病院や施設で理学療法士として働くなかで「この働き方をこの先もずっと続けられるだろうか」と考え、在宅ワークに興味を持つ方もいるでしょう。
理学療法士も、医療知識や患者さんへの説明力、多職種との調整力などに新たなスキルを掛け合わせることで、在宅ワークに取り組めます。
医療ライティングや取材、医療広告デザイン、医療福祉系メディア運営など、在宅ワークの選択肢はひとつではありません。また、臨床を続けながら副業としてはじめ、少しずつ経験を積む方法もあります。
薬剤師ライター河村友絵さん
本記事では、理学療法士の経験を活かせる在宅ワークと必要なスキル、未経験から段階的にはじめる方法を、実際の事例とともに紹介します。
理学療法士も経験を生かして在宅ワークができる


理学療法士のなかにも、資格や臨床経験を活かして在宅ワークに取り組む方もいます。
働き方では、企業に所属して在宅勤務をするだけでなく、業務委託で案件を受注する方法も珍しくありません。本業を続けながら、まずは副業としてはじめ、収入や案件数が安定した段階で、在宅ワークを本業にする人もいます。
一方で、収入を大きく増やすことを目的とせず、本業が休みの日や空いた時間を活用して、副業として続ける方も少なくありません。
このように、目的やライフスタイルに応じたさまざまな働き方があります。
理学療法士の資格・経験を活かせる在宅ワーク


理学療法士の資格や臨床経験を活かせる在宅ワークには、医療ライターやデザイン、メディアディレクションなどさまざまな仕事があります。
ここでは、それぞれの仕事内容や、理学療法士としての経験をどのように活かせるのかを紹介します。
医療情報を文章で届ける仕事|医療ライター・取材ライター
医療ライターや医療系取材ライターは、医療・健康に関する情報を文章で届ける仕事です。理学療法士として培った医療知識や説明力、傾聴力などを活かせます。
医療ライターには、読者の悩みや検索意図を踏まえた構成力、SEO*の基礎知識、正確な情報を調べる力が必要です。医療系取材ライターには、相手の話を引き出す質問力や、取材内容を整理して記事にまとめる力が求められます。
SEO*:「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」の略で、Googleなどで検索した人に、自分たちの記事やサイトを見つけてもらいやすくする取り組み
医療情報を視覚的に届ける仕事|医療広告デザイン
医療広告デザインは、医療機関やヘルスケア企業のバナー、SNS画像などを制作する仕事です。患者さんへの説明で培った情報をわかりやすく伝える力を活かせます。仕事には、文字の配置や配色などの基礎知識や、CanvaやFigmaなどのデザインツールを使って目的に合った画像を制作するスキルが必要です。



河村友絵さん
まずはSNS画像やバナーを作る練習からはじめるのも良いでしょう。
医療コンテンツを企画・管理する仕事|編集・メディアディレクション
編集は、記事の誤字脱字や内容を確認し、読者にとって読みやすい記事に仕上げる仕事です。文章を正確に読み取る力や、読者の目線に立って欲しい情報が盛り込まれているかなど内容を改善する力などが求められます。
メディアディレクションでは、記事の企画や構成作成、医療ライター・デザイナーへの依頼、進捗管理などを担当します。複数のスタッフと連携するコミュニケーション力や、企画・進捗を管理するマネジメント力が必要です。
多職種との連携や新人教育で培った説明力や調整力は、理学療法士の強みのひとつです。このような経験は、編集やメディアディレクションの仕事でも活かせるでしょう。
オンラインで健康を支える仕事|健康相談・運動支援
臨床で行っていた運動指導やアセスメントの知識を活かし、オンラインで健康相談や運動支援する仕事があります。
ビデオ通話などを使って、利用者の身体の状態や生活習慣を知り、一人ひとりに合わせた運動方法を提案したり、継続的な運動をサポートしたりします。理学療法士として培った、身体の状態を評価する力や、相手に合わせて運動方法をわかりやすく伝える力を活かせるでしょう。



河村友絵さん
ヨガやピラティスなどの資格を取得し、運動指導の幅を広げている方もいます。
ヘルスケアサービスを支える仕事|企画・運営・カスタマーサポート
先ほど紹介したオンラインでの健康相談や運動指導、リハビリなどのヘルスケアサービスを、企画・運営面から支える仕事もあります。
たとえば、利用者からの問い合わせ対応や予約のサポート、利用状況のデータ集計、サービスの改善提案など、業務内容は多岐にわたるのが特徴です。医療・健康に関する知識を活かしながら、利用者の声をもとにサービスをより使いやすくする役割も担います。パソコンを使った業務が中心となるため、リモートワークが可能な場合もあります。
在宅ワークで理学療法士の働き方はどう変わる?


