスライド作成の仕事は時差がある分、日本では深夜の間に稼働ができるというメリットもあれば、日本の時差に合わせて1日早めにやらなきゃっていうデメリットもありますね。

あとは連絡取るタイミングとか。時差には常に気を使いますね

ワークビザ取得で歯科看護師*に

バンクーバーに先輩を尋ねて

ーー確かにそうですよね。現在、お仕事はオンラインがメインでしょうか?

実は……フィンランドでワークビザを取得することができまして。

ーーわぁ、おめでとうございます!

ありがとうございます!

なので今は歯科助手の仕事をメインにしてフィンランドで働いてます

ーーしかもちゃんと歯科のお仕事! どうやってお仕事を探したんですか?

日本での歯科衛生士資格は海外では 通用しません。でも11年は臨床経験があるっていうのを履歴書に書きまくってそうしたら「歯科での経験があるなら」と今の歯科医院さんが言ってくれました。

ーー経験のアピールが大事なんですね!医療ライターの提案文とも少し似ている気がします。
海外で働くとなると言葉の壁が気になりますが、フィンランド語でお仕事するのでしょうか?

今働いている歯科医院はインターナショナルな医院で、基本的にスタッフは英語で会話します。スタッフ間は英語、患者さんとはフィンランド語って感じです。

ーー英語だけでもすごいのに!

英語でも「もう1回言って」っていっぱい言われますよ(笑)。

ということで、一応メインの仕事は「歯科看護師 」、その空き時間で医療ライターと日本語教師。依頼があれば歯科衛生士向けのスライド作成とか……でも最近、パワポ作成は衛生士にこだわってもないですね。いろいろ作成してます。

歯科看護師*:日本では歯科助手にあたる職務

フィンランドで歯科看護師として……今後の展望

フィンランドの景色(タンペレ)

ーーいろんなスキルを合わせて、現地でお仕事してらっしゃるんですね!
いずれはフィンランドの歯科衛生士の国家資格取得が目標でしょうか?

そうですね。長期展望にはなるんですけど、せっかく歯科看護師としてフィンランドで働くことができたので、 ワークビザ(1年が期限)の更新許可が出れば歯科衛生士の国家資格取得に挑戦したいですね。その為にも少しずつフィンランド語を勉強しています。

それにフィンランドは日本ではすごい予防歯科の先進国ってイメージあると思うんです。

ーー確かに「キシリトール」の国ですよね。

そうそう(笑)。でも実際現場に入ってみると「確かに先進国だ!」ってところも「やっぱ違う」ってところもあります。そういうところを自分の目で見て、 何かもし提供できるものがあるなら、今後自分からも発信できればと思ってます

ーーそれは歯科衛生士さんとしても素敵ですし、医療ライターとしても需要がたくさんありそうですね!

好奇心と行動力を大切に!

インタビューの様子

ーー最後に、新しいことに挑戦したい人に向けてのメッセージを聞かせていただけますか。

 本当に面白そうと思ったら1度やってみることですねやらなかった後悔よりやった後悔っていうのは私の中でずっとあります。なので医療職メインでいろいろやってみて、 合わないなら、また別のことを見つければいいなと思うし。自分が「この仕事合ってるな」って思えたら、専門的なことに向けて勉強して……っていう挑戦ができるのも医療系のメリットなのかな

医療系でもなんでも、興味を持ったことを始めるのって、お金も時間もかかります。でもそういうネガティブなことで諦めるんじゃなくて「とりあえずやってみよう、やって無理だったらやめよう」っていう考え方を常に持ってほしいです。ブレブレは良くないかもしれないですけど(笑)。「 やってみたいな」ということに対して、まず飛び込んでみる。私もワーホリや 海外旅行、講座の受講など「なんか面白そうだな、やってみよう」みたいなのを本当に色々やってきたからこそ、自分の今の歯科衛生士としての人生があるので。とことん自分のやりたいことを突き詰めるっていう精神は大事なんじゃないかなって思います。

ーーお話を聞いてると、学びや経験に貪欲ですよね。

そうですね。その中の1つに医療ライターもありましたし、日本語教師もありました。
自分に合うものを見つけるには、やってみるしかないですね!

ーーやってみて、全てお金を得るレベルまで学んだのが本当に素晴らしいですよね!

海外で暮らすことと、医療資格を活かして働くことを両方叶えたまりりんさん。
お話を聞きながら、夢見るだけで終わらずとにかく行動に移すことの大切さを強く感じました。
更なる夢に向かって行動し続けるまりりんさんに、これからも注目です!!

この記事の執筆者

臨床検査技師ライター:森居 あんみさん

大学病院で働く臨床検査技師。脳神経超音波検査士。医療系ライター・ブロガーとしても活動中。出没スポットは本屋・居酒屋・水族館。読みやすさ、正確性、そして「最後まで読んでもらえること」を大切に、記事を執筆いたします。

ご依頼・お問い合わせは、メールアドレスまたはXのDMにてお気軽にどうぞ!

X(Twitter):https://twitter.com/anmi_morii44
ブログ:https://anmi-morii.com/
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森居さんも受講、「医療系取材ライターのはじめかた」講座とは?
森居さんも参加、医療×Webクリエイターコミュニティ「MediWebラボ」とは?

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メディア運営・編集

京薬卒、(株)Medited代表取締役。 医療・取材ライターや医療系介護メディアの編集長業務、キャリアスクールでの講師メンター業などを経て2020年よりオンライン動画講座「医療ライターのはじめかた」メディア「MediJump」の運営を開始。2022年より医療×Webクリエイターの交流コミュニティ「MediWebラボ」をスタート。2023年に法人化し、経済産業省JStarX起業家プログラム等に採択。「医療資格は、ずっと味方」をテーマに活動しています。