こんにちは!MediJumpを運営しています、薬剤師ライターのまいまいです。
今回は、運営している「MediWebラボ(元:医療ライターの交流ラボ)」内で開催した「取材し合おう!イベント」にて、医療ライターであるラボメンバー同士で取材&記事作成した記事をvol.1〜4に分けて紹介していきます!
この記事では、ラボメンバーの広報・取材ライターみっこさんに取材させていただいた内容を記事化しています。どうして理学療法士から医療ライターになったのか?どんな働き方をしているのか?今後やりたいことは?など、気になる内容をたくさん聞かせていただきました!
みっこさんの自己紹介
ーーでははじめに、みっこさんの自己紹介をお願いします。
医療ライターのみっこです。
前職は理学療法士として、療養型の病院で2年半と、主に整形外科疾患を取り扱う回復期の病院で1年弱働いていました。
回復期の病院で働きながらライティングの勉強を始めて、退職後2022年の1月から本格的に医療ライターをはじめました。
今は取材ライティングにチャレンジしながら、アルバイトで医療法人のSNS運用など広報活動をはじめています。
「ハンディのある方と健常者がわかり合えたら」と理学療法士へ
ーーありがとうございます。
早速ですが、みっこさんが理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてもらえますか?
理学療法士になった理由は、子どもの頃から「ハンディの程度や有無にかかわらず、お互いをわかり合えたら暮らしやすい世の中になるんじゃないか」と思っていたからです。
私は小さい時から、身近に特別支援学級のお子さんなどハンディのある人がいる環境で過ごしていました。そのため、「私は医療や福祉の分野に関わるんだろうな」と漠然と思っていました。
あとは、スポーツで体を壊したこともあって。怪我をして精神的にしんどいときが多かったことも、きっかけのひとつです。
その時に、メンタルと体の両方をサポートするリハビリテーションの分野なら、私のやりたいことが見つかるかもしれないという感覚が芽生えました。
ーーハンディのある方との関わりや、怪我をしたことでみっこさん自身もつらい経験をしたことがきっかけだったのですね。
ちなみに、スポーツは何をされていたのでしょうか?
一番長くやってたのは、陸上の長距離です。
小学1年生から中学3年生まで頑張っていたのですが、小学生から中学生の、女性の体が成長する段階で、ひどい貧血を起こしてしまって。
貧血で骨が作りづらくなり、何回も骨折を繰り返していました。「なんで、私は走ってるんだろう……」と思うくらい辛かったですね。
先生やボランティアの方が、一生懸命練習メニューを考えてくれたんですけど、チームメイト全員が同じメニューで練習することがほとんどでした。私個人には合っていない内容だったんですね。
個人に合った練習メニューを組むには、正しい身体の知識やその人の状況を把握する必要があると思います。コーチと私の間で、分かり合えていなかったからこそ苦しかった経験ですね。
ーー確かに、体やメンタルのケアは正しい知識が無いと余計に苦しんでしまう気がします。
理学療法士の方も患者さんの復帰をサポートする過程で、患者さんの見えない部分まで正しく理解することが大事なんですね。
私の行っていた業務は、作業療法士さんによる関わり方にも近いかもしれないですね。
理学療法士は、在宅や施設復帰に必要な身体機能面を考えて、動きの部分へのフォーカスがほとんど。作業療法士さんは、認知機能やメンタルなど、生活場面に必要な援助をトータルでサポートされています。
きっちり専門性を分けて指導するのもいいと思います。でも、私は「リハビリテーション」という大きい括りととらえて、専門性にとらわれない関わり方をしていいのではと思っているんです。
「枠にこだわずに動きたい」という思いは、今の活動にも影響しているかもしれません。
理学療法士として、働いて感じたこと
ーー理学療法士になるうえで、印象に残ったことはありましたか?