在宅ワークを取り入れることで、理学療法士の働き方にはさまざまな変化が生まれます。通勤の負担を減らせるだけでなく、臨床以外のキャリアを考えるきっかけにもなるでしょう。一方で、仕事に応じた新しいスキルを身につける必要もあります。
通勤時間を減らし、生活に合わせた働き方がしやすい
在宅ワークでは、通勤にかかる時間や負担を減らせます。仕事の内容によっては勤務時間や場所を調整しやすく、通勤に使っていた時間を家事や育児、スキルアップなどに充てられることもメリットです。
たとえば、出勤前後の移動時間がなくなることで、仕事と家庭の時間を分けやすくなるでしょう。フルタイムだけでなく、業務委託や副業など、自分の生活に合わせた働き方を選べる場合もあります。
臨床以外のキャリアを築くきっかけになる
在宅ワークへの挑戦は、「理学療法士=臨床」という選択肢だけでなく、新しいキャリアを考えるきっかけにもなります。
二人の子どもを育てながら訪問リハビリテーションで働く市川聡美さんは、仕事にやりがいを感じる一方、気力や体力の消耗が大きく家庭との両立に悩んでいました。
転機となったのは、子どもの体調不良で仕事を休むことが増えたことでした。



河村友絵さん
理学療法士の資格を活かしながら家庭の時間も確保できる働き方を探し、SNSで知った医療系取材ライターに挑戦しています。
新しいスキルを身につける必要がある
在宅ワークをはじめるには、仕事に応じた新しいスキルが必要です。たとえば、PC操作や文章作成、Webライティング、オンラインツールの使用などがあります。
とはいえ、最初から必要なスキルをすべて持っている必要はありません。講座やコミュニティの勉強会などで学びながら、少しずつ仕事につなげていくこともできます。



河村友絵さん
まずは興味のある仕事に必要なスキルから、一つずつ身につけていきましょう。
未経験から理学療法士が在宅ワークをはじめる方法


未経験から在宅ワークをはじめるには、段階を踏んで準備を進めることが大切です。ここでは、4つのステップに分けて紹介します。
STEP1|自分の経験や得意分野を整理する
まずは、これまでの臨床経験や得意分野を書き出してみましょう。たとえば、患者さんへの説明、身体機能の評価、運動指導、多職種との連携などです。これらを「わかりやすく説明する力」「相手の話を聞く力」などのスキルに置き換えると、自分に合った在宅ワークを見つけやすくなります。
STEP2|必要なWebスキルを身につける
次に、目指す仕事に合わせて必要なスキルを選びます。医療ライターなら文章作成や医療ライティング、コンテンツ制作ならデザインや動画など、挑戦したい仕事に必要なものから少しずつ学びましょう。スキルを身につける方法には、書籍やWebサイトでの独学や、オンライン講座の受講や、コミュニティの勉強会への参加などがあります。



河村友絵さん
自分に合った方法で基礎を学び、実際に文章や画像を作るなど、手を動かしながら練習することも大切です。
STEP3|求人や業務委託案件を探す
スキルを身につけたら、企業のリモート求人や業務委託案件を探してみましょう。まずは医療・ヘルスケア関連など、自分の経験を活かしやすい分野から探すと、これまでの知識を強みにしやすくなります。
STEP4|小さな仕事から経験を積む
いきなり大きな案件を目指すのではなく、小さな仕事を積み重ねて実績を作る方法もあります。副業からはじめ、本業との比重をライフステージに合わせて調整していく人も珍しくありません。



河村友絵さん
まずは無理のない範囲で一歩踏み出し、自分に合った働き方を少しずつ形にしていきましょう。
理学療法士の経験を活かして在宅ワークに挑戦しよう


理学療法士として得た知識や臨床経験は、Webスキルなどを掛け合わせることで、在宅ワークにも活かせます。医療ライターや取材ライティング、医療広告デザイン、メディアディレクションなど、キャリアの選択肢は多種多様です。
独学では、必要なスキルや自分のやり方が合っているのか迷うこともあるでしょう。Medi+では、医療資格や経験を活かし、仕事につながるWebスキルを身につけられます。



河村友絵さん
講座で基礎を学び、経験ある方からのフィードバックを受けながら経験を積むことで、在宅ワークへの一歩を踏み出しやすくなるでしょう。
まずは自分の経験を活かせそうな仕事を見つけ、できることから少しずつ学んでみてはいかがでしょうか。