学生実習で回復期病院にいた時に、ターニングポイントとなる出来事がありました。
当時、自宅復帰を目指す90代の患者さんを担当していたんです。その患者さんは軽度の認知機能の低下がある方でした。登り坂が多い場所に住んでいましたが、1人で暮らしたいしお買い物も絶対自分で行きたいと、自分のライフスタイルを大切にしていたんですね。
患者さんのご家族は、「転んでしまってもいいから、自由に生活してほしい。最期まで本人の希望を叶えてほしい」とおっしゃっていたのが印象的でした。
その患者さんのことが心配だったのですが、関わっている途中で実習が終わってしまって。「実習生だと、患者さんの退院後についてはわからないんだな」と思った時に、在宅や療養についてもっと知りたくなりました。
それがきっかけで、最初の就職は療養型の病院を選びました。
ーー療養型と回復期と、どちらの病院でも働かれた経験があるとのことでしたが、実際に働いてみた感想はいかがでしたか。
療養型の病院って、”病気を抱えた方が最終的に行き着く場所”なので、寝たきりになる方がほとんどなんです。しかし、多くの患者さんは、「最期まで口から食べたい」「お花見に行きたい」と希望を持っています。
療養型の病院にいた2年半は「患者さん達の最期の希望を叶えるんだ」というポリシーを持って働いていました。しかし、しだいに「患者さんが寝たきりに至るまでに、自分も何かできないかな?」とも思うようになり、回復期の病院に転職しました。
療養型の病院と比べて、回復期の病院は約3ヶ月間の短いスパンで患者さんが退院するので、慣れるまではひとりの患者さんとゆっくり関われず大変でしたが、「社会復帰につながるリハビリテーションに、意義を感じるな」と楽しく働いていました。
ただ、私の”なんでも一生懸命にやりすぎてしまう性格”だと、スピード感のある回復期の現場で働き続けることは、合ってなかったみたいです。
みっこさんが医療ライターになったきっかけ
ーーみっこさんが、理学療法士から医療ライターへ転身したきっかけや、最近始めた取材ライティングと広報の仕事について、お話を伺わせてください!
はい、よろしくお願いします!
自分に合う働き方として、出会ったものが医療ライターだった
ーー子どもの頃からの強い想いを持って理学療法士をされていたんですね。
そんなみっこさんが、医療ライターに出会ったきっかけは何だったのでしょうか。
去年の秋くらいに、回復期の病院が合わないと感じて、自分の特性に合う働き方を探していました。そんな時、医療ライターという働き方に出会ったんです。
私は黙々とする作業が好きなほうで、内省が得意なんですよ。だから、ライティングで文字に向き合ってる時間も、自分に絶えず問いかけながら書き続けられるから、なんだか楽しい時間だなと思っています。
医療ライターは、最初は「副収入があったらいいな」ぐらいの感覚ではじめ始めました。
けど実際やってみたら、「もしかしたらライターで子どもの頃からの想いがを叶えられるかもしれない」と考えるようになりました。
今も”みんながお互いをわかり合えたら暮らしやすい世の中になる”という想いをモチベーションに医療ライターを続けています。
あと、まいまいさんの医療ライター講座を受けて、いろんな情報の集め方などを知ったので、せっかくだから、しばらくは文字で生きていきたいなと。今はそんな心持ちでいます。
ーー医療ライターは、理学療法士を続けながら始めたのでしょうか。
医療ライターの勉強は、はじめは回復期の病院で働きながら独学ではじめました。しかし、体調を崩してしまい、休職をした時期があったんです。
休職をしたあと、上司から戻ってきていいよって言われていましたが、また体を壊したらどうしようと不安になってしまって、結局病院はやめてしまいました。
それで、勉強していた医療ライターを本格的に始めようと思い、まいまいさんの医療ライター講座を受けました。
Webで検索してみると、Webライターになった方って私と似たような境遇の方も多くて「私でもやっていけるかもしれない!」みたいな、ちょっと変な自信もありました。
医療ライター1本で活動をはじめたのが、今年(2022年)の1月からですね。
みっこさんが講座内で作成した記事
https://medi-jump.com/sleep-improvement/
過去の想いを実現させるために、仕事の幅を広げたい
ーー医療ライターを始めてから半年以上経ちましたが、変化はありましたか?
自分がやりたい分野や得意な分野を、ちょっとずつ見つけられてきたと思っています。
今一番興味があるのは取材ライティングなので、取材分野の幅を広げていきたいです。「ハンディを持っている人もそうでない人も分かり合える」という、私のこだわりたい部分に行きつけたら良いなと思っています。
ーー最近はどのような記事を書いているか教えていただけますか?
取材の仕事は、まだ片手で数えられるくらいですけど、イベントレポートなどの仕事をいただいています。
また、医療法人の広報としてInstagramを発信するアルバイトもしています。医療法人の事業所の利用者さんや職員さん達に取材をして、内容をInstagramにアップする、というお仕事です。
今の仕事はどちらも、新しい経験を積むステップになっています。クライアントさんは「仕事をやりながら、覚えてもらえれば」とおっしゃってくださるので、ありがたいですね。
ーー「とりあえず経験を積む」というのは大切かもしれませんね。自分に合ってるかどうかもやってみないと分からないですし。
そうなんですよ。それこそ自分に合ってるかどうかの取捨選択をするという意味でも、今の仕事をさせてもらっています。
ーー実際に取材の仕事をしてみて、今の仕事はみっこさんに合ってそうですか?
単純に楽しいですね。特にInstagramは、個人的なアカウントは持ってますけど、企業の公式のアカウントを更新するなんて初めてなので。
マーケティングのことを考えたり、見栄えやデザインのことを考えたりとか、「頑張らなくちゃ!」と勉強もはかどります。責任が伴うからこそ勉強が進むというのは、収穫のひとつでした。
みっこさんが、これから叶えたい夢
ーー最後の質問となりますが、みっこさんがこれから叶えたい夢があれば教えていただけますか?
最初にお話しした”みんながお互いをわかり合えたら暮らしやすい世の中になる”というのは、これからも私の中で大切な芯になると思います。でも、どうやって叶えていくかは「理学療法士」という枠にこだわらず、柔軟に考えていきたいですね。
今、医療業界が情報化していく流れになってきています。
都市部の企業や病院は、すでに自社のPRに力を入れていますが、地方の小さなクリニックやデイサービスのような、まだ発信に慣れていない施設もたくさんあります。
なので、そのような発信に困っている施設に、広報として入らせていただきたいなと思っています。
地方はまだ情報が希薄なところがあるから、地域の方は「私はどこのクリニックにかかればいいの」「最期はこういう感じで暮らしたいけど、どこの施設に入れば良いかな」と、困ってる方が多いと思うんですよね。
なので、どの施設に行けば良いかわからなくて困っている方と、発信が上手くいっていない施設がお互いのことを分かり合うための、架け橋みたいな存在になれれば良いなぁと思っています。
ーー確かに、困った時にどうすればいいんだろうって悩む方も多いでしょうね。
たとえば、「私の病状はこの病院の先生に治してもらえるの?」「HPを見たけど、私に合っている施設かな?ここに入所したら、どんな生活ができるんだろう?」という情報って、自分で調べても分かりにくくないですか?施設側も、地域の方がどんな情報を求めているのか分からない場合があるかもしれません。病院や施設の特徴をオープンにわかりやすく伝えれば、双方の助けになると思うんですよね。
医療・福祉側と利用者側のギャップを無くしたい、というのが私の野望です!
ーー枠にこだわらずに1つの想いに向かっていく姿、とても素敵です!
これからも色々なことにチャレンジしていくんですね。
体調と相談しながら、自分のことも大事にしながらチャレンジしたいですね。自分ありきの人生だと思っているので。
あとは、居心地の良い場所を見つけて移住したいなぁとも考えています。私はマイペースで、黙々と作業するのが好きなのと、今までのどかな所に住んでいたのもあるので、田舎かトカイナカ(都会と田舎の間)に住んでみたいですね。
ーー芯はブレずに、あらゆる角度から行動されている姿がとても印象的でした。
みっこさんに合った働き方をたくさん見つけていって、夢を実現してもらいたいなと思います。
ペアインタビューをしてみて:取材ライターの感想
メグミさん
今回は【MediWebラボ企画/取材ライティングをし合おう!イベント】として、現在は取材ライターや広報のお仕事に挑戦されているみっこさんにお話を伺いました。
みっこさんが子どもの頃に感じたことを実現するために、新しいことにチャレンジして楽しんでいるお話を聞いて「私も頑張ろう!」と思いました。
そして、取材相手にじっくり向き合って、本質や良いところを発信する取材ライティングのお仕事は、内省が得意なみっこさんに合っているのだなとも感じます。
メグミさん
私は、今回初めて取材ライティングさせていただきました。緊張もありましたが、何よりお話を聞くのがとても楽しかったです。
インタビューし合う経験なんて滅多に無いので、今回のイベントは良い機会になりました!
【MediWebラボ企画/取材ライティングをし合おう!イベント】
vol.1:休学中の薬学生ライター、えみぞうさんにインタビュー!
vol.3:医療ライター講座や「MediWebラボ」運営中、まいまいさんにインタビュー!
vol.4:薬剤師の医療ライター、モトミさんにインタビュー!がんばりすぎない働き方を目指して
【みっこさんのSNS】
・Twitter:https://twitter.com/web60672064
「取材し合おう!イベント」企画:MediWebラボ
医療×Webで活躍するクリエイターさんの参加をお待ちしています!🙌
https://community.camp-fire.jp/projects/view/577055
取材・記事作成:松本メグミ